3-19 六人目の勇者? ミリア:忍びへの道
その夜、焚き火を囲みながら俺は言った。
「ミリア、君の脚と感覚は悪くない。だけど、罠に弱いのが致命的だな。――いっそ、忍者として鍛え直してみないか?」
「に、忍者!? 何だか分からないけど、かっこいい! やるやる!」
ミリアの尻尾が勢いよく立ち上がり、ぴょこぴょこと跳ねる。
◆
翌日から忍者修行が始まった。
最初の頃は、あちこちで転倒や木の枝への引っかかりが頻発。
「わっ、いたた……!」
「またかよ、ミリア……」
俺とレンカは顔を見合わせ、思わずため息をつく。
しかし、失敗の中にも光はあった。
転ぶ拍子に偶然罠の作動を止めたり、落ちた枝で敵の足をひっかけたりと、ドジが功を奏することも少なくない。
「へへっ、偶然だけど、やったー!」
ミリアは満面の笑みで尻尾をぶんぶん振る。
俺は苦笑しながらも、彼女の動きの改善を実感していた。
◆
数日経つと、転倒も減り、木の枝を利用した素早い移動や、敵の索敵・罠解除の動きも少しずつ身についてきた。
同時に、ダリオには忍者用の武具・道具作りを依頼。
童子切安綱を忍者刀として加工し、棒手裏剣・十字手裏剣・まきビシを大量生産。
「投げるやつと撒くやつね!」
ミリアは目を輝かせ、手裏剣を投げる練習で転倒しながらも楽しそうに跳ね回る。
さらに、アラクネの糸やドラゴンレザー、ミスリル銀、オリハルコンを用いて忍者装束を作成。
水蜘蛛や城壁用の投擲具も揃え、必要に応じてレンカのストレージに収納した。
◆
訓練の最中、ミリアは何度も小さな失敗を繰り返す。
草むらに転がった拍子にまきビシを自分で踏みつけて滑ったり、分身の術で分身が木に引っかかったり。
「ぎゃあっ! 私が踏んじゃったー!」
「……おい、ミリア、ちゃんと確認してくれ!」
しかし、そのドジが逆に敵を惑わせることもあり、偶然の戦果が続出した。
◆
数ヶ月後、ミリアは立派に“忍び”として成長していた。
罠解除や索敵を任せられ、戦闘でも奇抜な戦術を繰り出せるようになる。
俺は、
「うん、これで立派な忍びだ。罠解除と索敵は任せたぞ」
ミリアは元気に答える。
「うんっ! 任せて!」
ミリアは少し照れながらも胸を張り、尻尾をピンと立てた。
そのドジで可愛らしい行動は、旅の仲間に笑いと驚きを与えつつ、成長した戦闘能力と相まって、一行に欠かせない存在となっていくのだった。
ここで、ユーマが天界で、忍者の修業を受けていた事に繋がりました。
また、ミリアがアラクネを倒した事にも意味がありましたね。
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