3-14 ドワーフの王国:ドワーフの国からの出立
ダリオは、ドラゴンレザーアーマー上下に小手、ブーツ、バックパックを装備し、両手に戦鎚と盾を構える。
俺たちは旅立ちの準備を終え、いざ出発――というところで、肝心なことを忘れていたのに気づいた。
そう、ドワーフの国に来たのに、国王への挨拶をまだしていなかったのだ。
そこでダリオに国王への謁見手続きを申し出ると、
「いや、兄貴への挨拶は別にいいじゃろ」
との返答に驚愕する。
ダリオ、王弟だったのか。
「いや、王弟なら尚のこと、挨拶しないと。危険な旅に王族を連れて行くなら尚更だ」
と言う俺に、ダリオは少し間を置いて返す。
「それを言うなら、王妹を母に持つお前さんも、王族か王族に近いじゃろ」
うっと一瞬詰まるが、俺は食い下がる。
「魔導通信具で定期的に連絡を取っているので大丈夫です。予備の魔導通信具もありますから、定期連絡だけでも」
「分かった。もう後ろに居るから、堅苦しい挨拶は抜きで良かろう」
えっと思った瞬間、後ろでマントを翻す音がし、ダリオによく似たドワーフが、悪戯を見つけられた子供のように気まずそうな顔で現れた。
「せっかく華麗に現れようと思っていたのに……儂が国王のガルドゥークじゃ」
そこへレオンハルトが騎士の礼を取りながら話しかける。
「これは、ガルドゥーク陛下。お会いできて恐悦至極です」
「よいよい、堅苦しい挨拶は抜きじゃ。それより、エルフの秘蔵酒は残っておるかの?」
俺は「ああ、流石に兄弟だわ」と独り言ち、ストレージからウィスキーを一樽取り出す。
「こちらをお納めください。あと、魔導通信具もお渡ししますね」
「おお、瓶ではなく樽でとは、太っ腹じゃの」
「いえいえ、国王陛下に小瓶では、少々心もとないかと」
ガルドゥークは満足そうに頷き、何度も頷く。
「まだあったのか。まあいい。では出発するぞ」
と言うダリオに、ガルドゥーク王は、
「冷たいのう、たった二人の兄弟じゃろう?」
と呟く。
俺は、「では二人きりで話し合ってはどうですか?」と返す。
ガルドゥークの目がキラリと光った。
「ダリオよ、出発前に二人で久しぶりに飲まんか? そちらのお仲間も含めてな」
結局、断れずその晩は宴会となり、全員二日酔い。
レンカも回復魔法が使えず、出発は三日ほど延びることになった。
そして次の目的地は、かつて獣人の国があった場所だ。
魔王軍により獣人の国は滅ぼされたが、獣王――獅帝グラオルは魔王軍四天王となり、少数ながら獣人を率いてニース国イーバラット学園都市に奇襲を仕掛けた事実がある。
俺たちは、何か手がかりがあるのではないかと考え、獣人の国跡地の手前に広がる森林地帯を抜け、獣人の国跡地へと向かうのだった。
スマートフォンで読んでみたら辛かったので、改行を入れました。
本文は修正していません。
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主人公たちが獣人の国へ向かう途中で新しい仲間が加入する展開です。
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