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3-11 ドワーフの王国:双雷剣(ヴォルト・ゲイル)

 翌日、二日酔いの俺たちは、ダリオの家にお世話になることになった。


 ダリオ曰く、武具を全員分作り、旅の準備が整うまで泊まっていけとのこと。


 ありがたい申し出に、俺たちは素直に話に乗った。


 ついでに庭先も借り、毎日の鍛錬も許可してもらった。


 初日はエリシアの武具調整から始まる。


 精霊弓「アルシエル」を点検し、森の導杖をより魔力伝導率の高い仕様に調整。


 その後、俺たちの防具も鑑定され、ミスリル銀に加え、オリハルコンやドラゴンの鱗を組み込んだ新しいレザーアーマー――ドラゴンレザーアーマー、小手、ブーツが全員分作られることになった。


 レザー部分にはその名の通りドラゴンの皮を使用。


 丈夫で、己の放つドラゴンブレスにも耐えるその皮は、プレートアーマー以上の防御力を誇った。


 「大盤振る舞いして大丈夫ですか?」


 と問う俺に、ダリオは豪快に笑った。


 「何、エルフの秘蔵酒で十分お釣りがくる」


 一週間後、新しい防具を身に着けてみると、軽くて頑丈。


 要所要所にオリハルコンやミスリル銀で補強され、ブレストアーマーはもはや不要だった。


 エリシアだけは緑の外套を上から羽織っている。



 次はレオンハルトの剣だ。


 ダリオが意外な提案をする。


 「レオン、主、双剣術をやってみんか?」


 「防御は……ドラゴンレザーアーマーがあるから問題ないのか」


 「有無、スピードを生かし、雷撃にも耐えるなら、ショートソード二本で戦うのが限界じゃろ」


 「何故ショートソードなのですか?」


 「剣身が長いと折れやすい。斥候ならダガーを勧めるが、剣士ならこれが限界じゃ」


 「宜しくお願いします」


 「有無、では早速取り掛かるかの」


 二週間、レオンハルトはショートソード二本で鍛錬を続けた。


 相手は俺――バスタードソードにラウンドシールドを構え、最初は俺が優勢だったが、一週間後にはレオンハルトの方が優勢となり、双剣術のスキルを身につけた様子だった。


 二週間目には、完全に俺が押されるようになっていた。



 その頃、ダリオが呼びに来る。


 「完成じゃ、双雷剣ヴォルト・ゲイルだ」


 美しく肉厚で、雷を思わせる意匠が施された二振りの剣。


 「早速、使ってみても?」


 「おう。試してみて、違和感があれば言うんじゃぞ」


 庭先に出て、レオンハルトは閃光の勇者化する。


 雷を双雷剣にエンチャントし、素振りと剣舞を数回行う。異常は見当たらなかった。


 「素晴らしい、初めてなのに馴染む」


 「それは良かった。さて、後はそこの坊主と嬢ちゃんだが、どちらから作る?」


 「では、レンカを先にお願いします」と俺が譲る。


 「ふむ、判った。明日から取り掛かるかの。今日は休息じゃ」


 「それじゃあ、これを」


 と俺はウィスキーの入った瓶を渡す。


 「何じゃ、まだあったのか? それじゃ頂こうかの」


 俺は魔法でキンキンに冷やした麦酒も取り出す。


 「麦酒か、そんな水みたいなもので疲れが飛ぶかの?」


 「では、試してみます?」


 「いや、わしはこっちの秘蔵酒が良い」


 そこで俺は同士を募ることにした。


 「キンキンに冷えたビールがあるけど、飲む人は……お、レンカとエリシアだね」


 ウィスキーを飲み始めるダリオに、俺はビールを注ぎ、自分、レンカ、エリシアで味わう。


 冷えた喉ごしが、一日の疲れを吹き飛ばす。


 美味しそうに飲む俺たちを見て、レオンハルトとダリオも興味津々。


 二人にビールを注ぐと、


 「これは美味い、冷やしただけでこんなに美味くなるとは」


 「ええ、疲れが吹き飛びますね」


 「酒の肴に、枝豆、干しイカ等もありますよ」


 「えだまめ? どれ……これはいける」


 枝豆をつまみにビールを飲むダリオとレオンハルト。


 宴は深夜まで続き、鍛冶場は笑い声と酒の香りに包まれていた。

 スマートフォンで読んでみたら読み辛かったので、改行を入れました。


 本文には、手を加えていません。


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