3-11 ドワーフの王国:双雷剣(ヴォルト・ゲイル)
翌日、二日酔いの俺たちは、ダリオの家にお世話になることになった。
ダリオ曰く、武具を全員分作り、旅の準備が整うまで泊まっていけとのこと。
ありがたい申し出に、俺たちは素直に話に乗った。
ついでに庭先も借り、毎日の鍛錬も許可してもらった。
初日はエリシアの武具調整から始まる。
精霊弓「アルシエル」を点検し、森の導杖をより魔力伝導率の高い仕様に調整。
その後、俺たちの防具も鑑定され、ミスリル銀に加え、オリハルコンやドラゴンの鱗を組み込んだ新しいレザーアーマー――ドラゴンレザーアーマー、小手、ブーツが全員分作られることになった。
レザー部分にはその名の通りドラゴンの皮を使用。
丈夫で、己の放つドラゴンブレスにも耐えるその皮は、プレートアーマー以上の防御力を誇った。
「大盤振る舞いして大丈夫ですか?」
と問う俺に、ダリオは豪快に笑った。
「何、エルフの秘蔵酒で十分お釣りがくる」
一週間後、新しい防具を身に着けてみると、軽くて頑丈。
要所要所にオリハルコンやミスリル銀で補強され、ブレストアーマーはもはや不要だった。
エリシアだけは緑の外套を上から羽織っている。
◆
次はレオンハルトの剣だ。
ダリオが意外な提案をする。
「レオン、主、双剣術をやってみんか?」
「防御は……ドラゴンレザーアーマーがあるから問題ないのか」
「有無、スピードを生かし、雷撃にも耐えるなら、ショートソード二本で戦うのが限界じゃろ」
「何故ショートソードなのですか?」
「剣身が長いと折れやすい。斥候ならダガーを勧めるが、剣士ならこれが限界じゃ」
「宜しくお願いします」
「有無、では早速取り掛かるかの」
二週間、レオンハルトはショートソード二本で鍛錬を続けた。
相手は俺――バスタードソードにラウンドシールドを構え、最初は俺が優勢だったが、一週間後にはレオンハルトの方が優勢となり、双剣術のスキルを身につけた様子だった。
二週間目には、完全に俺が押されるようになっていた。
◆
その頃、ダリオが呼びに来る。
「完成じゃ、双雷剣だ」
美しく肉厚で、雷を思わせる意匠が施された二振りの剣。
「早速、使ってみても?」
「おう。試してみて、違和感があれば言うんじゃぞ」
庭先に出て、レオンハルトは閃光の勇者化する。
雷を双雷剣にエンチャントし、素振りと剣舞を数回行う。異常は見当たらなかった。
「素晴らしい、初めてなのに馴染む」
「それは良かった。さて、後はそこの坊主と嬢ちゃんだが、どちらから作る?」
「では、レンカを先にお願いします」と俺が譲る。
「ふむ、判った。明日から取り掛かるかの。今日は休息じゃ」
「それじゃあ、これを」
と俺はウィスキーの入った瓶を渡す。
「何じゃ、まだあったのか? それじゃ頂こうかの」
俺は魔法でキンキンに冷やした麦酒も取り出す。
「麦酒か、そんな水みたいなもので疲れが飛ぶかの?」
「では、試してみます?」
「いや、わしはこっちの秘蔵酒が良い」
そこで俺は同士を募ることにした。
「キンキンに冷えたビールがあるけど、飲む人は……お、レンカとエリシアだね」
ウィスキーを飲み始めるダリオに、俺はビールを注ぎ、自分、レンカ、エリシアで味わう。
冷えた喉ごしが、一日の疲れを吹き飛ばす。
美味しそうに飲む俺たちを見て、レオンハルトとダリオも興味津々。
二人にビールを注ぐと、
「これは美味い、冷やしただけでこんなに美味くなるとは」
「ええ、疲れが吹き飛びますね」
「酒の肴に、枝豆、干しイカ等もありますよ」
「えだまめ? どれ……これはいける」
枝豆をつまみにビールを飲むダリオとレオンハルト。
宴は深夜まで続き、鍛冶場は笑い声と酒の香りに包まれていた。
スマートフォンで読んでみたら読み辛かったので、改行を入れました。
本文には、手を加えていません。
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