3-0 プロローグ:旅立ちの誓い
防衛戦から数日が経った。
学園都市にはまだ戦いの傷跡が残っていたが、それでも人々は再び日常を取り戻そうと懸命に動いていた。
焦げた石畳の上に、瓦礫を運ぶ音と子どもたちの笑い声が交錯する。
それは、戦いを越えてなお、生きようとする人々の証だった。
そんな折、王都からの使者が学園を訪れた。
彼がもたらしたのは――世界の命運を揺るがす、ひとつの報せ。
「……七魔王?」
講堂に集まった生徒たち、教師陣、そして学園都市の代表者たち。
使者は重々しく頷き、言葉を続けた。
「影妖クルスの言葉は真実であった。
我らが王国のみならず、ミドルアース全土に“七柱の魔王”が暗躍している。
四天王はその尖兵にすぎぬのだ」
場内がざわめく。
誰もが息を呑み、次の言葉を待った。
俺は拳を握りしめた。
【……やはり。あの影は、前触れだったのか】
やがて、使者は一枚の巻物を広げた。
古びた羊皮紙に刻まれた文様が、淡く光を放っている。
「対抗する唯一の手段――それは、ツーク国立学園校長が予知夢に見た“七勇者”の存在だ。
七つの光が揃う時、七魔王を討つ力が顕現する。
そこにいるユーマ・ヴァレンティア、レンカ・ルミナリア、そして“閃光の勇者”として覚醒したレオンハルト・グランベルク。
この三名がすでに勇者として選ばれた。
残る四人を――早急に探し出さねばならぬ」
講堂に、静寂が訪れる。
その静けさは、ただの驚愕ではなかった。
それは、運命に抗う覚悟を求められた者たちの、静かな息づかい。
レンカが小さく息を呑む。
「七勇者……ついに」
俺はその手を取り、まっすぐに見つめた。
「――行こう。残りの四人を探し出そう。
七魔王を討ち、この世界を……必ず救ってみせる」
その言葉に、レオンハルトが立ち上がった。
「ユーマ、約束通り――俺も行く。お前たちと共に戦う!」
講堂に満ちるのは、恐れではなく、確かな決意。
その日、転生の記憶を背負う少年と、彼を支える婚約者の少女、そして新たな仲間たちは――長く、果てしない旅路へと歩みを始めた。
七勇者を探し、七魔王に挑む。
それは、世界を救うための、そして彼ら自身の運命を賭けた――新たなる冒険の幕開けであった。
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