2-33 学園都市防衛戦:防衛戦後日談「それぞれの夜」
戦鬼と獣王が倒れ、学園都市にようやく静けさが戻った。
だが、瓦礫に覆われた街並みと負傷者の姿が、その戦いの激しさを雄弁に物語っている。
「これが……勝利の代償、か」
俺は崩れた城壁を見上げ、深く息を吐いた。
レンカが隣に立ち、そっと俺の手を握ってくる。
「でも、守れたよ。みんな生きてる。……それだけで十分じゃない?」
「……ああ。君がいてくれたから、な」
少し離れた広場では、レオンハルトが剣を片手に仲間たちに囲まれていた。
「レオン先輩、すごかったです!」
「獅帝を倒すなんて、本当に人間なのか!?」
生徒たちの喝采を浴びながらも、レオンハルトの表情はどこか複雑だった。
「……まだだ。俺はあの時、ユーマとレンカたちの支援がなければ倒れていた。結局、一人じゃ届かなかった」
彼の視線の先には、俺とレンカの姿があった。
レオンハルトはふっと笑みを浮かべる。
「……だが、悪くない。あいつらとなら、肩を並べてどこまでも歩いていけそうだ」
その夜。
学園都市の講堂には教師や貴族が集まり、戦後会議が開かれた。
「魔王軍の四天王を退けた功績は大きい。だが――影妖クルスが現れた事実を見過ごすわけにはいかぬ」
重苦しい空気の中、教師の一人が言葉を続ける。
「奴らの言葉通り、これは序章に過ぎぬのだろう。我らはさらなる脅威に備えねばならん」
俺は無意識のうちに拳を握りしめていた。
戦いの最中に感じた、あの“影”の気配――
それは間違いなく、七魔王の存在を示していた。
【次は……この学園都市だけじゃない。王国全土、いやミドルアース全体が狙われる。なら、俺たちは――】
レンカがそっと寄り添い、小さく囁く。
「ユーマ。あなたは一人じゃないよ」
「……ああ。必ず、皆で抗ってみせる」
こうして、学園都市防衛戦は幕を閉じた。
だが同時に、少年と少女の「真の戦い」の幕が、静かに開き始めていた。
もし、面白い。
続きが気になる。
先を読みたい。
等のご希望があれば、下記の評価とブックマークをお願い致します。
作者の励みになります。
宜しくお願い致します。




