2-28 学園都市防衛戦:包囲戦の始まり
翌日――学園都市の城壁から見える景色は、誰もが息を呑むほど異様なものだった。
地平線の向こうまで、黒き軍勢が連なっている。
旗印には魔王軍の紋章。
その中に、赤褐色の大口を開いた獣の紋章、灰緑色の朽ちた玉座の紋章――
暴食の魔王と怠惰の魔王の印である。
無数の魔物と獣人兵、さらには見たこともない巨大な兵器が、学園都市の城壁を取り囲んでいた。
「……冗談、でしょ……」
若き生徒の一人が膝をつき、震える声を漏らす。
しかし現実は非情だった。
城壁を見上げるかのように、巨躯の戦士が立つ。
全身に鉄鎧をまとい、禍々しい槌を携えた魔族――
「戦鬼バルザグル……!」
教師の一人がその名を呟いた瞬間、周囲に緊張が走る。
バルザグルは高らかに笑い、両腕を掲げた。
「小賢しい学徒どもよ! お前たちの学問など、この大地の前では無力だ!
我が軍勢に屈し、土に還れ!」
その言葉と同時に、地面が揺れた。
大地そのものが盛り上がり、学園都市を取り囲むように岩壁が突き出す。
まるで巨大な牢獄だ。
「な、なんだこれ……! 出口が……!」
「封鎖された!? 俺たち、閉じ込められたのか!?」
混乱する生徒たちに追い打ちをかけるように、雷鳴が轟く。
「ガアアアアアアッ!!」
轟音と共に獣人軍団が咆哮し、城壁へと突撃してくる。
その先頭に立つのは、黄金のたてがみを持つ獅子の獣人――獅帝グラオル。
「吠えろ、獣人どもォ! 人間どもの城を、この牙で食い破れ!」
その咆哮は戦場全体を震わせるほどの迫力を持っていた。
城壁の上で剣を構えたレオンハルトは、瞳を燃やす。
「……あいつが大将か。俺が行く!」
「待って、レオン先輩!」
俺が制止の声を上げるが、雷鳴のような咆哮にかき消される。
学園都市の戦いは――すでに始まっていた。
もし、面白い。
続きが気になる。
先を読みたい。
等のご希望があれば、下記の評価とブックマークをお願い致します。
作者の励みになります。
宜しくお願い致します。




