2-26 四年生、そして旅の準備
三年生となってから、あっという間に一年が過ぎた。
卒業式と入学式は滞りなく行われ、生徒会は慌ただしさの中で、運動系クラブから助っ人を招き、式典準備に追われていた。
そして、俺たちはついに最終学年――四年生となった。
そろそろ本格的に、勇者探しの旅に出るための準備を始めたい。
特例として、俺は生徒会長職をシルヴィアに譲った。
会長と副会長が抜けたため、繰り上げで人数調整も行われたらしい。
シルヴィアは新たに三名を三年生と二年生から選抜し、会長一名、副会長二名、書記二名、会計二名の七人体制を整えた。
彼女は何も言わなかったが、俺たちの意図を薄々察していたのだろう。
自由になった俺たちは、空いた時間を自習と訓練に費やすことにした。
さらに、食料品や生活雑貨、下着、防寒着などを買い込み、ストレージに保管していく。
ストレージ内では時間が止まる――いわゆるテンプレ通りの仕様で、野菜も新鮮なまま保存でき、大いに重宝した。
加えて、キャンプ用品店で七名分のキャンプ用具を一式購入した。
これは、校長のカールオから「勇者は全部で七名いる」と事前に聞かされていたためだ。
カールオは予知夢のスキルを持ち、七つの勇者の光が集まり地上を照らす夢を見たという。
この情報は各国にも共有され、旅立つ勇者たちの支援に活かされることになっている。
また、エルフの森では火の使用が禁じられているため、古代遺跡から発掘された携帯型魔導調理器(三台)を譲り受けた。
見た目は携帯型IHクッキングヒーターだが、動力は魔力によるものらしい。
この種の調理器は古代遺跡で頻繁に発掘され、学園でも在庫が余っているため、譲渡に問題はないとのことだった。
もちろん、エルフの森への通行証と紹介状も受け取っている。
校長との約束通り、旅の最初の目的地はエルフの森と決めてある。
授業は通常通り受け続けている。
卒業後に出発する予定だからだ。
一応、勇者候補のレオンハルトにも手紙を送った。
非公式ながら、一緒に旅に出る約束も取り付けている。
彼は秋頃に顔を見せるという。
こうして整えられた準備の数々が、やがて運命の道標となることを――神々ですら予見してはいなかった。
スマートフォンで読んでみたら読み辛かったので、改行を入れました。
本文には、手を加えていません。
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