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七人の勇者と婚約者殿~世界と異世界を救う絆の物語~  作者: 童爺
第2章 学園都市イーバラット
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2-23 派閥対抗演習にて

 去年行われた派閥対抗演習だが、今年も開催されることになった。

 生徒会からは、俺、レンカ、シルヴィアが出場する。

 国王派と騎士派からも三名ずつ参加するが、今年は様子がどこかおかしい。


 国王派にはスキルスチールのスキルを持つ者がおり、戦闘中にスキルを盗まれる――そんな噂が立っていたのだ。


 こうして始まった派閥対抗演習だが、国王派は騎士派を圧倒した。

 戦闘中、騎士派のメンバーはスキルを奪われ、ほとんど素人同然の状態に陥り、為す術もなく敗れた。

 騎士派は戦意を失い、残りの生徒会組との戦闘は棄権せざるを得なかった。


 次は生徒会組と国王派の戦いだが、ここで異変が起きる。

 国王派の面々の様子がおかしい。明らかに焦っているのだ。


 それも当然である。

 俺とレンカは天界で修行を積んでおり、スキルは魂に定着している。

 魂に定着したスキルは、いかなる力でも奪うことはできない。

 今世で身につけたスキルも、魂に定着するまで修行を重ねている。

 さらに、スキルスチール対策も天界で習得済みだ。

 シルヴィアにはスキルスチール防御の術を施してある。


 こうして思う通りに事を進められなかった国王派は恐慌状態に陥り、俺たちに簡単に制圧された。


 演習終了後、騎士派に盗まれたスキルを返還したところで、国王派から当然のように質問が飛んだ。


 「なぜスチールできなかったのか?」


 俺は答える。

 スキルは、使いこなし熟練度が上がると上位のエクストラスキルに変化する。

 さらに熟練度を高めると魂に定着し、そうなればスチールは不可能になる。

 ユニークスキルの場合は、熟練度が上がればすぐに魂に定着する。

 加えて、スチール防御の術が存在することも教えた。


 要するに、生まれ持ったスキルに胡坐をかき、熟練度を十分に上げなければ、今回の騎士派のように簡単にスキルを奪われてしまうということだ。


 この一件以降、スキルを磨こうと訓練や自主練に励む生徒が飛躍的に増えた。

 特に騎士派にその傾向が顕著である。

 これまで国王派は訓練や自主練を重視してスキルを磨く一方、騎士派は陰謀や裏工作に力を注ぐ者が多く、努力を軽んじていたのだ。


 今回の件は、ツーク国立学園にとどまらず、国全体に波及した。

 そう考えると、レオンハルトの凄さが改めて理解できる。


 騎士派筆頭の家に生まれながら、派閥を嫌い、ストイックに剣術を磨いてきたレオンハルトは、俺やレンカを寄せ付けない剣技を誇っていた。

 恐らく剣技だけなら、国内ではレンカの兄で次期剣聖候補のアレン・ルミナリアに匹敵するだろう。


 俺は、ますます騎士派の神輿に祭り上げられそうなレオンハルトのことを、少し気の毒に思った。

 とりあえず、手紙の一つでも書こうと考えている。

もし、面白い。


続きが気になる。


先を読みたい。


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