2-22 初めての実戦訓練:ダンジョンの反省会
残った五十名で、ダンジョンの反省会が開かれた。
議題の中心は、フィールドとは異なる戦闘環境の制約についてである。
武器の長さには限界があり、狭い通路で無理に大剣を振り回すことは命取りになる。
また、自らの力量を過信せず、まず浅い階層で経験を積み、確実に実力を身につけてから中間層へ挑むことの重要性が説かれた。
戦術面では、後衛を優先的に排除することが強調された。
特にゴブリンシャーマンは最優先で討つべき対象である。
理由は、彼らが味方のダメージを回復させるためだ。
可能であればサイレント(沈黙)の魔法を唱え、敵の魔法を無力化することも推奨された。
ゴブリンアーチャーに対しては、後衛がショートボウやクロスボウを携えて優先的に討つこと。
そして後衛の処理が終わるまでは、前衛が文字通り盾となって前線を維持することも忘れてはならない。
トラップ対策については、俺がパーティに一人、斥候を入れることを提案した。
級友たちは一瞬、首をかしげたが、俺は経験に基づいて断言する。
前世で妖怪退治に従事していた俺は、罠にかかって窮地に陥ることを何度も経験してきたのだ。
聞けば、四階層以降にはダンジョントラップが頻出するという。
斥候は偵察、罠解除、軽戦闘と多様な役割を担う、まさにパーティの生命線である。
こうしてフィールドとダンジョンの両方を経験した三年生たちの表情は変わった。
以前は余裕ぶった顔をしていた者も、今は精悍で慎重な面持ちを見せる。
仲間の死という現実に直面したことで、目つきまで変わったのだろう。
その後のダンジョンアタックでは、俺たち――通称「生徒会三人組」と組みたいという級友が増えた。
一パーティの最大人数は六名。残る三枠を巡って、微妙な空気が漂う。
俺たちのパーティには斥候職がいなかったため、一枠は自動的に斥候で決まる。
残り二枠も含め、くじ引きで決めることとなった。
かつては不人気だった斥候職が、いまや俄然重要な存在として脚光を浴びる。
また、サイレントの呪文を扱える聖職者も引っ張りだこになった。
後衛職全般に言えることだが、杖に加えてショートボウやクロスボウの装備が必須になりつつある。
詠唱破棄や無詠唱が使えれば問題はないが、無詠唱を扱えるのは俺とレンカのみ。
詠唱破棄を扱える者も数名いることが分かった。
パーティ編成を巡る小さな緊張、互いの実力を測る視線、そして自らの生存に関わる戦術論議――。
そんな微妙な人間関係の渦に包まれながら、俺たちはただ一つの結論に至った。
「後は、実戦経験を積むしかない」
その言葉の重みは、誰の胸にも確かに響いていた。
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