2-21 初めての実戦訓練:初ダンジョン、そして
ダンジョンの浅い階層には、ゴブリン、コボルト、オーク程度しか姿を現さない。
そのため、前衛は軽装備、後衛はローブかクロスアーマーに杖を手にして臨むのが常だった。
問題は、前衛の武装である。
ダンジョンに潜るにあたり、彼らはロングソードやバスタードソード、ツーハンデッドソードといった大剣を携えていたのだ。
俺はショートソードを主武装にラウンドシールドを構え、レンカはショートスピアを手に戦う。
シルヴィアは後衛職のため、クロスアーマーに杖を持つ。
臨時に編成したパーティは、前衛が俺、中衛がレンカ、後衛がシルヴィアという布陣だった。
バックパックには水筒や携行食、地図など必要なものを詰め込み、俺たちは迷宮へと足を踏み入れた。
俺はカンテラを掲げ、慎重に迷宮の奥へ進む。
シルヴィアには地図作成役を任せた。
他の生徒たちは準備もおろそかに、先を急いでいた。
この迷宮は地下十階まで続くらしい。
俺たちは地図を頼りに、地下二階へと向かっていた。
途中、三匹のゴブリンに手を焼く一団に出くわす。
狭い迷宮で大剣を振り回す彼らは、壁や天井を削りながら無理をして戦っていた。
本来なら獲物を横取りするのはマナー違反だが、思わず声をかけずにはいられなかった。
「手助けは必要か?」
「頼む!」
その一声で、俺たちは戦闘に介入した。
一体は俺が首を刎ねて仕留め、もう一体はレンカの突きで討ち取る。
シルヴィアは詠唱破棄で回転を加えた《ファイア・バレット》を残りのゴブリンに放ち、見事に仕留めた。
詠唱破棄のため威力はやや落ちるが、ゴブリン相手には十分だった。
「助かった、ありがとう」
「いや、構わない。それより怪我はないか?」
「ああ、薬草を塗ったから大丈夫だ。今日はもう戻るよ」
そう言い残し、彼らは来た道を引き返していった。
このような出会いは、この後三度ほど繰り返された。
そこへ魔導通信が入り、教師から今日の探索は一旦中止するよう指示があった。
俺たちは来た道を戻ることにした。
戻る途中も、苦戦するパーティに出会えば介入し、共に脱出した。
迷宮の入口に戻った時、待ち受けていたのは、未だ戻らぬ一パーティ六名の存在だった。
教師パーティは生徒たちにここで待機するよう指示を出し、サーチとライトの呪文を唱えながら迷宮へと潜っていった。
結果、地下四階で全滅しているのが発見され、遺体は回収されて戻ってきた。
地下四階から七階までは中間層であり、オーク以外の浅い層の魔物に加え、ゴブリンメイジやシャーマン、アーチャー、オーガなども出現する。
遺体は火で焼かれたもの半分、弓矢が急所に刺さっているもの半分であり、ゴブリンメイジやアーチャーと遭遇したのだと推測された。
皆は沈痛な面持ちで手を合わせた。
そして、また学園を去る者が出た。
当初百名いた同級生は、半分の五十名にまで減ってしまったのだった。
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