2-15 学園内の嵐と試練
ある朝、学園に足を踏み入れると、いつもより騒がしい雰囲気が漂っていた。
掲示板には、国王派と貴族派の間で起きた些細な揉め事の知らせが貼られ、廊下では噂話が飛び交う。
「なんだ、これ……」
俺は掲示板を眺め、眉をひそめる。
レンカも隣で小さくため息をついた。
「また派閥のゴタゴタ……新学期が始まったばかりというのに」
その時、生徒会から呼び出しがかかり、俺、レンカ、そしてレオンハルトは会議室へ向かうことになった。
部屋には生徒会役員が集まり、事態の説明が始まる。
「国王派の学生が、貴族派の寮に無断で立ち入ったとの報告です。すでに小競り合いに発展しており、事態を鎮めるための協力をお願いします」
俺は静かに頷いた。
「私たちが介入すれば、大事にはならないはず」
レオンハルトも笑みを浮かべ、
「なるほど、戦術的介入だな。任せてくれ」
◆
現場に到着すると、派閥間の学生たちは互いに牽制し合っていた。
俺は冷静に状況を分析し、まずは言葉で双方を落ち着かせる。
「無理に戦う必要はない。ここは冷静に話そう」
レンカは結界術で場を制御し、双方が不用意にぶつからないよう調整する。
結果、対立は大事に至ることなく、穏便に解決することができた。
だが、校内の噂はさらに広がり、
「ヴァレンティア家の神童とルミナリア家の神童が仲裁に入った」
という評判が、学園全体に知れ渡った。
◆
放課後、生徒会室に戻ると、レオンハルトが提案する。
「こういう派閥間のトラブルが増える前に、合同演習や交流イベントを定期的にやるのはどうだろう?」
俺も賛同し、
「そうですね。学力も剣技も魔法も、相手を知ることが大事です」
レンカも微笑んで言う。
「これで学園全体の雰囲気も和らぐはずよ」
◆
その夜、三人は学園の屋上で星を眺めながら、これからの学園生活の計画を語り合った。
「次はもっと大きな試練が待っているかもしれない」
俺が言うと、レオンハルトは力強く頷き、
「ならば、一緒に立ち向かおう」
レンカも加わり、三人の絆はさらに深まった。
こうして、学園内での事件や派閥間の摩擦を経験しながら、俺たちは友情と信頼を育て、次の試練に向けて一歩を踏み出すのだった。
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