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七人の勇者と婚約者殿~世界と異世界を救う絆の物語~  作者: 童爺
短編:真・エピローグ~ルーシアのスローライフ願望とリオとセインの武者修行~
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後-4 ドワーフの国

 ドワーフの国《ガルム=ヴォルグ》にやって来たのは、エリシアを含めた五人だった。


 門番は、エリシアの顔を見るなり、最敬礼で通行を許可する。


 ――さすが勇者である。


 勝手知ったるドワーフの国。


 エリシアは迷うことなく、一行をダリオの家へと案内した。


 「久しぶりだな、エリシア。

 そこにいるのは……ルーシアちゃんに、リオとセインじゃないか。

 もう一人は?」


 「姪のアーシェよ。

 ルーシアとアーシェはスローライフ希望、リオとセインは武者修行」


 「ダリオ叔父様、ごきげんよう。

 こちら、カールオ校長から預かった手紙です」


 ルーシアはそう言って、丁寧に手紙を差し出す。


 「ふむ……どれどれ」


 ダリオは封を切り、ざっと目を通す。


 【ルーシアのスローライフ希望を諦めさせて、リオとセインは武者修行、か。

 娘の気持ちはよう分からんが……とりあえず男二人を鍛えるか】


 「よう分かった。

 とりあえず、リオとセイン。どの程度できるか、試してやろう」


 エリシアが慌てて口を挟む。


 「ちょっと待って、ダリオ。

 ルーシアちゃんとアーシェは……」


 「そっちは専門外じゃ。

 もう一つの依頼を、わしが担当する」


 「「よろしくお願いします、ダリオ様!」」


 リオとセインが、またも息を揃えて頭を下げる。


 「まず聞こう。

 今まで、魔物はどのくらい倒した?」


 「「実戦訓練がまだなので、一匹も倒したことがありません」」


 【……駄目だな。

 ルーシアとアーシェも一緒に鍛えるか】


 そんな空気を察したのか、エリシアが言う。


 「ダリオ。ルーシアちゃんなら大丈夫よ。

 ここに来る前に、一人でダークエルフの一団と――

 魔物、ビッグボアだけど、倒しちゃったから」


 ダリオは目を見開いた。


 「……それは、魔法でか?

 それとも剣でか?」


 「両方。

 正確には、剣じゃなくて槍だけど」


 「おいおい、マジか……。

 じゃあ、残りのアーシェちゃんはどうなんだ?」


 「アーシェは、まだ基本的な弓技だけね。

 でも、そろそろ《天雨》を教えようかと思っていたところよ」


 「そうか……だらしないのは、男性陣だけのようだな」


 ダリオは腕を組み、深く頷いた。


 「よし、鍛え直してやる。

 それと――精霊弓《アルシエルⅡ》が完成している。

 アーシェちゃんに渡して構わないか?」


 「ええ、いいわ」


 「やったー! おじさま大好き!」


 「はは、ありがとうよ。

 それじゃあ、まずはリオとセインを――一丁、揉んでやるか」


 「「はい! お手柔らかにお願いします!」」


 「どうでもいいが……お前ら、本当に息ぴったりだな。

 庭に来い」



 ――それから、半刻も経たないうちに。


 二人は庭に、ぐったりと倒れ込んでいた。


 「……マジで、レオンとアレンの息子か?

 いくらなんでも、弱すぎるぞ」


 そこに、容赦のない一言が飛ぶ。


 「ええ。学園でも口だけは、一丁前だから。

 二十年、やり直して来いって感じね」


 「厳しいのう……まあ、その通りなんじゃが」


 リオとセインは、完全に心が折れた顔をしていた。


 ダリオはエリシアに向き直る。


 「ミリアのところにも、顔を出すんじゃろう?

 わしも一緒について行く」


 「いいの?」


 「ああ。

 こいつら、道中で鍛え直してやる。

 言っておくが――スパルタじゃぞ」


 「「はい! ダリオ様!」」


 「……本当に、威勢だけはいいの」


 こうして一行は、次の目的地へと旅立つ。


 向かう先は――


 獣人族のルガナ


 ミリアの待つ地であった。

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