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七人の勇者と婚約者殿~世界と異世界を救う絆の物語~  作者: 童爺
第2章 学園都市イーバラット
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2-8 学園生活の日々 ― 学び、鍛え、そして青春

 学園生活は、慌ただしくも充実していた。

 午前は座学――魔法理論や戦術学、国語、数学、政治学、歴史、地理、第二外国語など、めじろ押し。

 午後は実践――剣術や魔法戦闘訓練、ダンス、マナーなど、体を動かす授業が多い。


 俺とレンカは互いを高め合いながら、その頂点を駆けていく。


 ある日の実践訓練。

 演習場に響く金属音と、魔力の閃光。


 「ユーマ、右斜め上から!」

 「見えてる!」


 模擬敵が放った炎弾が空を裂き、俺の剣がそれをすれ違いざまに弾き散らす。

 その勢いのまま、模擬敵を一閃。

 レンカもショートスピアで模擬敵に突きを放ち、一撃で破壊する。

 俺は同時に雷のバレットを無詠唱で放ち、残りの標的を撃ち抜いた。


 「……無詠唱で複合魔法を? やはりあの子、規格外だな」


 観覧席の教官たちが静かに息を呑む。


 レンカは額の汗をぬぐいながら笑った。

 「全く、貴方と組むと緊張が絶えません」

 「お互い様だろ?」


 軽口を交わす二人。

 その光景は、すでに学年の象徴となっていた。



 放課後、俺はレオンハルトと剣を交える。


 「構えが甘いぞ、ユーマ!」

 「……っ、分かってます!」


 金属音が響くたびに、腕が痺れる。

 だが、その中に確かな成長があった。


 「悪くない。だが――次は全力で行く」


 レオンハルトが一歩踏み込み、風を裂く。

 視界が揺らぎ、次の瞬間、俺の剣が弾かれた。


 「ぐっ……!」


 地面に倒れ込みながらも、俺は口角を上げる。

 「なるほど……“本気”の先輩は、やっぱり桁が違う」


 「それでも、次は俺が倒れるかもしれん」


 ふたりは笑い合い、夕暮れに剣を納めた。


 その光景を見ていたレンカが、呆れ顔で近づいてくる。


 「……レオン先輩、夕食までに戻らなければ、また学院寮の門限に引っかかりますわよ。ユーマも、もう帰宅の時間よ」

 「「今行く」よ」

 「はぁ、まったく。男子というのはどうしてこうも単純なのかしら」


 そんな日常のやりとりが、確かな温もりを刻んでいく。


 夜。

 一軒家の一室。

 書類を整理するレンカの隣で、俺は魔法理論書をめくっていた。


 「……こうして一緒に勉強していると、昔に戻ったみたいだな」

 「ええ。でもあの頃よりずっと、忙しいわ」

 「悪いな。俺の仕事まで手伝わせて」

 「それは……貴方が無茶ばかりするからです」


 レンカの呟きに、俺は苦笑した。


 灯火に照らされる横顔。

 互いの距離は、確実に近づいていた。

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