4-46 そして
凱旋すると、勇者支援連合、各国、そして有志連合軍が一斉に歓声を上げ、俺たちを迎えてくれた。
式神たちは、地獄からミドルアースへ戻る途中で、すでに正気を取り戻していた五人の運搬を止め、俺の影へと戻ってもらっている。
一般人が十四天将の式神を見れば、正気を保てなくなる――それは、もはや経験則だった。
その後、盛大な祝宴が開かれた。
エルフたちは秘蔵の酒を惜しげもなく振る舞い、ドワーフは香り高い蒸留酒を次々と並べる。
人族や他種族もワインやブランデーを持ち寄り、宴は夜更けまで続いた。
俺とレンカは兵站軍に混じり、料理を作りながら杯を傾ける。
戦いが終わったのだと、ようやく実感が湧いてきた。
夜も更け、人々の喧騒が穏やかになった頃。
俺はレンカと共に、星々がよく見える丘に腰を下ろした。
静かな風が吹き、杯の中で酒が揺れる。
「……こんなこと、酔って言うものじゃないからさ」
俺は一度息を整えてから、続けた。
「後で、ちゃんと素面の時に結婚指輪を渡す。
だから――その時、改めてプロポーズさせてくれ」
「あら」
レンカは微笑み、少し意地悪そうに言う。
「じゃあ今すぐ、状態異常回復魔法をかけてあげる。
酔いも全部取れるわよ。
だから……今ここで、して」
「……分かった。頼むよ」
レンカはそう言うと、俺と自分に回復魔法をかけた。
頭の靄が一気に晴れていく。
俺は立ち上がり、深く息を吸い――
「レンカ……いや、渡辺蓮花さん」
ストレージから取り出した結婚指輪を差し出す。
「俺、土御門悠真と、結婚してくれませんか?」
レンカは一瞬だけ目を見開き、すぐに柔らかく微笑んだ。
「はい、悠真。結婚します。
幸せにしてね」
「もちろんだ。
世界で一番、幸せにする」
「……キスして」
「ああ」
二人は、静かに口づけを交わした。
――と。
「はぁ……やっとか」
ため息交じりに現れたのは、レオンハルトだった。
「そうね。人族は寿命が違うからよく分からないけど……
これ、遅い方なの?」
エリシアが首を傾げる。
「遅すぎるのよ、このバカップル」
ミリアが腕を組んで呆れ顔だ。
「まあまあ。
忙しかったんだから、仕方ないだろ」
カイルが肩をすくめる。
「ははっ! めでたいな!
よし、飲むぞ!」
ダリオが声高らかに宣言すると――
「まったく、あんたは」
全員から、見事に同時のツッコミが飛んだ。
翌日には、この出来事は全軍に知れ渡り、
戦勝の祝宴はさらに盛り上がることになる。
――こうして。
長き戦いの果てに、
世界は守られ、
そして俺たちは、未来へと歩き出した。
もし「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、下記の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援をいただけると、執筆の大きな励みになります!
皆様の応援が、物語を完結まで導く力になります。
よろしくお願いいたします!




