4-41 vs サタン:サタン戦直前、天使軍降臨と乱戦の序章
レオンハルトは双雷剣を軽く振り、谷の陰を見渡した。
「さあ、先を急ごうか。ユーマたちにも追いつくぞ」
疲れを癒す間もなく、五人の心はすでに次なる戦いへ向かっていた。
全員が頷き、短い休息を終えると、光と影の谷間へ再び足を踏み入れる。
◆
谷間を抜け、岩壁の間を進むにつれ、空気は重くなり、硫黄の匂いと焦げた臭気が漂い始める。
周囲は薄暗く、静寂が圧迫するかのようで、俺たちの足音だけが異様に響いていた。
やがて谷を抜けると、広大な平地が目の前に広がる。
「……ここが……」
俺は息を潜め、眼前に広がる黒い影の群れを見据えた。
暗黒の中心――黒い玉座に座する者。
サタンだ。
その周囲には、膨大な悪魔軍。
鎧に包まれ、爪や角を備えた異形たちが、整然と陣を組んでいる。
「……圧倒的……」
レンカは小さく息を吐き、手のひらに光を集めた。
闇を裂く、その時に備えて。
その瞬間――天界から光が降り注いだ。
空が裂けるかのように、聖なる光が谷全体を満たす。
四大天使――ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエル。
そして天使軍が翼を広げ、光の刃となって闇を切り裂いた。
地面に降り立つたび、聖光が暗黒を押し返し、悪魔たちは思わず身を低くする。
ミカエルの声が、谷間に響き渡った。
「これ以上、傍観はできぬ。我らが相手となろう」
号令とともに、天使軍が一斉に前進する。
爆風、光の柱、雷撃が交錯し、谷間は瞬く間に戦場と化した――
乱戦の幕開けだ。
◆
五人の勇者も陣形を整える。
前衛にレオンハルトとミリア、後方にエリシア、ダリオ、カイル。
エリシアは聖弓を構え、光の矢を連射する。
魔族の群れを削り、仲間の進路を切り開いた。
ダリオは戦槌を振るい、地面を叩きつけるたびに魔族を吹き飛ばす。
岩壁を震わせ、敵の防御を破壊し、前進を助ける。
カイルは闇の鎖と双短剣で敵を拘束し、隙を突く。
迅速な動きで、複数の敵を同時に翻弄していく。
レオンハルトは雷迅烈閃を駆使し、圧倒的なスピードで敵を削りつつ、五人の戦線を統率する。
ミリアは双短剣を振るい、雷光と体術を連携させ、獅帝剛爪で大魔族を追い詰めた。
「ここで……行くわ。全力で!」
爪先から放たれる雷光が、黒く歪んだ魔族の装甲を裂き、次々と敵を倒していく。
戦闘は一時間近く続き、谷は光と闇の渦に包まれた。
その間、サタンは遠方から戦況を冷静に観察し、手下の悪魔たちへ指示を飛ばしている。
だが、勇者たちの連携は崩れない。
大魔族も、ついにミリアの獅帝剛爪によって討たれた。
谷に一瞬の静寂が戻り、五人は膝をついて息を整える。
「……ふぅ、やっと一息つけるな」
レオンハルトは仲間たちを見渡した。
「ユーマたちに、追いつくぞ」
カイルは拳を軽く握り、戦闘後の緊張を引き締める。
だが――
五人の視線の先、闇の谷の奥には、
なおも強大な力が潜んでいる気配が、確かに漂っていた。
もし「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、下記の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援をいただけると、執筆の大きな励みになります!
皆様の応援が、物語を完結まで導く力になります。
よろしくお願いいたします!




