2-6 レオンハルトの勧誘
数日後。
授業が始まったばかりの放課後。
俺が図書室で書物を閉じたとき、レオンハルトが姿を現した。
静かに立つその姿に、俺は微笑む。
「レオン先輩、珍しいですね。こんなところに」
「俺は用があって来た。単刀直入に言う――生徒会に入らないか?」
「……私を、ですか?」
「そうだ。そしてルミナリア嬢もだ。あれだけの力量を持つ者たちが、ただ机に向かっているのは勿体ない」
ユーマは少し沈黙し、それから口を開く。
「私の家はヴァレンティア公爵家。先輩のグランベルク家とは派閥が違うと聞いていますが」
その声音には、軽い探りが混じっていた。
だが、レオンハルトは迷わず笑った。
「派閥? そんなもの、学園の中で気にしていたら学ぶ時間が減るだけだ。俺はただ、優れた人間と肩を並べたい。それだけだ」
その真っすぐな言葉に、俺の胸に小さな火が灯る。
「……面白い先輩ですね」
「だろ?」
軽く笑い合う二人。
この瞬間――俺の学院生活が、新たな軌跡を描き始めた。
そこへレンカがやってくる。
「図書館で笑い合うなんて、いったい何を話していたの?」
レオンハルトが口を開く。
「生徒会への勧誘だよ。むろん君も含めてね。君はどうかね?」
「そうですね。ユーマが入会するのであれば……もう生徒会に入会する気なのね」
と、レンカは問いかける。
「ああ、レオン先輩とは馬が合いそうなんでね。そのつもりだ」
「なら異存はありません。私も生徒会に入会させてください」
と、レンカはレオンハルトに向き直り、生徒会入りを了承した。
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