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4-38 vs 傲慢の魔王(???):傲慢の魔王 マスターテリオン戦(後半)

 焦りとともに、マスターテリオンの表情が明確に変化した。


 普段の冷静で、神聖ですらあった顔つきは崩れ去り、そこには焦燥と怒りがむき出しになっている。


 手はわずかに震え、羽ばたきのリズムも乱れ始めていた。


 「ち、違う……なぜ……我の奇跡が……!」


 怒声とともに、偽りの祝福が暴走する。


 放たれた光は刃となって空間を切り裂くが、俺とレンカの前では、もはやただの光の欠片に等しい。


 二人は完全耐性によって攻撃を無効化し、逆にマスターテリオンを追い詰めていく。


 「やめなさい、李 昊天!

 無理に力を使うな!」


 レンカの叫びには、怒りと悲しみが入り混じっていた。


 前世での因縁。


 そして、祝福をねじ曲げ、他者を支配しようとする術への憤り。


 「我の力に……屈しろ……!」


 マスターテリオンは、残された力を無理やり振り絞る。


 神聖な光の刃が豪雨のように降り注ぐが、俺とレンカの連携に寸分の隙はない。


 互いを守り、互いを支え、攻勢を緩めることなく前へと進む。


 焦燥によって、ついに“マスターテリオンの仮面”が剥がれ落ちた。


 露わになったのは、凡庸さへの劣等感。


 前世の嫉妬と傲慢。


 そして、認められたいという歪んだ願望に侵された――李 昊天その人だった。


 「まだ……まだだ……!」


 天使を模した装束を乱暴に翻し、血に染まった羽を広げる。


 背後の黄金の輪が狂ったように回転を始め、光と影が渦を巻き、谷全体を疑似的な“神罰”の光景で覆った。


 しかし、俺もレンカも屈しない。


 二人の光は渦を切り裂き、相互に共鳴しながら勢いを増していく。


 光と光が衝突するたび、谷が揺れ、砂塵が天へと舞い上がった。


 「もう……逃がさない……!

 私の光を見せる!」


 レンカの全身に聖光が駆け巡る。


 俺も応じ、全霊の力を込めた光を放った。


 二人の輝きは巨大な渦となり、マスターテリオンを押し込み、追い詰める。


 ――だが、決着にはまだ届かない。


 マスターテリオンの耐久は異常だった。


 辛うじて踏みとどまり、最後の一線を守り続けている。


 崩れ落ちる谷。


 砕け散る岩。


 砂塵が渦となって二人を包む中、マスターテリオンの叫びが響いた。


 「くっ……!

 この私が……!」


 天使の外見の面影はほぼ消え去り、彼の姿は狂気と嫉妬に歪んだ、醜悪な“魔王”へと変貌していた。


 俺とレンカは互いに視線を交わす。


 戦いの緊張。


 前世から続く因縁。


 そして、これから迎える最終局面。


 すべてを、ただ瞳の奥で確かめ合う。


 二人の光はさらに輝きを増し、この戦いの終わりが近いことを告げていた。


 沈黙が戻った谷間で、マスターテリオンはなおも立っている。


 ――決着は、まだだ。


 俺とレンカは荒い息を整え、次の一手へと意識を集中させる。


 緊張と期待が入り混じる戦場で、二人は次の局面へと踏み出そうとしていた。

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