表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/174

4-27 七勇者結集

 砂漠の迷宮を抜けた瞬間、カイルが一人で討ち破った嫉妬の魔王エルシードの居城は、静かに砂へと沈んでいった。


 影魔法と古代魔法を駆使し、全力で戦い抜いたカイルの胸には、戦いの余韻とともに――“影の勇者”として歩む覚悟が深く刻まれていく。


 魔王が残した劣等感の影が消え、空気は清らかな光に満ちていった。


 「……やっと、終わったのか」


 低く呟き、砂を踏みしめるカイル。


 背後では影の結界が静かにほどけ、迷宮の出口が陽光に照らされて開かれていく。


 その光を見た瞬間、仲間たちの顔が脳裏に浮かんだ。


 レンカの穏やかな微笑み。


 ユーマの冷静な目。


 レオンハルトの剣に宿る揺るぎない覚悟。


 ミリアの真っ直ぐな眼差し。


 ――七勇者がそれぞれの力で辿ってきた軌跡が、鮮やかに蘇る。


 ◆


 「カイル!」


 砂漠の迷宮の入り口で、勇者支援連合の声が一斉に上がる。


 カイルは自然と歩を早め、その輪の中へ入っていく。


 「戻ったのか!」


 俺は駆け寄り、全身で無事を確かめるように見つめた。


 「……カイル、あなた……まさか、一人で?」


 ミリアが息を弾ませ、驚きと安堵が入り混じった表情で問いかける。


 カイルは少しだけ照れたように肩をすくめた。


 「ああ。

 エルシードは俺の影を映す魔王だった。

 最初は押されっぱなしだったけど……逆に利用して、跳ね返した」


 ミリアはしばらく言葉を失い、胸に込み上げるものを抑えるのがやっとだった。


 「……カイル……本当に……影の勇者として覚醒したのね……」


 その瞳には、涙がかすかに光っていた。


 恐怖、不安、そして仲間を信じた気持ちが複雑に混ざり合っている。


 カイルは小さく頷き、言葉を続ける。


 「……でも、これで七勇者全員が揃ったんだな」


 その声は静かだが、確かな力があった。


 俺も深く頷く。


 連合軍士官たちの視線が、七人揃った勇者たちに集まっていくのを感じる。


 「七勇者が勢揃いしたとなれば……連合軍の士気は一気に上がるだろう」


 ミリアはそっとカイルの肩に手を置き、戦い抜いた彼の強さと、無事帰ってきた喜びを噛み締める。


 「本当に……よかった。

 あなたが影で支えてくれたからこそ、私たちは七勇者としてここに立てたのよ」


 カイルは照れくさそうに視線を返し、しかしまっすぐ言う。


 「いや、俺も……みんなと一緒だったからここまで来られた。

 比べたり、怯えたりするんじゃなくて……俺は俺として立てた。

 これからも、全員で戦おう」


 その時、連合軍の士官たちが一斉に歓声を上げた。


 「七勇者、完全結集だと……!」


 「これぞ真の勇者たち! 希望が戻ってきたぞ!」


 老練な士官でさえ拳を握りしめ、自然と笑顔がこぼれる。


 七勇者の揃い踏み――それは、連合軍全体にとって紛れもない“希望”の象徴だった。

 もし「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、下記の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援をいただけると、執筆の大きな励みになります!


 皆様の応援が、物語を完結まで導く力になります。

  よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ