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4-20 帰還そして

 砂上船に戻ると、船内は大騒ぎになった。


 俺たちが塔に入ってから、どうやら一ヶ月も戻ってこなかったらしい。


 蜃気楼の塔の内部と外界で、時間が歪んでいたのだ。


 連合軍は士気が少し低下しており、勇者の生存説と死亡説で激しい議論が起きていたという。


 強欲の魔王は、時間さえも自分のものにしていたのだろう。


 しかし、俺たちは帰還した。


 勇者支援連合に事情を説明し、ヴェリティア討伐の報告をすると、歓声と拍手が一斉に巻き起こった。


 さらに、俺の魔導剣Ⅱ《エル・レグリアⅡ》も完成していたらしい。


 ドワーフの匠・ガンロウが、誇らしげに手渡してきた。


 「お前らが、ちょっとやそっとじゃくたばらねぇと思ってな。

 ずっと試行錯誤して、ようやく出来た。使ってみろ」


 俺は剣に霊力を流し込む。


 あまりにスムーズで、美しい剣身に思わず尋ねた。


 「どうしたらこんなにスムーズに、しかも完璧な剣身が作れるんです?」


 「ああ、東方からヒヒイロカネを手に入れてな。試しに組み込んでみた。どうだ?」


 「ええ、バッチリです。

 これなら次の魔王戦も十分に戦える。ありがとう、ガンロウ殿」


 ガンロウは豪快に笑った。


 「礼はいい。

 だが、もう次の戦いを考えているのか?

 少し休め。

 ……そうだな、ヴェリティア戦勝祝いで飲もうじゃねぇか!」


 俺は冗談めかして答える。


 「じゃあ、エルフの秘蔵酒を一樽空けますか?

 エルフ酒(日本酒)とビール、ワインにブランデーもあります。

 肴は……まあ、工夫すればなんとか」


 レンカはにっこり笑って応じる。


 「それなら、腕によりをかけて酒の肴を作ります」


 「手伝うよ。一緒に作ろう」


 俺が言うと、レンカは軽く肩をすくめた。


 「ええ。良いわ。材料はほとんど保存食だけど……仕方ないわね」


 「煮込んでスープにするのも、炙るのもありだな。チーズは炙った方が美味そうだ」


 レンカは茶目っ気たっぷりに言った。


 「献立は任せるわ、ユーマ料理長」


 こうして始まった宴は、笑い声とちょっとした失敗談で大いに盛り上がった。


 翌日、二日酔い患者が船内に大量発生するのは言うまでもない。


 数日後、連合軍は再び士気を取り戻した。


 三魔王連続撃破は、敵味方を問わず衝撃的なニュースだったらしい。


 次の相手は、レオンハルトとミリアに因縁のある、怠惰(死霊)の魔王バルドル。


 奴はミリアの兄――魔王軍四天王・獣王グラオルの死の尊厳を奪った張本人だ。


 俺たちは覚悟を決め、西南へ向かう。


 途中、砂漠でサンドワームに遭遇したが、怖気づく仲間は一人もいない。


 ヴェリティアの存在を恐れて活動を控えていたらしいが、今は再び荒れ狂っている。


 だが、俺たちが後れを取るはずがない。


 死線を潜り抜けてきた仲間の絆は、どんな敵よりも頼もしい武器だ。

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