4-2 対魔王戦準備:朗報
「良い知らせだ」
セディアス王太子の第一声が、部屋の空気を引き締めた。
「各国で編成された連合軍が、各地で散発する魔王軍に攻勢をかけた。すでに複数の戦線で成果を上げている。
さらに竜人も参戦した。
今までは静観していたが、今回の攻勢を見て我らに加勢することを決めたようだ。
加えて、竜人族だけでなく、各亜人や妖精族も参戦を表明した」
ヴァレンティア家別宅に集まった面々は歓声を上げ、それぞれが決意を胸に刻む。
「七人で戦う。だが、力は誰か一人に集約されるものじゃない。
――各国と各種族が手を取り合ってこそ、魔王を討つことができる」
俺は皆に向けてそう語った。
「情報も、物資も、魔法も……全部を結集する時ね」
レンカが力強く頷く。
「ならば全力で守ろう。仲間も民も、精霊の世界も」
レオンハルトが剣を掲げた。
「我らが盾となり、槌となり、前に立つ。皆の力、存分に見せてやろう」
ダリオ。
「流れを制するのは私たちよ。敵も味方も、すべて私たちが導く」
ミリア。
「背後は俺が守る。奇襲も混乱も、全部排除する」
カイル。
「私の矢が、世界を正す。全精霊の力と共に――七人の勇者として」
エリシア。
一瞬の静寂。
そのあと、誰かがふっと笑う。
「……でも、先に一杯やってからでも良かったんじゃないか?」
ダリオの冗談に、思わず俺は苦笑する。
「それ、絶対に魔王戦前のセリフじゃない」
皆が笑い、緊張と笑顔のちょうど中間にある空気が広がった。
「行こう、魔王討伐に。
まずはここから距離も近く、戦力も手薄な“憤怒の魔王アナスタス”だ。
討てれば士気は必ず上がる」
俺の言葉に、レンカがすぐさま喝を入れる。
「“出来れば”じゃない。“討つ”のよ。魔王を」
レオンハルトが静かに続けた。
「情報によれば、憤怒の魔王アナスタスは“静寂の魔王”とも呼ばれている。
声を封じられる可能性も考慮せねばならん」
ダリオが言う。
「無詠唱魔法が使えるユーマやレンカがいる。
それにエリシアの弓技は声とは無関係だ。
レオンハルトと儂もな」
ミリアが微笑み、肩をすくめる。
「声を封じられると魔法は使えなくなるけど、忍術はそのまま使えるわ。
任せて」
カイルも続ける。
「古代魔法は封じられても、影魔法は無詠唱で行使できる。
背後を取ればどうとでもなる」
そしてエリシアが、精霊王の聖弓を軽く掲げた。
「私も弓技で応じる。
精霊の声が聞こえなくなるのは残念だけど……精霊王の聖弓を通してなら、念話が使えるかもしれない」
「よし。――出発だ。魔王アナスタスを討伐する」
俺の声に、皆が円陣を組み、決意を一つにした。
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