4-1 対魔王戦準備:イーバラット学園都市にて
先の凱旋パーティーで、俺とレンカの両親たちから
「道中、イーバラット学園都市に寄りなさい」
と言われていた俺たちは、約束通りイーバラットに立ち寄っていた。
そこでは、ヴァレンティア家、ルミナリア家、セディアス王太子夫妻、レオンハルトの妻リリアーナ様、そしてカールオ校長が、ヴァレンティア家の別宅で待っていた。
少し戸惑っていると、カールオ校長が七人分のアミュレットを差し出す。
「受け取りなさい。ダンジョン攻略後に渡す予定だったアミュレットの改良版じゃ」
それぞれがアミュレットを身につけた途端、体力が湧き上がるのを実感した。
「これには体力回復のほか、リジェネレーション、魔力回復、精霊力回復、そして前にユーマ君が四天王戦で使った霊力の回復効果もある。持って行きなさい」
「ありがとうございます。これで存分に戦えます」
俺が礼を言うと、校長は微笑みながら肩をすくめる。
「いや、わしにできるのはこのくらいじゃからの」
次に、俺の両親――ユリウスとセシリアが前に出て、七人分のサークレットを手渡してきた。
「これは魔力ブーストと精霊力ブーストに加え、カールオ校長の協力で霊力ブーストも付与してある。身に着けてみなさい」
俺たちがサークレットをつけ、微量の魔力でファイアの魔法を放ってみると――
炎は天井に届きそうな勢いで燃え上がった。
「父上、ありがとうございます!」
「うむ。これくらいしかできぬが……すまんな」
「いえ、十分です」
母上がそっと近づき、俺をぎゅっと抱きしめた。
「必ず全員で戻ってくるのですよ」
「はい、母上」
続いてレンカの両親が前に出る。
「ルミナリア家が開発した、物理・魔法、そしてカールオ校長の協力で霊力による攻撃防御結界のペンダントだ。任意で発動できる。七人分あるから持って行きなさい」
ペンダントを受け取り、意識して物理結界を発動すると――
全身が膜のような防御に包まれる感覚がした。
レンカは少し涙ぐみながら言う。
「ありがとう父様。大切に使わせていただきます」
母レティシアさんと抱擁を交わすと、次に王太子夫妻が前に進む。
「これは、十回までなら瀕死の重傷を負っても即座に回復する指輪だ。人数分用意した。……使わずに済むのが一番だがな」
「ありがとうございます。使わずに済むよう、慎重に行きます」
俺たちはレンカ、レオンハルトと共に臣下の礼を取り、他のメンバーも同じように礼をした。
最後に前へ出たのは、レオンハルトの妻リリアーナ様だった。
「わたしは……お弁当くらいしか渡せるものがなくて。許してね」
涙交じりに夫を見つめる。
「いや、君の料理は世界一だ。十分、力になるよ。ありがとう、リリアーナ」
レオンハルトの言葉に、重かった空気が一気に和んだ。
――その時。
セディアス王太子の手元で、一本の魔導通信が鳴る。
瞬間、場の空気が引き締まり、
緊張が走った。
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