梅雨の朝
いつもと変わり映えのない日々。
梅雨の時期が近づいているからか、最近すごく蒸し暑い。
日本は湿気が多いって言うしね。
こないだ、ALTの外国人先生も言ってた。
『ニホンハ、ムシムシする!』なんてね。分かるよ、その気持ち。
なーんて考えながら、まだ誰も来ていない教室の前で突っ立っていた。
鍵は開けたから、入れるんだけどね。換気をして、教室を涼しくしてる最中。とてもじゃないけどこんなミニサウナみたいな教室に入れたもんじゃない。
冷たいお茶を片手に突っ立っている私の目の前には、掲示板がある。
学校によくある緑色の。学校通信や、学年通信、様々な検定のパンフや各部活の報告などマトモなのから生徒が勝手に張っているイラストだってある。
誰が張ったんだか、おそらく自分の親の会社のであろうパンフレットを掲示している強者がいる。
その中で一際私の目を引いた張り紙があった。
おっと、会社のパンフレットじゃなくてよ。
'第二十回高校生化学コンテスト'と'科学教室開催のお知らせ'。
受験を控えているくせしてこういった催し物には行きたくなる。
当然、部活を休むようになるけどね。
こないだも、高校生将棋大会や華沙錦大学のなんとか教授と討論会 なんかに行ってきて、ボランティア同好会の部長さんに注意された。
その行事は丸一日必要だったから2回とも地域清掃休んじゃったからね。
『土日の活動もどちらかでいいからして。』
はいはい。そーいえば、ここんとこボランティア同好会の方には平日のミーティングと学校内の花壇の手入れや掃除以外行ってないからなぁ…。
肝心の地域清掃とかには、全然行けてない。
土日の午前は理科研究部に費やして、平日の部活動時間は卓球の方に行っている。試合前だしね。とは言っても、ボランティア同好会にも行かなきゃね。
そろそろ涼しくなったかなと、教室に入ろうとしたら
『華播〜!』
と、元気な声を張り上げている人がいる。
『おはよー!』
誰かと思えば加山さんかぁ。あの一件以来、加山さんとはよく話すようになった。
に、してはいつもより早いな。
『おはよう!今日、加山さん早いね。』
と、何気に聞いてみる。
『あぁー委員会の方があるから。ほら、私、学校祭の委員なったでしょ?日にち近いしね。臨時委員会!』
学校祭かぁ…