12/23
教室
生徒昇降口に着いた。
靴箱から自分の上靴を取り出す。
ふと見ると、誰かの靴箱の扉にガムテープが罰印を描くように貼られてある。
少しめくれているところにホコリが付いているところから、2日前ほどに貼られたんだと思う。
まぁ、私のじゃないし放っておくのが一番だ。
誰のかちょっと気になったが、私のではなくてホッとしている気持ちの方が大きい。
何段も階段を上っていき、自分のクラスがある4階に着いた。
教室の扉に手をかける。
思いのほか、鍵が空いているので、誰かがもう来ていると分かる。って、はや!
おそらく、朝練がある人が開けたのだろう。
扉を開けると、10人ぐらいの女子のかたまりがあった。
『おはよー!大丈夫?』と、加山さんが声を掛けてくれた。
『うん。ありがと!でも、みんな早いね~』
と、なにげに早い理由を聞いてみる。
加山さんが少し周りを見渡して、
そして、他の人とアイコンタクトをとって、誰もいないことを確認するとそっと口を開いた。
『それがね…』