悲しみと憎しみ
翌日、私は学校を休んだ。あまりにもショックが大きかったのだ。
それに、はみこにされると分かっていて学校に行く勇気など私にはなかった。
よくよく考えてみたら、メアド変更していて送れない事など今までにも何回かあった。
だから、今回の件も別に大したこと無いはずだがタイミングが悪すぎた。
布団の中で携帯を開く。未読34件の受信ボックス。送り主は全てPosutomaster。
私は、Posutomasterと李恵子からのメールを全件削除した。
李恵子フォルダも。
そして、アドレス帳から奈良李恵子を削除。
目を開けると、いつの間にか夕方の6:00だった。おそらく寝てしまっていたのだろう。
と、その時カランとポストに何かが入る音が聞こえた。
ジャージ姿のまま、ポストへと向かい中身を取り出す。
新聞にピザの広告。塾の宣伝に親宛の請求書。
そして、学校のプリント。
こないだまでは、この休んだ人に配られる学校プリントは李恵子が持ってきてくれていた。
手紙の部分に名前が書いてあるから、それで誰か分かる。
私は少しだけ期待して、封筒をそっと開ける。
が、そこに書いてあった名前は加山空音。
李恵子の名前はどこにも書いていなかった。
……確信。
……絶望。
なんで?私何か悪いことした?
壊れかけている心には、悲しさと憎しみで沢山だ。
ふと、新聞に目をやる。
後ろのページの下の方に小さく『中3女子自殺いじめ原因か』という記事があった。
学年は違えど、私と同じ女子中生が今日、死んだ。
いじめを苦に。
毎日のように繰り返されるこんな記事だが、今の私にとっては何よりも恐ろしく感じる記事であった。
泣きたくなったが、それを封じるかのように私の心には復讐心が芽生えた。
奈良 李恵子への。