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62 女性陣に連行された先に

 鏡を見た女性達にまず辺境伯夫人アグネス様に部屋へ連行された。


「ケビンちゃん、ここが化粧をする場所なの。いつもぼんやりとした写しガラスを使ってお化粧をしているのよ。ぜひここに先ほどのかがみ?を作ってほしいの。ケビンちゃん、どうかしら?」


「はい、おしゃれに丸型がいいですか?四角がいいですか?」


 即答する僕。


「まあ、想像がつかないわ。ケビンちゃん、試作品を作って欲しいわ」


 僕は良いように使われているのだろう、が、しかしやるしかない。断ることはできない。女性を敵に回してはいけないと、水精霊のルッツも言っていた。どの世界でも女性は敵にしてはいけないということだ。


 楕円形の鏡と四角い鏡を作成。鏡台のような作りを少し加工してみた。これなら鏡が安定する。あとは、姿見を玄関先においてもらえば、出発する前の身だしなみに再チェックができるよね。


「まぁ、ケビンちゃん。この大きな鏡、全身が映るではないの。すごいわ。本当にすごいわ」


「アグネス様、玄関先に置けば、出発前の身だしなみを再確認できると思うのです。その為に作りました」


 アグネス様、カーラ様、姉様3人は代わる代わる姿見を見ている。まずい、また父様に怒られ案件か?いや違う、母様だ!母様より先にこちらで作ってしまった。記憶の改竄をしよう。僕は作っていない。よし、言わなければバレないだろう。コンプライアンスの問題とは違うから大丈夫だろう。


 それから、3人の化粧部屋に鏡台と姿見鏡を作った。そして玄関、改修したお風呂場。そう、お風呂場を改修したのだ。


 きっかけは、領民のための簡易お風呂。大浴場とシャワーを設置。そこにシャンプー、リンス、トリートメント、ボディーソープを設置によるものだった。


 僕は学習しない男だとつくづく反省した。


 そう、密かにタオルを作ってしまったのだ。言うまでもなくみんなに怒られてしまった。


 ここには糸紬の魔道具があったので、普通の綿花を紡いでもらって、タオルを作ってしまった。気持ちがいい方がいいだろう?バスタオルとフェイスタオル。そして体を洗うタオル。密かに浴場に置いて、使い終わったら、回収ボックスに入れる方式。またクリーンをすれば使えるし、と思ってやってしまった。相談もなくやってしまったから怒られる怒られる。あははは。


 でも、タオルがふかふかなのは気持ちがいいし、そこの吸水性を考慮すれば、とっても良いタオルが出来るわけだ。それを簡易風呂場にご自由に使用してください、と、してしまったわけだ。


 シャンプーやタオル完備。そこの娯楽があったら、そこはもう健康ラ〇ド。しかしカラオケはない、食堂はない、だから到底健康ラ〇ドとは言えない。残念。銭湯だ。


 まあ、兎にも角にも、やってしまったものはしょうがない。タオルは持ち帰らない様、所有登録を簡易風呂にしたので持ち帰れない。使用したら回収ボックスに入れるしかないのだ。


 僕はここでもやり切った。領民に家を作り、辺境伯家を改修し、そして簡易お風呂施設を作って、領民の気分転換をさせたと思う。これで少しは、嫌な思いを払拭できればいいと思う。心の傷は深く残っていると思うが。


「フォーゲリア家の皆さんには何から何まで世話になってしまった。簡易お風呂施設は本当に気持ちが良い。領民達も喜んでいる。ありがとう。そして、種をありがとう。これは、後世まで繋げていかなければいけない種だ。これがあれば、領民が飢えることがない。本当にありがとうございます。ルーク殿」


「いや、あの、私はほとんど契約の話しかしていないので、領民達に笑顔が戻ってよかったと思っていますよ。これからが本当の復興だ。領民達と頑張ってほしい。協力はいつでもするので」


「ありがとうございます。ルーク殿」


「ところでロナウド君、あれらはすべて売り物なのか?シャンプー類、タオル、シャワー、ドライヤー、そしてリバーシなど。どうかうちにも卸していただけないだろうか?特にシャンプー類は女性陣が所望している」


 ロナウド兄様は父様に丸投げしたようだ。


「トーマス殿。そうですね、今回ロナウドが商会を立ち上げるので、そこから売り出すことになります。我々は親戚関係ですので、まあ、親戚価格で卸すことはできます。ただし、それを転売するなら、親戚価格で卸すことが出来ないことを約束してください」


「もちろんです。転売は致しません。しかし、フォーゲリア家は今後大忙しになるでしょうね。うちも、五本指靴下がどう転ぶかは想像がつきませんが、復興の足掛かりになってくれることを期待しているのです。本当にありがとうございます。今後ともいい付き合いをしていきたいです。ルーク殿はいい息子さんたちをお持ちだ。イーサン君は魔道具、本当に素晴らしいものばかりだ。ロナウド君が商会、そしてケビン君にはいろいろな知識があるようだ。今後が楽しみだ」


 父様が苦笑いをしている。ぼそりと苦労が多いんだけどな、と言っている。父様、頑張れ。


 今度疲れが取れるポーションや快適綿の寝具を早めに作らなければ。今までの功績から糸紬の魔道具を譲り受けしてもらえるのでよかったよ。


 自動糸紬と色を付けてくれる魔道具をイーサン兄様が改良してくれれば量産できる。頑張れ、イーサン兄様。そして、これらを商品を特許申請して売り出すのがロナウド兄様。頑張れ、ロナウド兄様。


 ほらこれで、僕が働かなくてもいい道筋ができる。うっしっしっし。


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