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60 家を作ろう

 さあ、家を作ろうと言った言葉で、お祖父様に背中をバンバン叩かれた。


「そうじゃら、そうじゃろ、ケビンならできるぞ」


「父上、頼みますからケビンを煽らないでください。ケビン、何事も自重が大事だからな、わかっているな」


 父様がお祖父様を嗜めている。僕は父様を安心させるために言った。


「父様、大丈夫ですよ、心配しなくても、常識の範囲で行いますから」


「「常識、常識というお前の常識が1番怖いよ」 」

 みんな酷いよ。


 辺境伯領のみんなのためだ。僕が人肌脱ぎますよ。頑張りまっせ!


 それから木工スキルがある人たちを集めて、今までがどんな家の構造かを聞いた。土台と外壁のレンガはは土魔法士に頑張ってもらおう。レンガ、サイディング、モルタル、タイル。さて外装はどれがいいだろうか。大体、平屋仕様でいいよね。絵を描いてLDK、部屋幾つ欲しいか、バストイレ付きでいいのか。


 とりあえず家と間取りを描いた。ドイツ風、イギリス風、現代日本風、スイス風など描いたがどうだろう?


「ケビン君、これは領主館より見栄えがいい家になっているが、どうなんだ?こんな家が建てられるのか?」


「トーマス様、やってみないとわかりませんが、多分できるかなぁ、どうだろう」


 まずい、調子に乗りすぎた。でも、普通ってなんだ?昔の日本の農村地の家はあばら屋みたいな家だし、生活していくには、最低条件、平屋家屋で良いと思う。


「トーマス様、ここはたくさん雪が降るのですか?」


「雪は降る。雪の多さは年毎に違うが、豪雪の時は家が潰れてしまうこともあった」


 やはり雪対策もしないとダメか。雪が積もらずに落ちる屋根。冷暖が取れる構造か。それに家の中で火を焚べる時の換気などを踏まえ、とりあえずここに3棟、違ったデザインを立ててみよう。


 ロナウド兄様に土台、レンガ、タイルを作ってもらい、木工スキルの人たちと、サクサク作っていった。梁を施行し、地震はないかもしれないが耐久性を強化。うちの領地なら快適綿で断熱材として使おうと思うが、父様に相談してみるか。


「父様、あのぉ、」


「なんだ、これ以上問題があるのか?」


「違います。家の断熱材として快適綿を使えば、いい家になると思いますが、そこまでしなくていいですか?」


 父様、兄様達と僕でコソコソ話。そこまでする必要はない、この家だけでも十分すごいことだということで、自領に戻ったら家を改築しようとなった。自領でもこき使われるのか?僕は。


 あとは外壁をレンガやタイル、木組みなどして、はい出来上がり。


 辺境伯の方々を見ると驚愕している。


「トーマス様、どうでしょうか?これらを選んでもらって作るのでよろしいでしょうか?」


「えっ?あ、な、中をみていいかな。外見はとても素晴らしい」


 みんなでゾロゾロと閲覧会。平屋の3LDKプラス倉庫。広すぎたか?家具備え付け仕様にしてみた。床下収納もあるぞ!収納は大事。


 みんなの言葉がない。あれ?どうしよう。


「はぁ、ケビン君、凄いな。これを領民に。どうなんだ?これは普通なのか?ルーク殿、どうなんだ?フォーゲリア領はこれが普通なのか?」


「そんなわけないでしょう。トーマス殿。これはやりすぎだ、ケビン」


「えっ、そうなのですか?どのようなものがいいですか?」


 大工スキルを持つ人が絵を描いてくれた。始めから言って欲しかったよ。家も作れるのだと認識されてしまった。トホホ。


「まぁ、これよりはケビン君が作ったほうが快適そうだ。もう少し小さく作れないかな?」


 トーマス様が申し訳なさそうに言ってきたが、大工スキルの人が基礎などを作ったほうがいいのでは?と言ったが、僕に作って欲しいって。大工スキルを持つランドさんは、僕が作るのを手伝います、勉強させて欲しいだって。ランドさんが一棟建てた物を真似すると言ったが、僕の試作建屋の方がいいと言われてしまった。


「では、各家人に何部屋今まであったか聞いてください。それと同じ数を作ります。この家は俺が持ち帰っていいですか?何かに使えるので」


「いや、できれば、別棟として置いて欲しい。客人などをここに泊まらせてもいいではないか。もしくは執事、メイドで結婚した者達の家族寮でもいいなぁと思ったのだ。できればもう少し要望を聞いて追加で作って欲しいのだが、ダメかな?」


 僕は父様を見た。タダで?お金は?


「トーマス殿?」


「はっ!すまない。お金は支払う。ただ、もう少し支払いの方は順調になったら支払うとして欲しい。今までもフォーゲリア伯爵のご好意で多数の恩恵を受けているのに勝手なことを言ってすまない。カイル君が頻繁にこちらには来ないだろうから、今、いる時に出来る限りのことを頼みたい。ダメだろうか?」


 不安そうにいる姉様を見ると力になってあげたい。父様は俺を見て、目で承諾した。


「わかりました。ただし、これもケビンの力を口外しないと約束してください。お願いします」


 父様、ありがとう。結局、僕はみんなに守られているんだ。みんなのために頑張るぞ。おー!


 1人気合いを入れた声を発したら注目を浴びてしまった。




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