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6 目指せ脛齧り生活の第一歩  父様と母様?がいる。執事のトリニティーもいる。

 父様と母様?がいる。執事のトリニティーもいる。


「母様も話が聞きたいそうだ。あとはなんでも執事のトリニティーに言えば手配してくれる」


「は、はい、トリニティーよろしく」


「ケビン坊っちゃま、なんでも仰っていただければ、用意いたしますが、私では判断つかないものは旦那様に報告させていただいてからになります」


 執事のトリニティー、敏腕っぽい。

「うん、わかったよ」


「ケビン、そこは、はいと答えるのですよ。日頃からはいと言う習慣をつけなければ、咄嗟の時に、うん、と言って恥ずかしい思いをしますよ。わかりましたか」


「は、はい!わかりました.!母様」

 危ない危ない、そこは厳しいのか。うん、の方が子供らしいではないか。僕とはい、だな、よし。


「で、ケビン、何がしたいのだ?」


「はい、父様。まず、いるかもしれない土精霊様に祭壇を作りたいです。そこに自分で作った刺繍のハンカチかテーブルクロスに自分の作ったお菓子を置いて食べてくれればなあと思っています。お菓子で精霊様を釣ります」


「ブフッ、コホン、お菓子で誘い出すのか」


「そうです、お菓子で釣って、この土地に住んでほしいなと思ってます。住まないまでも遊びに来てほしいなぁと思っています。僕の魔力量が多いなら、僕の魔力が入ったお菓子を作って精霊様を釣りたいです。神頼みならぬ精霊頼みをしたいです」


「あははは、なるほど可愛い発想だね。ケビン。そうだな、精霊は我々には見えない。エルフやドワーフには見えると言っているのだから、精霊様はいるとされている。どういう祭壇が良いのだ?」


「僕の部屋の窓際に小さいテーブルを置こうと思います。精霊と言ったら小さいイメージだし、小さいテーブルでいいです」


「トリニティー、小さいテーブルはあるかな」


「坊ちゃまの部屋の窓に置くなら、安定のあるテーブルを作った方がいいですね。かしこまりました、窓に置けるような小さなテーブルをこれから作ります。寸法を測ってきてよろしいでしょうか」

 トリニティー、行動が早い。シュタッもしくはフッ、っていう音が聞こえてきそうだよ。


「トリニティー、行動が早いですね。今度は母様にお願いがあります。テーブルクロスを作るかハンカチに刺繍がしたいです。鍵編みか刺繍で飾り付けをしたいので、糸など道具が欲しいです」


「ケビン、かぎあみ?というのは何かしら?」


「棒の先がこんな感じで糸を掛けるようになっている棒ですが、ない?」


「かぎあみ?というのがないわね。刺繍はあるわよ。そうね、そのかぎあみ?用の棒を作ってもらいましょうか。どういうのがいいのか絵に描ける?」


「はい!母様」


 僕はスキルがあるから作れるかもしれないが、まだ披露する時ではないと思う。今は状況を把握しながら勉強していかなければいけない時。


 その後、かぎ編みの棒と棒編みの棒をつくってもらった。サイズは細い棒から太い棒を作ってもらった。うれしい、レース編みをしてみよう。様々な色の糸がある。まずはオーソドックスの白だな。精霊様へは純白のレース編みにしよう。


 小さい手だ。一編み一編み、願いを込めて編んでいった。この小さな手で初めて作るレース編み。時間を忘れただひたすら編んでいった。昔からそうだ、やり始めると止まらなくなる。そして、父や兄に怒られていた。


 そして、ここにもドアを激しく開け、鬼の形相で怒っている母がいる。


「一体ご飯も食べずに、何しているの!自己管理もできないのに、何が精霊様にお供えよ。いい加減にしなさい!」


「ごめんなさい。夢中になっていました」


「ケビン、ご飯はきちんと食べなさい。えっ、これケビンが作ったの?えっ、すごいわ、すごいわ。編み方でいろんなデザインが出来るの?カーナ、カーナはいる?」

 侍女長のカーナを呼んでいる。どうしたのだろう?カーナは母様が王城にいた時からの侍女だ。嫁いでからもついてきた強い侍女だ。トリニティーと結婚している。


「奥様、いかがいたしましたか?」


 さっきまで編んでいたテーブルクロスを取られた。


「これを見てちょうだい。ケビンが作ったのよ。これがテーブルクロスになるのよ」


 それは精霊様の小さなテーブル用のクロスだよ。どのぐらいのテーブルになるかわからないので正方形のレース編みをつなげてその形の大きさに合わせようと思った。とりあえず正方形を10枚ほど作り、そのうち4枚合わせて作った。モチーフ繋ぎだ。


 母様、返してください。それは精霊様用です。


「ごめんなさいね、ケビン。びっくりしてしまって。すごいわね。あの棒でこんな風にできるなんて」


「これは基礎的な編み方なのでいろいろとデザインによって違った形になります」


「そうなの、すごいわ。これらの編み方を教えることはできるかしら」


「もちろんできます。糸の素材や毛糸などでベッドカバーなどもできるので、部屋の雰囲気などもこれで変わるかと思います。そのほかにも刺繍やパッチワークなども作ることが可能です」


 自分の得意分野なので口からすらすらとこの世界にない言葉が出てしまった。かぎ編みだってそうだ。この世界になかった。そうだ!スキルだ、スキルのせいにできる。スキル デザイン、クラフトでイメージが沸いたと言おう。そうだよ、まだ他のスキルを試していなかった。鑑定は分かった。空間は収納やイベントリなのだろうとあたりはつく。デザインはこういう創作のことなのか。ドレスのデザインと言っても前世のドレスをイメージすればいいことだから、自分の創作ではないが使える。付与はモノに付与する?なんだか雰囲気はそんな感じ。実際はよくわからないけど。スキルで押し通すぞ。


 どこから説明しようかな。

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