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57 簡易お風呂を作るぞ、やっほぉーい

 早速、辺境伯領民が集まっているところにやってきた。


「ロイド、イーサン君、ロナウド君、ケビン君、こちらにこちらへ来てほしい」

 僕たちは手招きされ言われるがまま、辺境伯側に立ち、領民の前に出た。


「皆の者、スタンピードをよく対応してくれた。感謝する。死人もなくこうして生きていられるのは、ここにいるクラウディアの実家のフォーゲリア伯爵の皆さんのおかげだ。本当にありがとう。クラウディアの弟のロナウド君は一緒に戦ったから顔を知っているだろう。そしてクラウディアの双子の兄イーサン君。イーサン君は魔獣処理や食事などを用意してくれた。そして弟のケビン君。ケビン君はみんなのマスコット的存在。クラウディアを助けるために来たという勇敢な子だ。そしてロイド。前フォーゲリア伯爵当主だ。私の親友でもある。ロイドまた魔獣処理、城壁を建築し強化してくれた。クラウディアの実家のフォーゲリア家には本当に助けられている。ありがとう」


 トーマス様他領民まで頭を下げて感謝された。僕がポーションを作っていることは領民には内緒だ。僕はマスコット的存在でニコニコしていた。今の俺は王子様風装い、ちょっと場違いな気はするが、みんながポーションで元気になった。傷一つない、古傷まで治ったようだ、腰の痛みがなくなって元気に歩けるように、なんなら走れるようになったそうだ、うん、良かった良かった。だからみんなの顔が明るい。これから総出で本格的な復興作業取り掛かる。


 そういう状態なので、僕はマスコット的存在でいられる。炊き出しのご飯を渡す担当に徹しよう。


 それから、トーマス様達を交えて、お風呂の話をした。


「領民達にお風呂を!そうだな、ポーションで元気になったからと言って、心の方はまだ癒えていない。お風呂で心と体を癒すのは良い。我々も入りたい」


「まぁ、私達も入りたいですわ。そのハーブのお風呂が興味ありますわ」


 カーラ様とアグネス様は乗り気だ。早く始めましょうと今すぐ作ってほしいようだ。いやいや、屋敷にお風呂があるよね?領地が壊滅している状態で自分たちだけが毎日お風呂に入る贅沢を戒めていたらしい。


「では屋敷内のお風呂をハーブ風呂にしますか?」


「そうねぇ、良いのかしら?」


「カーラ様、アグネス様、そして姉様は今まで大変な思いをしてました。心身ともに癒されるべきです。今日は癒されましょう」


「ふふふっ、ケビンちゃん、ありがとう。どんな薬草があるのかしら?」


 ラベンダーとバラの花びらがいいかな。バラは母様に作ってもらったのだ。それも虫や病気に強いバラだよ!つるバラや四季バラ、イングリッシュローズなどを作って育てている。まぁ、早く成長し、花が咲いたので綺麗なんだ。そのバラの株も一応は持ってきているが、花びらのお風呂もいいだろう。優雅だなぁ。


 あとはローズマリー、タイム、ゼラニウムなどもいいだろう。思いに耽っているとイーサン兄様がみんなに説明していた。


「領民達のお風呂はどこにしましょうか?大きめのお風呂をいくつか作ろうと思います。水魔法、火魔法、土魔法が使える魔導士を総動員してお風呂を作れると思うのです。領民達が癒されればいいですね」


「うむ、なるほど、魔導士達をそんな使い方があるのか!確かに土魔法士に城壁を作ってもらった。あれは画期的だ。魔獣と戦う時の土魔法を伝授してもらった。発想が豊かだな」


 そしてトーマス様は僕を見た。そっと目線を晒した。僕は何も言っていないよ。


「ふふふっ、ケビン、ダメよ。そんな顔をしていると自分がやったように見えるわよ。まだ、ケビンは子供ね。大人顔負けの行動をしているのに、やっぱりあなたは可愛い男の子だわ。でも、早くお風呂を作りましょう」


 はいっ、姉様も圧が強いです。女性って!


 そうこうして、大浴場を作りました。土魔法士さんが。イーサン兄様、ロナウド兄様監修の元、簡易風呂が出来上がった。僕はマナポーションを作っては渡していた。きっと魔導士達はお腹がタプタプだろう。


 クラフトで屋根部分と脱衣施設を作った。大きな施設になってしまった。


 大人も子供も喜んでいた。笑顔が戻って良かった。みんなさっぱりした顔だ。


 もちろん騎士団達のお風呂施設も作った。騎士団が1番の立役者だ。心身共に癒されて欲しい。お酒と料理も出しておいた。ゆっくり味わって欲しい。


 そこにトーマス様がやってきた。


「みんなありがとう。領民達が笑顔になっている。本当にありがとう。寝る場所も作ってもらい、炊き出しもしてくれた。本当に、どうお礼をしたらいいのか。そして、これからのことに協力して欲しい。今後こういったことが起こりうるも思う。その時のために対策を考えたいが、君たちの協力が必要だ。頼む、対策と準備を一緒にして欲しい」


 トーマス様はちらっと僕を見たな。


「今、父様がこちらに向かってきております。その時に相談していただければありがたいです。我々では判断できないことがありますので」


「すまん、すまん、ルーク殿がきた時に相談してみるよ。すまなかったな」


 やはり僕を縋るような目で見てきた。うーん、困った。ロックオンされている。


 それから屋敷内のお風呂に浸かった。気持ちがいい。姉様達にはハーブ風呂とバラの花びらを浮かべたお風呂。そしてシャンプーとトリートメント、石鹸を渡した。抱きつかんばかりに凄く喜ばれた。


 気持ちが少しでも晴れてくれたかな。




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