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54 図案を考える

 俺は女性陣に囲まれている。決してハーレム要素はない。全くその雰囲気がない。女子の中で一緒にわいわいがやがやしている感じだ。


 この感じは昔からそうだよな。家庭科部でもわちゃわちゃ感。それの延長。この世界でもそんな位置に属するのか、俺!


 今しているのは、刺繍。ハンカチに刺繍をしている。まずは辺境伯の紋章。怪我をしないこと、大きな病気をしないことなどの祈りを込めてひたすら刺繍をした。これは騎士団の皆さんに渡してもらおうと思った。最前線で戦う辺境伯の騎士団だ。自分のものと分かるようにイニシャルも入れておこう。


「ケビン、騎士団のためにありがとう」


「いえ、騎士団の皆さんは最前線で戦っているので、少しでも力になれればいいなと思って、怪我をしない、病気をしないように祈りを込めて刺繍しました。うちの領地の騎士団にはミサンガを支給してますが、一応今回はハンカチに刺繍してみました」


「ケビン、ミサンガとは何?」


 俺がつけているものを姉様達に見せて、色とりどりの色を組み合わせて編み模様をつけ、俺が付与したことを伝えた。うちの領地の騎士団は邪魔にならないよう、みんな足に付けていることを説明した。


「ねえ、ケビン。あなたは他に何を作ったか見せてもらえる?」


「え?あのー、ロナウド兄様に持たせたものが全てかなあ?あれぇ、どうだったかな」


「だって、ロナウドが持っていた寝袋?あいますく?というものを見せていただいて、騎士団長が試していたけどとても快適だったと言っていたわ。それにあの動物のお人形みたいなもの。そしてロナウドのマントあれは何?」


 ロナウド兄様、マントの刺繍を見せたのか。俺の力作を。


 前世、応援団だった友人に業者に頼むと高いからと、学ランの、刺繍を承ったことがあり、それから応援団の学ランに刺繍を頼まれることが多くなった。ド派手に、そして貫禄がある学ランを一緒に考える事は楽しかった。家庭科部一丸で取り掛かった。卒業式にその学ランで出席した某応援団長と部員達。応援団恒例行事。卒業してからも高校の応援団に頼まれるため、就職してからそういう部門を設けてもらった。勿論学割料金で承っていた。それを今世、兄様のマントに刺繍した。ロナウド参上と刺繍しましょうかと言ったら怒られた。参上は漢字で刺繍するけどね。誰も読めないと思う。


「えーと、まぁ、まずテーブルクロスや刺繍を作ってしまいましょう。ねっ、姉様」


 テーブルクロスはかぎ編みを伝授した。かぎ編み用の棒はいっぱいあるため、皆さんに手渡し、そして編み方、デザインなどを教えた。


「このかぎ編みは棒の太さを変えて、糸を毛糸に変えればブランケット、ショール、ストールになりますよ」


「ケビン、ぶらんけっととしょーる、すとーるって何」


 え?そこから?ショールがない?そういえばショールとストールの違いは何だっけ?とりあえず羽織るものと言っておけばいいか。


「えーと、辺境伯領は北に位置するので気候的に寒いと思います。そこで、この毛糸を編んで肩に羽織ったり、首に巻いたりすることが出来ます。編む糸の違いで温かさを調節するものやおしゃれな装いが出来ると思うのです」


「それはいいわね。一枚羽織って温かくしたり、薄手に作ればドレスのアレンジになるわね。ケビンちゃん、編み方を教えてほしいの。糸と毛糸はたくさんあるわ」


 あれ?この毛糸はどうやって紡いだのだ?これは快適綿を糸や毛糸にできるのでは。


「カーラ様、アグネス様、この毛糸を紡ぐ方法はどうやっていますか?」


「これは魔道具を開発してヒツジーゼという魔物の毛を紡いでいるのよ。見せましょうか?」


「姉様、ぜひ見せてください。糸を紡ぎたいものがあったので、できればお願いします」


 やった、あったんだ、糸を紡ぐ魔道具。わざわざ開発する必要はない。それにヒツジーゼ?という毛糸と一緒に快適綿を混ぜ込めば快適毛糸ができる?


 とりあえずテーブルクロスを完成させた。次にベッドカバー。パッチワークで色とりどりのパターンを見本で作りそれを合わせると他とは違う自分だけのデザインができる。部屋の印象を変えるにはいいと思うんだ。俺が作るベッドカバーは疲れ軽減、熟睡作用を付与する。


「ケビンちゃんが作る模様はオシャレよね」

 先代辺境伯夫人カーラ様が手に取り感嘆していた。


「カーラ様、パターンを組み合わせればさまざまな模様ができます。この六角形の模様を組み合わせるとこんな感じにするとお花のようになりますし、星型を中央に寄せればまた違ったデザインになります」


 また不思議そうな目で見られたよ?なぜだ?


「ケビン、あなたさっきから変わった言葉を言うわね。ろくかくけい?ほしがた?ってなぁに?すとーる、ぶらんけっとやロナウドがもっていたあいますく?とねぶくろ?それらもわからない単語が出ているわよ」


「すみません、姉様。姉様達に色々と教えたくて、よくわからない単語を連発してしまいすみません」


「もう、いいのよ。このベッドカバーだって魔力が感じられるから、何か付与したのでしょう?ゼーファン様に渡したベッドカバーだって、何か付与したのよね?」


 みんながびっくりしていた。

「ケビンちゃん、そうなの?どんな効果を付与したの?」


「ゼーファン様のは討伐があるということだったのでその時は怪我の軽減、疲労回復などです。今、これは疲労回復と熟睡効果をつけました」


「まぁ、旦那様達にいいわね。討伐では怪我がつきもの。今回のは酷かったけど」


 言ってはなんだが、自分で首を絞めている状態だよね。どんどん新しいものを紹介している。まずい、父様達に報連相。近くにいないからいいのか?


 怒られ案件か?ついついやってしまった。


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