46 お風呂を作ろう2
イーサン兄様に呆れられながらもせっせと作って欲しいノートに書いていく。
今はお風呂に全力を注ごう、と言っても僕やることと言ったらどんなお風呂がいいか父様とお祖父様に言って、土魔法で作ってもらうだけだ。本邸の隣に屋根付きお風呂施設のように作ればいいかな。ザ・健康ランド、いや今はお風呂カフェ、スーパー銭湯。アロハシャツやムームーじゃないんだよ。お風呂用作務や部屋着など作ってくつろげるようにしよう。俺はそっちを頑張ろう。
兄様はドルトンとシャワーやポンプの開発を進めていた。僕は父様達にどういったお風呂を作るか伝えた。
まぁ、四角い大きな枡のようなものを作ってくれれば、僕がクラフトで成形して仕上げるけど。あと岩風呂は岩を出してもらい、洗い場を整えて貰えばなんとなく形になる。
コンパスの簡易版2本の棒に紐をつけて、円を描く。そこを土魔法で掘ってもらい、その周りを大きい岩を無造作に置いてもらう。おー、岩風呂っぽい。
今度は四角いオーソドックスのお風呂を3つ。熱いお湯、薬草かハーブ風呂、水風呂、洗い場。サウナ室も作り、脱衣所、パウダールームを作った。まずい、大きくなりすぎたか。
みんな唖然としていた。
「ケビン、お前、これを家族ではいるのか?広すぎないか?」
「ですね、どうしましょう。騎士団の方は移動させますか?」
「移動させる?って、どうやるのだ?」
「土魔法で地面を浮かせて、そのまま移動させればいいのではないのですか?」
「は?」
「何事もイメージです。イメージ。このお風呂ハウスの地面をちょうどこの下あたり、ここを浮かせる感じです」
曳家のイメージだ。それを土魔法と風魔法で移動させらばいいのではと思ったのだ。ロナウド兄様がいたらもっと楽だったかもしれないなぁ。
父様とお祖父様や土魔法士達が頑張ってくれている。傍で騎士達が喜んでいる。そして僕のそばに母様とお祖母様が、次、女性用お風呂を作ることを所望している。はい、仰せの通りに。父様達も一緒に頷くしかないのだ。
女性用も脱衣所、パウダールーム、大風呂、薬草、ハーブ風呂用とサウナよりミストサウナ?いや岩盤浴にしよう。いいんじゃないか!女性用は岩盤浴。コンセプトは決まった。
父様達に絵を見せて、母様、お祖母様達女性用、そのあと男性用、従業員用お風呂を作ってもらった。
そして、灯りだ。これも兄様に魔導ランプを作ってもらった。ただ、趣を出すためにランプの周りを組子細工にしてみた。和風チックでいい。畳でゴロンとしたい気持ちがあるが、僕はクラフトでデッキチェアや籐製のチェア、ソファでくつろげるようにした。女性用はパウダールームを作った。錬金で鏡を作り、兄様に作ってもらったドライヤーを置く。ここの灯りは明るくした。顔を見やすくするために明るい方がいいだろう。スーパー銭湯誕生。
排水はもちろんスライムがいる地下に流れるようにする。
あとはシャワーや蛇口ができるまでは桶でやるしかないか。
「ケビン、この自分たちが写っているものはなんだ?自分たちが写っているのだが、いつもなんとなく自分の容姿はわかっていたが、くっきり、ハッキリと見えているんだが、これは?」
「そうだよ、ケビン、なんだよこれ。俺の顔ってこういう風に見えるのか?」
父様や兄様の姿がハッキリと見えるね。イッケメーン。筋肉も見れますよ。全裸でポーズは取らないでくださいね。
「これは鏡?かなぁ。なんだろうなぁ」
とぼけたけど、だめか。
「はぁ、ケビン。これはすごいことだよ。こんなにハッキリと自分の姿が見えるなんて、母様達に見せたらどうなるだろう」
イーサン兄様怖いこと言わないで。母様達はきっと喜んでくれる、はず。
「これをロナウドが見たら、これも商機を見出すのではないか?はぁ、色々とやることが多いな、ケビン、頼んだぞ」
僕に振らないでくれ。僕は十分仕事をやっています。もう父様がやってください。
「そうだな、しかし、これはケビンしか作れないものだろう?販路としては難しいのではないか?」
そうだよね、僕のスキルで作っているから、他の人が作るとなると材料集めから始めて錬金できるか?できるだろう?
あとはイーサン兄様とドルトンさんのシャワーと蛇口などを設置すれば完璧なんだよ。兄様はある程度構想を練っていて、僕との話で確信に変わったみたいだ。
できる男は違うよ。
さて、騎士団の方のお風呂を仕上げるか。女性騎士も目をギラギラさせて僕に圧をかけている。圧が強いんだよ。母様達を含めて、女性怖いぞ。
さぁ、女性騎士用を頑張ろう。
もう、考えるのが面倒だったので、女性も男性も同じ構造にした。それが1番。
父様達は慣れたもので、お風呂や洗い場などをサクサク作っていた。慣れってすごい。
そういう僕も建屋やパウダールームを作る。ただ、椅子や照明は普通のでいいと言われた。組子細工や籐の椅子などはやりすぎで困る。普通にして欲しいとお願いされた。趣があっていいと思ったんだけどなぁ。父様には何事もやりすぎるなと怒られた。いつもやりすぎているんだよ、だって。あははは。すみません。




