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41 とりあえず日常業務

 父様に連行され、執務室にやってきた。今日の連行者は父様だ。


「ケビン用の机と椅子を用意しておいた。これで仕事ができるぞ」


「えっ?父様、今忙しいから、今だけじゃないのですか?ずっとは嫌です」


「何を言っている。これから嫌な予感がする。もっと忙しくなりそうな気がするんだよ。父様のこの勘は当たるのだ。だからがんばれ、ケビン。お前が色々やらかすから仕事が増えていっているではないか!まさか自覚がないのか?」


「えーと、僕自身は何の問題もなかったですねぇ」


 父様はいつものこめかみをもみながら真剣な目で俺を見つめ諭すように言ってきた。


「これからお前にも割り振ることにする」


「いらないです。僕、子供なのでわからないですぅ。嘘です、頑張ります。頑張らせていただきます」


 父様の絶対零度的圧がひしひしと感じた。平身低頭の思いで90度にお辞儀した。


「まずはこの会計報告を頼む」


 ひどい字だな。数字も列をなしていない。よくこれで計算できたな。一応は計算機みたいな魔道具があるみたいだが、不便だよなぁ。ソロバン、まだ作ってもらっていなかった。まさかこんなことになるとは。早めにアーロンに作ってもらおうか、いや、しょうがない自分で作るか。


 とりあえず暗算で計算していこう。あとは書式を統一して見やすくしよう。


「トリニティ、今度からこの書式で提出するように言ってくれないかな。この紙だとわかりにくい。そして、その他が多すぎるので、その他の項目をきちんと書くように言って欲しい。ダメなら僕が忠告するよ」


「ケビン様、これは画期的ですね。内容がよくわかり、数字がきちんと書けるようにしてありますね。見やすいです」


「これなら解読するのに時間がかかるかかるのを短縮できるでしょう?。それと、こっちが計算が終わったもので、間違っているものがこれだけある。その書式で書き直してもらって」


「かしこまりました。しかし、もう計算が終わってしまったのですか?」


「うん、暗算で計算できるから。そうだ、トリニティー、木材を持ってきてもらえないかな。ちょっとスキルで作りたいものがあるんだ」


「は、はい。木材ですか?かしこまりました。探しできます。こちらが計算が終わったものですか?」


「あっ、心配だったら見直し計算していいよ。確かめ算したから当たっていると思うよ」


「たしかめざん?まずは、こちらの訂正をお願いしてきます。あと、木材を持って参ります」


 トリニティが素早く行ってしまった。本当に早い。影の軍団か?


「ケビン、もう計算が終わったのか?検算機を使っていないではないか。そんなことができるのか」


「スキルなのかなぁ?計算が得意みたいですね」


「これはありがたいスキルだ。計算などはケビンに任せよう」


 墓穴を掘った。やってしまった。計算をするなんてずっと手伝わなければならないじゃないかぁ。


「忙しいので無理かなぁ」


「何言っているのだ、いつもフラフラして問題を起こしているではないか!ちょうどいい、まぁ、ケビンはまだ8歳だから、午前中仕事をしたら午後休み、午前中休みなら、午後から仕事にしようか。それがいいな。予定があったその都度言うように」


 たぶん僕の後ろにはガーンという文字が大きく出ているだろう。


「えー、横暴だよ。子供はのびのびと遊んだほうがいいと思う。成長が止まってしまうじゃないか。子供教育に良くないと思います」


「大人の回答だな、ケビン。大丈夫だ、頭の方は成長している。頭の方が成長したほうがいいぞ。父様はそれを手助けしているだけだ。そうと決まったらがんばれ。報告期日が近くて忙しい時は一日中ずっと仕事をしていいからね」


「早く終わりにさせます。色々やりたいことがあるのですから」


「仕事が増えるだけだぞ」


「トリニティたいに優秀な人材がいないですか、父様」


「トリニティ、ケビンに付くような人材がいるか?」

 トリニティ、さっき木材を探しに行ったよね?あれ、もう取ってきたの。そして木材を渡された。ありがとう。


「そうですね、一族にいるかどうか確認します」


「えっ?父様、僕につく人?なぜ?父様の補佐官でいいじゃないか。父様を手伝えるような人材を探せばいいと思うのです」


「いや、ケビンのお目付け役を兼ねた人材が必要だ。頼んだぞ、トリニティー」


「かしこまりました、ケビン様の補佐官兼護衛ができる人材を探します。年頃的にもいい者がおりますので、長に聞いてみます」


 長って何?やはり影の軍団か?トリニティー、忍者だったのか?あの素早い動きはやはり。トリニティーをじっと見つめていたら含み笑いをされたよ。


 その後、そろばんを作り、計算と報告書作った。そろばんはトリニティーにも作ってあげた。すごく喜ばれた。


 そして、あれ?収支が上がってきたじゃないか。


「父様、収支が伸びてますが、財務官に怪しまれないでしょうか?」


「最近特許申請をしていることが多いから、羽ぶりがいいことはわかっているだろう。他領からも商品についての問い合わせが来ている。特にお酒のことに関して問い合わせが来ている。これを発売することになったらもっと忙しくなるだろう。それに魔道具やリバーシも商品化することになったら、爆発的に忙しくなる。本当に父様の勘が警鐘を鳴らしている。これをこなすだけの人材を集めないと本当にパニックになると思う。イーサンやロナウドにも聞いてみよう」


「そうですね、事務官は必要ですね」


でも僕には要らないよ。



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