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38 水精霊様来たる

 全員が談話室に来ている。ルガリオ達も来て、テーブルでお菓子を食べていた。さっきも僕の部屋で食べてたじゃないか!


「父様、ルガリオ達が長老様から手紙を受け取ってきたのです。そこには、お酒がおいしい。水精霊様も気に入ったのでもっと美味しくするために水精霊様が手伝いに来るそうです。どうしましょう」


 みんなびっくりしていた。


「ど、どうしましょうじゃない!ルガリオ、水精霊様が来ることを聞いているか?」


「うん、聞いているよ。お酒が気に入ったんだって。お水を変えればもっと美味しくなるよ、だってさ。だから水精霊達が押しかけてくるよ。お酒とおつまみを出してあげてね。お菓子でもいいのかな。水精霊のルッツ達はお菓子が好きだから、でも、そのルッツの爺様の長老様とルッツの父様はお酒が好きだよ。長老様がくるならお酒があった方がいいかな」


「な、なるほど。ありがとう、ルガリオ。いつ来るとか言っていたか?」


「うーん、たぶん早く来るんじゃないかな。今日?明日?かもね」


「本当か、今から用意するぞ。お酒とおつまみ、お菓子を用意しよう。料理長に至急準備をお願いしよう。ケビン、厨房へ行っておつまみ、お菓子の準備だ。俺たちはお酒を用意する。みんなで協力しよう」


 僕は厨房に連行された。


「ケビン坊っちゃま、これからおつまみとお菓子を作るのですね。頑張りましょう。何作りますか?」


「今回お肉があるから、唐揚げ、ポテトフライ、この前、錬金で作った醤油と味噌を使っておかずを作ろう」


「ケビン、ちょっと待て。さっき錬金で作ったしょうゆ?とみそとはなんだ?」


「単なる調味料です。唐揚げと照り焼きチキンを作るのです」

 手を挙げて、やる気を見せた。


「すごくやる気が漲っているね。それをそのまま書類整理で頑張って欲しいが」


「父様、それとこれとは別物です。さぁ、がんばるぞ。唐揚げだぁ」


 僕は貯蔵庫から醤油と味噌を持ってきた。  


「料理長、これで作りますよ」


「父様達はお酒の準備をしてください。終わったら試食に来てください」


 なぜか兄様達は厨房にいる。試食係か?


「では、この醤油を使っておかずを作ります。まず魔鶏肉を大きめに切りましょう。照り焼きチキンステーキにします」


 漬けダレでもいいが今回は両面を焼いて、調味料をからめよう。あとはもう一つは唐揚げ。こっちは漬け込みして置いて、竜田揚げだ。


 あとはフライドポテト、ポテトグラタン、ブルスケッタでおしゃれ感。ミートパイやキッシュもいいなぁ。


 よく姪っ子、甥っ子達と一緒にホームパーティーしたんだよなぁ。花見、ひな祭り、端午の節句、お盆、孫の日、クリスマス、正月、豆まきなどいつでもみんなで一緒に過ごした。時々兄の悪友などが一緒に参加して大所帯になるんだよ。まぁ、バーベキューで高い肉やロブスター、貝類などを買ってくるから良しとしていた。懐かしい。


 みんなで花見やバーベキューしたいなぁ。ピクニックもいいな。お弁当を持って、ジュリと鬼ごっこしたり、縄跳びするのもいいな。


「ケビン坊っちゃま。こちらの肉はこの液体に漬け込めばいいのですか?大丈夫ですか、この色」


「大丈夫だよ。お肉を漬け込んであとで衣をつけて油であげよう。それからマヨネーズとケチャップを作っておこう。お菓子はマジックバッグにあるけど、ミートパイを作るなら、ポットパイはどうだろう。中にチーズやシチューを入れたもの。あとはアポーパイとプリンを作ろう。パイは大好き。みんな何が好きだろう?」


 魔法というのは便利だ。漬け込みにもスキルを使ってできるなんて、料理スキルが欲しい。


 さて、唐揚げ、唐揚げ。ジュワーって揚げる音。二度揚げして出来上がり。


 みんながワクワクして、試食体勢。


「ケビン坊っちゃま、どうぞ、熱いので気をつけてくださいね」


「ありがとう。ではいただきます」


 サクッとして醤油の美味しい味。これだよ、これ。


「うまーい」

 兄様達もすぐに食べ始めた。


「料理長達も食べてよ。みんなが作ったんだよ。早く食べて」


「ですが、旦那様達がまだ」


「いいの、いいの。まだあるから」


「それではいただきます」


「マヨネーズつけてもおいしいよ、味変だよ、兄様達」


「「何!本当か」

 みんなで味変。それも美味しい。


「上手い、上手いよ、ケビン」


 そこに父様達がもどってきた。


「出来上がっていたのか!私たちにも頼む」

 トリニティー取り分けし、みんなで味わった。


「そうだ、照り焼きチキンもできたかな」

 これはオーブンでふっくらと焼いた。香ばしい匂いだ。


「これも上手い、なんだこの美味さは」

 パンに挟んじゃおうかなぁ。夕飯食べたのに、まだ食べる俺。パンにマヨネーズ、サラダ、照り焼き。


「ケビン、なんだ、その食べ方は」


「お祖父様、テリヤキチキンサンドです。作りましょうか」


「おおー、頼む、ケビン」


 お祖父様にテリヤキチキンサンドを作ってあげた。お祖父様はマヨラーなのでちょっと多めにした。


「上手いぞ、これは、みんなも作って食べてみろ」


 試食会は大盛況だった。これなら水精霊様達も喜んでくれるかもしれない。


 そして夜、水精霊様達と土精霊様達が来たらしい。


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