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37 お前は何をやっているのだー

「ケービーン、何やったんだ?お前は今何をやったのだ!」

 父様の声が木霊する。


 みんな、注目している。


「えーと、魔力を剣に這わせてみました。出来ないと思っていたのですが、一応面白そうだと思ってやってみたら出来てしまいました。あははは」


「笑い事じゃない。お前はまったく次から次へとよく考えるよ、褒めてないからな」


 お祖父様、兄様達、そして騎士団長までキラキラした目で見てきた。


「お前達・・・」


 父様は呆れ顔だ。3人は剣に魔力を這わせ、波動剣と言って剣を振り下ろした。おー、3人とも出来ている。


 父様がこめかみを抑えている。すまない、父様。その後、結局父様もやりましたとさ。


「父様、切り裂いたところに、魔獣がいたみたいですね。倒れてますよ。無事狩りが終わりましたね。よかった、よかった」


 やった、倒したぞ。これで帰れるかな。


「ケビン、何が良かっただ?これで帰れると思うなよ。甘いぞ。さぁ、奥に行くぞ。クロスボウの威力を試さないといけないからな」


 奥に行くほど、ゴブリンやオークがいる。オークは動きが遅いので、クロスボウで仕留めることができた。ゴブリンも連射すれば仕留められることがわかった。動きが早い猪魔獣にも有効だったが、やはり狙いを定めている間に移動してしまう。そこは魔法と複合で倒せばいいのではと提案。魔獣の足元を泥にしてから、固める。そして剣かクロスボウで仕留める。


 ロナウド兄様には魔獣に水を浴びせてから雷魔法で麻痺させてもらった。


「ケビン、これも攻撃に有効な魔法だな。これはいい」

 ロナウド兄様楽しそうで何よりです。


 そして、俺にとって1番、1番嫌なこと、首を切ることをしなければいけない。父様が容赦なく、首を落とせと言っているが、ムリだよ。俺はイヤイヤ首を切った。首を落としたではない、切ったである。


「父様、これ以上は切れない、気持ちが悪い、ムリです。追い込まれたらできるかもしれないですが、貧弱な僕にはムリです」


「はぁ、ケビン、お前は、自分で貧弱と言うな、まったく。じゃー、仕方がない、その剣に魔力を流す波動剣だったか?あれの魔力を抑えた波動剣で切っていい」

 やったぁ、父様、諦めたな。では一丁、波動剣、昇竜剣、波動剣、昇竜剣。昇竜剣は上に向けて剣を振り上げた。楽しい。


「父様、切れましたが、気持ち悪いです。血抜きで美味しい肉になるのはいいですが、もう少し遠くからやりたいです」


 また、頭に拳骨を喰らった。


「ケビン、お前、あははは、成長しないなぁ。何回父様の拳骨喰らうんだよ」

 2人の兄は大笑い。


 お祖父様は、昇竜剣をやって木の上の猿みたいな魔獣と空を飛んでいる大鷹みたいな魔獣を倒していた。あんな高いところまで届くんだ。お祖父様は騎士団にいたが右手を負傷し騎士団を退団し領主を引き継いだのだが、左手でも剣を使えるお祖父様はすごい。お祖父様曰く、騎士は両刀遣いでないといけないと言っているが、騎士団で両刀遣いなんていないよ。お祖父様がすごいんだよ。俺のポーションで右手に力が入るようになったが完全ではないということ。特級ポーションを作るよと言ったが、よいよい、と言われてしまいそのままだ。でもお祖父様強いなあ。


「がははは、これは空を飛んでいる魔獣を倒せるぞ。ワイバーンも倒せるかやってみたいもんだな」


 ワイバーンって、大きすぎるだろう。イヤイヤムリだよ、ムリ。


 今回の狩りの成果は大量だ。肉がいっぱい。猿とか鷹は食べられないよ。羽とか嘴などが素材になるらしい。


「ケビン、言いたいことが山ほどあるが成果の方が大きいので今回は、今回は良しとする。しかしいつも言っているが、報告、連絡、相談が先だ。頼むぞ。それから、明日から父様の執務室に来るように。たくさん書類があるのだよ。今までケビンしたことの書類が山ほどある。捌いても捌き切れない。これをすればお前も落ち着くかもしれない。今日はゆっくり休むように」


「父様、ぼく、子供だよ?本当にわかるかなぁ?不安だなぁ」

 とりあえず不安そうな顔をしておいたが騙されないようだ。


「ケビン坊っちゃまは聡い子です。大丈夫かと思われます」

 トリニティー、何言っているのだよ。父様と2人でまったく心配していない様子。


 夕食が終わり、ルガリオ達全員が部屋にやってきて食後なのにお菓子を食べている。そして長老のルービエンスがお酒をもう少しいただきたいという手紙を渡された。

 "どのお酒も美味しい。水精霊もお酒を気に入ったようだ。もっとお酒を美味しくするために水精霊がその領地に行くと言っている。そのうち行くかも、その時はよろしく"、と言う手紙だった。なんだって水精霊様だって!


 急いで父様とお祖父様がお酒を飲んでいる談話室は向かった。


「父様、大変です!」


 ドアをノックせず、思いっきり開けた。


「ケビン、またか?また何があったのだ?ゆっくり酒を飲ませてくれ」


 その後、全員集合は言わずもがな。


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