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36 狩りと魔法指導、なぜ俺が?

 今、俺は狩りに来ている。それも剣を腰にぶら下げて。トボトボと歩いている。


 クロスボウ部隊がいる。ずるいぞ、大人って。魔獣で効果があるか試すみたいだ。普通の弓部隊もいる。


 そして魔法部隊もいる。


「ではケビン、地面からの攻撃というのを教えて欲しい」

 土魔法を持っている、父様、お祖父様、兄様2人と魔法部隊。


「あの土を耕した時、魔力操作を教えましたが、あれから魔力操作を毎日しましたか?」


 みんな頷いている。よし、えらいぞ! 


「それでは、イメージです。まず地面から壁が出るイメージしてください。土から引っ張り出す感じで。もう、魔法はイメージです。体内に魔力を流して、はい、土を引き出して!」


 ゴゴゴゴッ。誰だ?おおー、さすがロナウド兄様だ。順応している。壁ができているよ。


「ロナウド兄様、すごいですね。さすがです。これ強固な城壁ができますね」

 拍手してしまった。すごい分厚い壁なんだ。


「ケビン、確かにこれで城壁ができるな。さて、これをどうすれば良いんだ?壁にしたのは良いがこのままでは邪魔だよ」


「うーん、土にも戻れのイメージで良いんじゃないですか?」


 ありゃりゃ、土に戻っている。俺の適当な受け答えでできているよ。


「ロナウド兄様、チートですね」


「なんだよ、そのチートって」


「持って生まれたスキルや魔法属性でなんでもできてしまうということですよ」


 なんと羨ましい。俺だって土魔法があったら色々作ってみたかったのに。


「それではロナウド兄様は先に進みますか?次は地面から槍を出すのです。さっきの応用、尖った槍です。こう、シュッとした先の尖ったものをドーンと土から出すイメージ、それが複数」


「ケビン、絵を描くのが上手いな。なるほど地面から尖ったものね。こうか!」


 おおー、またもや尖った剣山がいっぱい出てきた。ロナウド兄様、こわっ!


「結構、この規模だと魔力量を持っていかれるな。なるほど」


 俺は魔力回復ボーションを渡した。


「これもケビンが作ったのか?」


「そうです。低級ですが高品質です。なぜか高品質が作れてしまうのです」


「ケビンもちーと?というやつじゃないのか?味が上手いな。他に魔法はあるか」


「あとは落とし穴?かな」


 ロナウド兄様、手を地面に置いて、ドンと深い穴を作った。マジチート。俺は転生チートはないのかい?鑑定と収納と魔力量の多さがあれば良いのか?


「兄様、すごいですね。この穴に落とせば良いけど、出すのが無理ですね」


「そうだな、でも使い道はあるよ、きっと。畑を耕したことといい、戦闘でも使えるのがわかってよかったよ。ありがとう、ケビン」


「僕が知っていても使い道がないから、よかったです。ロナウド兄様がすぐ習得できたこと自体がすごいよ。あっ、でも、父様もイーサン兄様もできたみたいですね」


「あははは、そうみたいだな。他にはないのか?」


「あとは石を投げるとか、さっきの壁を四方に作り閉じ込める、牢屋みたいに。あとは土を泥にして足を踏み入れた瞬間、土を固めれば良いのではないですか?」


「はぁ?土を泥にするのか?」


「イメージです。魔法は全てイメージです。はいっ、やってみましょう」

 魔法が見たいのでロナウド兄様をせき立てた。


「えーと、地面を泥、それから固める。なるほど泥を固めれば、足が動かなくなるな。これはいい。あとケビン、前言っていた、水に雷でビリビリになるというのはどういうことだ?」


「感電、麻痺させるのですよ」


「麻痺するのか、ふーん。水を当てて雷を出せばいいのだな。考えが面白いな」


 ロナウド兄様は全てにおいてできてしまった。詠唱というか魔法の名前を教えた。アースバレットやアースランス、アースウォールなど、一応詠唱を教えた。唱えるかは任せる。


 父様達もなんだかできたみたい。けっ、俺に魔法属性がないのに、みんなずるい。まさか俺だけ剣で攻撃か?ヤダよ、怖いよ。ムリムリ。


「父様、僕だけ剣で倒すのですか。怖いです。ロナウド兄様に壁を作ってもらって、その後ろで待機していていいですか?」


 みんな呆れ顔だ。怖いものは怖い。


「ガルトレイン騎士団長がいる。がんばれ、ケビン」


「ガルトレイン騎士団長、抱っこ」


 俺は子供らしく抱っこをせがんだが、父様のゲンコツが飛んだ。痛い。


「ケービーン、お前は抱っこをせがむとはバカか!ここには経験をさせるために討伐に来ているのだ!何が抱っこか!」


 ダメだったか。どさくさに紛れて抱っこしてくれる雰囲気だったのに、ちぇっ。


「頑張ります」

 お祖父様と兄様方は大笑い。可愛く言ったのだよ、抱っこって。あーあ。剣か。トホホだよ。ここで魔法が使えないからなんて言ったら気を使わせてしまうから言えない。


 剣に魔力を流してため込み、魔力がドーンと出て倒せないかなぁ。波動剣、ププ、波動剣ってあのゲームのパクリ命名。剣の方だけど。こぶしは痛い。ハーって感じ。昇竜剣だと登ってしまうから、波動剣だな。よし、やってみよう。


 精神統一して魔力を剣に這わせた。ふふふふふっ。


「波動剣、ハーーー」

 ズバババと森を切り裂いた!あれ、やっちまった。


 みんなびっくりした顔で、切り裂いた森を見て、それから俺を見た。


「ケービーン、何やったんだ?お前は今何をやったのだ!」


 父様、大絶叫。



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