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34 兄様達の決意

 狩りに行くことが決定した。弱弱の俺が狩り。気分がダダ下がりだ。


 その間、魔力操作でポーションを初級と中級になるよう頑張った。高品質になることは許して欲しい。どう頑張っても高品質なんだよ。もうこれはみんな諦めたみたいだ。高品質の方が良いからね。自領で使う分には良いだろう。


 俺はアーロンにクロスボウを作れるか相談に行った。


「坊ちゃんはいつも面白いことを考えていますね」


「だって、剣で戦うということは接近して戦わないとダメじゃないか。怖いよー。血がブシャーってくるのヤダよ。離れて弓を射っていれば安全じゃないか。でも、貧弱な僕の腕では弓は射れない。そこで離れていても的確に仕留められることが重要なんだよー」


「あははは。離れていても的確に射れるですかぁ。なるほど。確かに弓より威力がありそうですね」


「ここにバネをつければ飛びやすくなると思うんだ」


「坊ちゃん、バネとはなんですか?」


「あれ?そういえば馬車にもついてなかったね。馬車に乗るとお尻が痛くなるから、軽減してもらうためにこういうバネを作って取り付けて欲しいなぁ。木のバネはこんな感じで、鉄で作るのならこんなコイル状の形のバネで馬車の振動の軽減をして欲しいなぁ」


 アーロンさんは考え込んでしまった。ブツブツ言っている。大丈夫かなぁ?というか違う、クロスボウ。


「アーロン、まずはクロスボウを作ってよ。バネは後で兄様達とドルトンと相談してよ。クロスボウお願いね」


 なんとか形にして欲しいなぁ。絶対剣で戦うのは嫌だ。遠くから戦いたい。でも、的確に射れるかといえば無理だろうなぁ。足の早い角ウサギなんて射れないよね。準備している間に逃げていくか攻撃される気がする。


 まぁいいか、とりあえず様になっていればいいか。猟師ケビン誕生!


 数日後、また父様の執務室に呼ばれた。何かしちゃったかな。ポーションはいっぱい作ってマジックバッグに入れているけど怒られ要素あるかな?はて?


「失礼します。父様何かありましたか?」

 俺ののんきな言葉にみんなが疲れた表情をしていた。執務室には父様、お祖父様、兄様達、ドルトンさんとアーロンさんがいた。


「ケビン、作る前に相談しろと言っただろう?アーロンがイーサンやロナウドに相談したからよかったものを」


 父様の第一声。相談案件ってどれだ?アーロンさんが気まずそうにしていた。


「アーロン、気にしなくて良い。イーサンやロナウドに相談してくれてよかったよ。全くいつもケビンは先に相談しろと言っているのに、困ったものだ」


 父様が気まずそうにしていたアーロンさんを気遣って言っているが、これも相談案件だったか。大したことないと思ったのだけどなぁ。


「ケビン坊ちゃんがバネの件はイーサン様とロナウド様に相談してとおっしゃったので今回相談させてもらったのです。ケビン坊ちゃん、なんだかすみません」


「ケビン、また俺たちに丸投げしようとしていたのかな?」


「えー、バネの件はクロスボウを作ってもらうことの副産物ですよ。馬車に乗った時お尻が痛かったので、軽減できないかなぁと思い、兄様達だったら、それで何か作ってくれるかなぁと思っただけです」


「ほら、丸投げだよ。話だけこんな感じと言ってその後は俺たちに任せるところ。もう、興味があるから結局やることになるんだよ。もう、色々手一杯になってきた。王都に帰るに帰れない状態だよ。全く次から次へと、本当にアイデアを出してくるんだから」


「子供の僕の頭ではわからないので、兄様達にお願いした方が良いかなぁと思っただけです」


「なにがこういう時だけ子供の頭でって言うのか!まったく。はぁー、父様、私は考えていたことがあります。こちらに戻ってきて魔道具開発や商品開発に専念してよろしいでしょうか?これだけケビンがやらかすので、表だったところを私が引き受けたいと思います。私がケビンの盾になろうと考えています。王都で私の仕事など誰でもできること。しかしケビンの手綱を制御?制御はできないな、監視?管理できるのは家族しかないと思います」

 イーサン兄様、弟に対して酷いな。監視や制御って。


 ロナウド兄様まで頷き、賛同していた。

「私もイーサン兄様と同じ考えです。私は商会を立ち上げ、ケビンのアイデアの受け皿のなろうと考えてます。たぶん父様や母様だけではケビンを制御できないと思います。それに母様はお腹に赤ちゃんがいるのでそちらの専念してほしいです。父様は領地のことをそしてケビンに手伝ってもらい、俺たちは対外的運営の方をしていこうと考えています。昨日兄様と話し合って、ケビンを守るには私たちはこちらに戻って対外的なことをしていこうと決意しました。精霊様のおかげで、農作物が育っています。将来的にこれを自分たちで維持できるよう、姉様のところの腐葉土をもらい実験していきたいと思ってます」


「お前たち、この領地のこと、そしてケビンを守るためにそこまで考えていたのか。ありがとう。そうだな、たぶんケビンのスキル、デザイン、クラフトで様々なものが思い浮かんでしまうのだろう。今は領内だけがこれからは、領地以外にこの商品を売っていくことになる。人員人材を考えていこう」

 

 良かった、スキルでこのアイデアが出ていると思ってくれている。でも、みんなの総意は俺、問題児なんだな。


「でも、イーサン兄様は王都が好きなのではないですか?ロナウド兄様は自由に動き回りたいのではないのですか?」


 俺のために犠牲になるのは困る。



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