表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/238

29 姉様へのプレゼント

 クラウディア姉様に何を作ろうかなぁ。あまり会う時が少ないから、今まで作った一式セットにしよう。


 ハンカチ

 ゼーファン様用のクラバット

 ミサンガ

 チョーカー

 寝袋?姉様いるか?

 テーブルクロス

 ぬいぐるみ

 マジックバッグ


 あとは、そうだ、マルチカバーを作ってあげよう。パッチワークがいいかな?かぎ編みで作ろうかな?柄を凝ったものにして癒され効果付きにしてみよう。


 楽しいなぁ。やっぱりデザインを考えるのは楽しい。今度のぬいぐるみは何にしようかなぁ。イーサン兄様と同じ白い犬、もしくは白い鳥は癒されるよな。猫ちゃんか?ゼーファン様にはタカがかっこいいかな。うーん、違うか?クラバットに装飾するために紋章を聞いてみよう。


 ハンカチの刺繍はそうだなぁ、四葉のクローバーにてんとうむし、バラ、青い鳥、あとはブランドのパクリをまたしようかな。葉っぱと赤い小さなイチゴとピンクの花。あとはイニシャルロゴ。ハンカチの刺繍はすぐできてしまう。やはり大作はマルチカバーだ。部屋の雰囲気をがらりと変えられるんだ。


 パッチワークと刺繍とかぎ編み3大作を作るぞ。パッチワークのパターンは覚えている。刺繍とパッチワークの合作にするか。その方がかわいいかな。姉様、可愛いものが好きだから。北に海がないから、ハワイアン風ではなんだこれ?になるよね。カメとハイビスカス好きなんだけど。それも作るか。いろいろ考えるのはマジ楽しい。マジックバッグがあるからいっぱい作って、選んでもらえばいいんだ。それぞれの部屋の雰囲気があるから、合わせたいよね。クッションもそれに合わせて作ろう。


 ぬいぐるみは北の方と言えばキタキツネ、オオカミ、クマ、ふくろう、ももんが、りす、シマエナガ。おばあさまと同じ、シマリスとオオカミのゆるキャラにすればいい。ふわふわもこもこにして癒し効果だ。綿は快適綿。冬はホッカイロ扱いになるだろう。


 そうだ、ルガリオ達を紹介しなければならないから、刺繍して額に入れればおしゃれな絵画的になるよ。よしよし。お揃いでうちにも作ろう。


 僕のスキル・クラフトはサクサク作ってできてしまうから時間はかからない。没頭すると時間を忘れてしまうから、それが困りものだ。母様が怒って迎えに来ること多々ある。でも、作ったものを紹介して説明していると、トリニティが結局迎えに来るパターン。それならトリニティが初めから迎えに来ればいいのではないかと思うが母様には言えない。うーん、時計を作ってもらおうかな。


 この世界に携帯する時計がない。大聖堂で砂時計のような魔道具があり、それが各貴族家、仕事場、広場にある時の鐘に連動し、時間を知らせているらしい。砂時計の落ちきるまでの時間を1時間としているのかどうなのだろう?これはイーサン兄様に相談だ。イーサン兄様が魔道具士希望だったなんて嬉しい。ドルトンさんに渡した作ってほしいノートをみた兄様は人が変わったように研究している。時々、これはどういってものかと詳しく聞いてくるので、なんとなくこんなかんじと言うとヒントを得たかのようにまた研究をしている。仕事に戻らなくていいのか?


「イーサン兄様、作ってください」


 俺は時計の絵を渡した。


「はあ?とけい?なんだ、そのとけい?というのは。この絵がとけいというものなのか?」

  

 時計の概念がないのか。


「えーと、僕はいつも時間を忘れて刺繍とか作り物をしてしまうので、時間が分かるものが近くにあれば、遅れずにすむと思うのです。作ってください」

 

 イーサン兄様が僕の説明をあきれている。あきれる要素が何かあったかな?


「ケビン、時の鐘を聞いていれば分かるだろう。まあ、目に見えた時間が分かれば確かにいいな。時間通りに進むな。どういう仕組みを考えているのだ?」


「動力源は魔石でいいと思うのです。肌に付けていれば自分の魔力で動くか、もしくは補填された魔石で動くようにする。あとは大きさの違う歯車とで秒針と分針を動かせばいいと思います」


 絵となんとなくこんな感じ的な説明をした。兄様はじっと説明を聞き、説明した絵を見て頷いている。何かひらめいたのか!


「この絵貰っていいか?この歯車の調整で針が回り、時の鐘と同じ時刻に調整すれば、携帯用時の鐘になるのか。なるほど、面白い考えだ。ドルトンと考えてみるよ」


「ありがとうございます、イーサン兄様。じゃっ、よろしくお願いします」


 スキップして部屋に戻ろうとした。思い出したように今度はロナウド兄様の部屋にやってきた。


「ロナウド兄様、行動を起こす前に相談に来ました。進歩したでしょう?」


「ここに来る前に何か作っていただろう?」


「それはもう作ったものだからいいかなぁと思ったのですがダメですか?」


「いいから出してみろ」


「えーーー」

 

 マルチカバー、ハンカチ、クッション、ぬいぐるみとルガリオ達の刺繍の入った額縁。


「おまえなー」

 おっと、父様と同じ、こめかみをグリグリしている仕草は父様に似ているなあ。


「ロナウド兄様、そういう仕草をすると父様に似てますね」

 

 お前がそうさせているんだろう、と言って頭をコツンとされた。


 作ったものを説明して、姉様の欲しいものを姉様に渡して、余ったものを持ち帰ってきてほしいとお願いしたが、まずは父様たちに見せてからだ、と言われてしまった。あれ?ダメなの?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ