236 君の名は
黒い龍、黒龍が産まれた。
「おー、我が産まれたぞー。黒龍は龍種の中で最強なのだ!わはは。王族の皆が魔力補填をしてくれたから、我が最強になったぞ。アル兄、ケンパパ、これからもよろしく頼むぞ」
しかし、うーん、見た目かわいいのに、なぜその口調なんだ?可愛く喋ってみてよ。ケンパパって、この世界はパパなんて言わないんだよ。
「ケビンよ、我はこの口調だ。可愛くは無理だ。どう考えても無理だ。まあそれは良いとして、我の番殿もそのうち産まれてくるのじゃろうかのぉ?他に我の番が赤龍、他に青龍と黄龍がいたのじゃがあやつらはどこの行ったのじゃ?まあ、そのうち出てくるかもしれない。さてと、ケビン、今後も魔力補填を頼むぞ。度々そちらに飛んでいくからよろしく頼む」
なんだか別の龍がいるの?それはフラグというやつか?そのうち出てくるの?みんなも他にドラゴンがいるのか?とびっくりしている。
「飛んでくるの?リルは走ってくるし、クルは転移しているし自由だね、君達は」
「「「こやつら(こいつら)(あんたたち)と一緒にするな(しないで)」」」
ドラゴン、フェンリル、カーバンクル、そして精霊、妖精がこの国に集結した。王宮の庭にも精霊達、妖精たちが舞っている。凄いことだよね。この光景は古の文献に載っていたものと類似している。大お祖父様、お祖父様やケンおじちゃんがなにやら話し込んでいる。
「そういえば我の名前は決めたのか?アル兄。良い名前をつけてくれよ」
マイペースなこの子達。そういえば精霊達もみんなマイペースだったね。さてとみんなが考えた名前が集まった。さあ発表会だ。
「これからみんなが考えた名前を言っていくから、気に入ったものがあったら言って」
「あい、分かった」
ドラディス、ドグラテス、ドドラン、ドラグニス、ミミリオン、ブラドラ、ルルドラ、ドランベル、バルス。ドラゴンのドラを使った名前が多いね。
さあ、僕が考えた名前は何だと思う。そう、バルスだ。某アニメで出てくるがトルコ語で平和だ。黒い龍で闇を連想しそうだが、昔の文献で龍は平和の象徴としていた。それを踏まえているが、単なるカッコよく言いたい”バルス”。ただそれだけなのだ。
「我はそうだな、ドラグニスかバルスがいいな。バルスにする。響きがいい。全世界を崩壊させるぐらいの強さが感じられる。うん、バルスが良い」
確かにバルスで崩れていったね、ん?僕の記憶を見ているのか?あの会社の作品は好きだからよく見ていた。特に大きな猫バスが出てくる映画は甥っ子と姪っ子と一緒に見ていたしあとは動いている城。飛ばねえ豚はただの豚を見ていたんだ。もう一度見たかったな。
「バルスを考えたのは僕だよ」
みんながびっくりしていた。僕だって変な名前は考えたけど、最後はまともな名前を考えることが出来るお子ちゃまなのである。エッヘン。
「ケビンが考えたにしてはまともだな」
「父様酷いです」
「いや、リルとクルは安直だったから、あっ、イヤ、リルもクルも可愛い名前だよ」
後ろで睨んでいる2匹。なぜ我々の時は安直に名前を付けたのだ、とプリプリしている。リルもクルも可愛らしくて、皆に覚えやすい良い名前だよ。シロやクロじゃなくてよかったではないか。ね?ね?
「では、君の名は、バルス。かっこいいね」
アルお兄ちゃん、いいのですか?アルお兄ちゃんが飼い主だから、もっと考えてもいいんだよ。
黒龍のバルス。アルお兄ちゃんと従魔契約を果たした。最強な王国になってしまった。安泰だね。ただ、悪いことをすると精霊達が見えなくなってしまうので、平和でまっとうな王国にしていきましょう。争いのない平和な世界が一番。そして国民が安心して暮らしていける国を保ってほしい。ケンおじちゃん、アルお兄ちゃんよろしくね。平和な国ではないと俺が脛をかじって生きていけないからね。そこ大事!
「さあ、お披露目はバルス様、リル様、クル様、精霊様達になったな。バルス様がまさか間に合うとは思わなかった。一緒に紹介できてよかった。それではお披露目の次第を考えよう」
オスカーお祖父様がお披露目会について話し出した。まず、ドラゴンのバルス、フェンリルのリル、カーバンクルのクル、ルガリオ達精霊達を紹介。ただし精霊が見えない者達の説明をする。先祖が精霊の怒りをかった者達。そして今見えていたとしても、悪事を働き怒りをかった者は今後見えなくなることを説明するらしい。
みんなびっくりするだろうなぁ。ドラゴン、フェンリル、カーバンクル、精霊達。
この国にいるんだよ。気がかりなのはバルスの嫁と他のドラゴン達がいるのか?ということだ。いつか会えればいいね。
俺たちの立ち位置は王家側で良いそうだ。クルさんを紹介するときに僕の従魔と紹介することと精霊達がフォーゲリア領に住んでいることなどを説明するために王家側で紹介となった。
「ケビン、リルとクル、バルスを紹介するんだね。どうする、リルとクルは本当の姿になった方がかっこいいよね?」
「そうだよね、今の姿は子犬と子猫だから迫力に、欠けるね。本当の姿になってもらおうか。お祖父様達には内緒でする?」
「いいね、ケビン、そのときにバーンと本当の姿になったらカッコいいよね」
2人でくすくす笑いながら話し合っていた。
「こら、お前達。悪巧みをするんじゃないよ。リルが大きくなったらみんなびっくりするよ」
「我も大きくなろうか?この城ぐらいの大きさになれるかもしれない。ただ、魔力をいっぱいもらわないとダメだがな」
バルス、小さい方が可愛いからそのままでいいと思う。自分の魔力で大きくなれるときにやってくれ。人の魔力を当てにしないこと!
「ケチだな、ケビン」
「人の魔力を当てにして大きくなろうとしないの!全く、まだ生まれたばかりなんだから、ピヨピヨと言って可愛くしていてよ」
「何がピヨピヨだ。我はその辺の雛鳥ではないわい!」
アルお兄ちゃんが間に入り口喧嘩を宥めていた。
「全く、ケビン、バルス、リル、クルお前達はポンポンとよく口が回るよ。兄弟みたいだな」
「「「ケビンと一緒にされたくない!」」」
はぁ?何言ってんの!僕だって一緒にされたくないよ。だって君達、龍、神獣、幻獣だよ!それと一緒にされてる僕って珍獣と思われているのか?珍獣は違うよ。えーと何?
「ケビン、あなたは珍獣でいいのではないの。ケビンにあっているわ」
みんなが珍獣で大笑い。クルさんやフォローにもなっていないよ。
もう、さぁ、みんなおめかししよう。お披露目だよ。クルさん、可愛くするよ。




