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23 なぜ忙しいのだ?

 朝から大きな声が外から聞こえてきた。


 窓から覗くとドワーフのような人がいた。お祖父様が言っていた人かな?


 豪快そうな人だな、お祖父様の背中を笑いながらバシバシ叩いきながら笑っている。


 窓から覗いていた僕に気付いたようだ。手を振られたので振り返した。土精霊のルガリオ達もドワーフさんの周りを回っている。ドワーフさんも見えているのか、髭で遊んでいるターナ、ルン、ラッテの首元を掴んで肩に乗せていた。肩に乗った3人は今度は髪の毛で遊んでいる。精霊達に好まれる人だ、悪い人ではないね。


 朝食後、人族とドワーフのハーフ、ドルトンさん。ドルトンさんはハーフのためドワーフ族から距離をおいていたそうだ。群から外れ、1人で生きていたが幸いにもドルトンさんの人柄に惚れた奥様ペリーヌさんと結婚したそうだ。奥さんは錬金士。僕の先生になれるのではないか?母様にに薬草の種を作ってもらえば、ポーションが手軽に入手できる。今回、家族総出でうちの領地に移り住むことになった。精霊様がいるのなら喜んで行くとなったらしい。いい人たちが来た。お祖父様の知り合いなら悪い人ではないだろう。


「酒を作るための装置を作るのかい!全面的に協力する。今から作るぞ!早く指示してくれ!」


 えー、着いたばかりだよ。落ち着いてからでいいじゃないか。お祖父様や父様を見ても頷いてやる気だった。


「すでに大きな樽をたくさん用意してある。貯蔵庫は地下に作った。あとはそのお酒の装置を作るだけだ、ケビン。早く指示するように」


 父様いつの間に作ったの?確かにお酒を作るためにどう言ったものが必要か、絵に書いて渡した。すでに準備をしていたとはびっくりだ。それから俺は鑑定さんに作り方を教わり、そのまま伝えた。


「装置の電源は魔石か?魔力の入った魔石は高いぞ。コスト的にどうだかなぁ」


「魔力入りの魔石はケビンが魔力を入れることができる。だから電源は大丈夫だ。なぁ、ケビン?」


「お小遣いくれるのですか?タダ働きはやだなぁ」


「ケビン、お前、領地の発展のためにやると言い出したのはお前だ。がんばれ」


「ええーー、父上、ひどいです。相場はいくらなのですか?それによって家族割にしますよ」


「ケビン、お前は」

 ドルトンさんが相場を教えたくれた。1センチぐらいの魔石で金貨1枚。大きい物だと白金にまで及ぶの言われているそうだ。いい商売だよな。うちは魔獣討伐しているから魔石はある。使用済みの魔石もある。使用済みに魔力補填できないのだろうか?試してみよう。それにしてもタダ働きは嫌だー。お小遣いちょうだい。


「うーん、父様?使用済みの魔石に魔力補填してみますね。捨てるの勿体無いですからね。それにランプの魔道具を作れば、オイルなど入れなくても済みますよね。ドルトンさん、そういった便利グッズも作ってください」


「ランプ?ああ、灯りのことか。そういう魔道具があるのか?単なる思いつきだと?!どういう原理をしているのか後で教えてくれ」


 お約束のランプ、ドライヤー、ハンドミキサーを作ってもらう。ドルトンさん、がんば!


 そこにロナウド兄様がやってきた。


「お酒造りがこれから進むのですね。それにさっきケビンが言っていた物を売ったら金になると思います。父様、私の方で商会を立ち上げてよろしいでしょうか?うちの利益になることを考えなければなりません。特許などの申請も必要になってくると思います。それらを私に任せてもらえないでしょうか?私は商売を生業として生きていきたいので、ぜひやらせてください」


 兄様、やる気だ。兄様は魔導士としても天才だけど商人としても天才だと思う。いいんじゃないか!そして、ゆくゆくロナウド兄様が領主になってもいいのではないか?それともイーサン兄様が嫡男としての目覚めがあるかもしれない。ムフフ、脛齧り人生に向けて頑張るぞ、おー!


「そうだな、ロナウドは魔導士より商人の方に力を入れているからな。その方が生き生きしている。よし、商会を立ち上げよう」


「ありがとうございます。父様。ケビンも色々アイデアあったら言ってくれ。頼んだぞ」


 頭をポンポンしてくれた。


「色々、兄様にお願い事をすればいいのですね。わかりました。兄様になんでも言います。ふふっ、今後ともよろしくお願いします、ロナウド兄様」


「お前がそういうとなんだか嫌な予感がするよ」


「ひどいよ、ロナウド兄様。幼気な弟の頼み事ですよ。かわいいものですよ。兄様に丸投げできて嬉しいです」


「ほら、やっぱりケビンは丸投げする気じゃないか!」


 みんなで笑い合った。ケビンはなんかやらかしそうなんだよな、とみんなの思いは同じだった。解せぬ。


 さてとお酒、ウイスキー。朝ドラみていたよ。インスタントラーメンの朝ドラも面白かった。カップラーメンが恋しい。シーフードのやつ。


 いかんいかん、今はウイスキーだな。動力源となるのは魔石。あとは蒸留するための装置を作ってもらう。蒸留するための原理を伝えて丸投げした。


 地下に大きな空洞を父様自ら土魔法で作ったんだよ。僕が土魔法でやった方がいいと伝えたら、あら、まぁ、大きな空間、頑丈にできた壁や天井、これなら何があっても崩れないぐらいの頑丈さの地下空間ができていた。父様恐るべし。ケビン、お前が作り方を伝授してくれたのではないか。それに沿って作っただけだと言っていたが、確かに絵でこんな感じと絵を描いたけど、実践で大空間が出来てしまうなんて、土魔法っていいなぁ。こういう空間も作れるのだから。羨ましい。嘆いてもしょうがない。酒造りの工程や、どうすれば効率がいいかをみんなで話し合い意見した。ドルトンさんはやる気に満ち溢れている。お酒の効果ってすごいな。飲んでないのにテンションが皆高い。


 僕は今は飲めないから、お酒なんてどうでもいいんだよ。綿を紡ぎ糸にする装置も作ってもらいたいんだよ。あと、リバーシを作るためのノコギリやヤスリなどもお願いしよう。それも言っておこう。後回しになりそうな気配がするけどね。もしかしたら酒造りに没頭し忘れられる気がする。ムムムッ、作りたいものリストノートを作って渡しておこう。絵など描けば興味が増すかもしれない。こっちに興味を向けさせてやるぞ!


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