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227 芸術スキルってすごい6~歌って踊れるステージ

 みんなで歌って踊れるステージの開催日。従兄弟、従姉妹たち集結。女性陣はあとでくるわねっと言って別のところへそそくさと行ってしまったよ。いいのだ、いいのだ、楽しんでくだされ。


「アルお兄ちゃん、イーサン兄様、ロナウド兄様、ダニーお兄ちゃん、フィルお兄ちゃん手伝いに来てくれてありがとう。子供達の補佐をお願いしたいんだ。レオン、イザーク、レックスは子供達のパペットを配ったり、一緒に踊って見本を見せたり、お菓子を配ってほしいんだ」


「ああ、わかっているよ、ケビン。我々も踊りや歌を覚えたし、子供達と一緒に歌って踊るよ。恥ずかしがらないように頑張るよ」


 そう、恥ずかしがってはダメなんだ。ノリだ、ノリなんだよ。


「ジュリ、今日は楽しんでいってね。みんなも楽しむんだよ」


 ジュリは母様と父様と一緒に、そして孤児院の子達も一緒に参加だ。


「みんな、練習してきたかな?みんながノリノリで歌って踊ってくれれば、他の子供達が一緒に踊ってくれるかもしれない。楽しんでね」


「はい、ケビン様、みんなで練習したのですが、楽しくてすぐ覚えました。このリル様、クル様のパペットかわいいです」


 孤児院の子達には学校で音楽の授業を始めたのだ。その際、歌と踊りを覚えてもらい今回、サクラで踊ってもらうことにしたのだ。


「みんな、最後はお菓子をもらって帰ってね。もしくは最後まで残ったら何かいいものが景品としてもらえるから頑張ってね」


 目を輝かせて頷く子供達。


「にいに、ぼくがんばるね。いっぱいれんしゅうしたからじょうずにおどれるようになったよ。すごくすごくたのしいの」


 かわいいぞ、ジュリ。リルとクルを紹介しよう。この子達が子のパペットのモチーフになったのですって。


 ヤッタルデー。さあ、始めよう。円陣を組んで皆と目を合わせ気合を入れた。


「さあ、皆、楽しく歌って踊ろう」


「「「「はい」」」」


 それぞれ決めてあった配置に移動し、絵画スキルの人達には大道具、そして子供達を待つ。始めは来ないかもしれない。それならジュリや孤児院の子供達を楽しませればいい。


「ケビン、甥っ子たちを連れてきたぞ。どこでも座っていいのか?」


「おっちゃん、おばちゃん、来てくれたの。ありがとう」


「近所の子供達も連れてきたからな。楽しみにしているよ」


 おっちゃんのところに遊びに行った時に遊んだ子達が手を振っている。来てくれたんだ。結構集まってくれた。


「みんな、来てくれてありがとう。今日の歌のお兄さんとお姉さんがお歌を歌うよ。みんなも一緒にまねして踊ってね。さあ、歌って踊るステージ始めるよ。まず紹介したいのはこのパペットのモチーフ、リルさんとクルさんだよ。近くにトコトコ歩いていったら優しくしてね」


「「はーい」」


「では、始めます。皆さん、こんにちはー。ん?みんな声が出ていないよ!みんなでこんにちはと言ってね。挨拶は大事だよ。ではもう一度、皆さん、こんにちはー」


「「「「こんにちはーー」」」」


「うん、大きい声で挨拶できたね。偉いね。それでは歌のお兄さん、お姉さんよろしくね」


「「みんな、こんにちは」」


 お兄さんとお姉さんが挨拶すると子供達も先ほどより大きな声で挨拶だった。


「「「「「こんにちは」」」」」


「大きな元気な声がでたね。これからお歌を歌うけど聞いたことがない歌だから覚えていってね」


 それから、どんな色が好き、さんぽ、さあ冒険へ行こう!を歌った。子供達に負けそうになった時、がんばれーと声援を送るようにお願いした。知育教育の一環で数の数え歌をみんなで歌った。そのうち玉入れを作って、体を動かして、ボールの数を数えてもらおうとカゴと綿入りボールを作っている。今日は数を覚えてもらうだけである。


「さあ、最後になってしまったけど、リルさん、クルさんパペットを配られたかな?」


「「「「「はーい」」」」」


「では手にこのようにはめて一緒に踊ろう。ゆっくり踊るのでまねしてね。そして最後、ぐるぐる手をまわして、どっちかなと言って、好きなパペットを上にあげてね。お兄さんと同じパペットを挙げた人は残ってね。違うパペットを出してしまった人は、出口のお兄さんとお姉さんにお菓子を貰ってね。最後まで残った人には何か良いものがもらえるよ。最後まで残れるかな?では立ってください。曲名はリルさんとクルさんのぼうけんだよ。ぴょんぴょんぴょんはジャンプジャンプしてね。くるくるは手をこのようにくるくるしてね。トコトコはその場で足踏みしてね。くしゃみの時はクシュンってくしゃみしてね。ヘッ、クシュンって大きなくしゃみでもいいよ」


 クスクス笑いながらまねをしている子供達。ジュリもまねしている。


「それでは始めるよ。まずは手を大きく広げて、冒険の朝だよ。


 クルとリルのだいぼうけん。

 青い空に向かって大きくジャンプ。

 さあ、いくぞー。

 ちょうちょうを追いかけぴょんぴょんぴょん。

 たのしくくるくるまわっちゃお。

 みずたまりをのぞきこめば変顔リルさん笑っちゃう。

 くすくすクルさん、くすくすくす。

 おこったリルさん、プンプンプン。

 みんなでクルクル回っちゃお。

 お空に大きな虹に向かってジャンプ。

 虹の上をトコトコ歩いちゃお。


 さあ、みんなクルクルクルクル手を回して、どっちかな!


 お兄さんはリルさん。リルさんを出した人は残ってね。クルさんを出した人はあちらのお兄さん、お姉さんにお菓子をもらってね。さっきリルさんを出した人、またクルクルクルクルどっちかな、でどちらかを出してね。今度はお姉さんがどっちかなぁ。それでは始めるよ。クルクルクルクルどっちかな、今度は、またリルさん!クルさんを出した人はあちらでお菓子をもらってね。さぁ、人数が少なくなったね。最後に残る人は誰かなぁ」


 立っている子供達の残りは数人になった。


「さあ、残りわずかとなったよ。誰が勝ち残れるかな。ここからの景品はこちら。パティシエールのお店のデザートを持ち帰ってくださいね。そして優勝者は、パティシエールのお食事券です」


 わーっとどよめいた。パティシエールのデザートが食べられる、最後まで勝ち残ったら食事券がもらえることに勝ち残っている家族達は色めき立った。


「子供1人分だけですか?」


 残っている家族が質問をしてきた。


「いえ、デザート券も食事券も家族みんなの分ですよ」


「「「うわぁ!」」」


 おっちゃんが連れてきた甥っ子と家族連れの女の子、お母さんと来た男の子が残った。俺は今日初日なので大盤振る舞いをした。


「今日は初日なので3組の家族に食事券を渡します。好きな時に来てくださいね。デザート券を持っている人達も今日でもいいですし、いつでも来てください。みんな今日は来てくれてありがとう。楽しかったかな?楽しいと思ってくれたら嬉しいな。またみんなに会えることを楽しみにしてます。本当に今日はありがとうございました」


 大きな拍手が湧き上がった。みんな帰らずに最後まで残ってくれていた。みんな笑顔だった。


「今度はお酒も景品にいれてくれよ」


 おっちゃん、何言ってんの、まったく。


「お酒はありません。これは子供達と一緒に楽しむステージなのでお酒の提供はありません。お酒はいっぱい買っていってください」


 笑い声がこだまする。


 みんなに手を振りステージからお兄さん、お姉さんがありがとうと言って下がる。そしてお開きとなった。


 みんなの反応はどうかな。兄様達に子供達の反応を聞かなくては。でも聞くのが怖いなぁ。





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