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225 芸術スキルってすごい4

 ストロガノフ一家の仕事をこなすスピードがハンパない。本当に優秀だ。それに触発されたブラッド達。これまたすごいスピードだ。僕の前の山が以上に増えていく。


「皆、頑張りすぎも良くないよ、適度にこなそうね」


「ケビン様は頑張ってくださいね」


 えー、皆、僕の仕事を増やさなくていいんだよ。


「ケビン様、このソロバンは早く計算が出来ますね。これは素晴らしい。そしてこの収支報告書の書式。これは見習うべき書式ですよ。見やすいし書き込むスペースあり、この付箋ですか?これがまた良い仕事をしてくれます。さあ、どんどんいきますよ。楽しくなってきた」


 楽しくならないで、お願いだからペースを落として。僕も承認印をバンバン押印した。めくら判ではないよ。きちんと見ています、安心してください。


「さて、皆さんお昼なので食堂へ行きますか。その前に家族寮を作らないといけないですね。皆さん、一緒の家でいいのですよね?」


 ここで反対意見勃発。事務官となるキシルさんは施設単身寮希望、弟リュークさんは劇場施設に泊まり込み希望、そしてご夫婦は家族寮を作ってほしいということだ。娘と末の息子の部屋も念のため作ってほしいという要望だ。一番上の兄はいいのか?と聞いたら、どこかで寝泊まりするでしょう、だってさ。良いのか。家族寮にもリビングはついているし、キシルさんの方の単身寮は1LDKだから、リビングで寝ればいいのか。まあ、家庭の問題だしいい大人だから気にしないでおこう。


 キシルさん一家を商業施設へ案内した。キシルさんは執務室と食堂しか行ったことがないというから一緒に案内した。マリファさんはパティシエールのお店を紹介。クレージュとボトムを紹介。ここで働いて欲しいことを伝えた。勿論、従業員特典や就業規則や労働条件を提示し、とても喜ばれた。イワンさんはやはりお酒施設がお気に入り。


「私もここで働いていいのかな?」


「いえ、違います。イワンさんはこの施設での仕事ではないです」


 頭の上でガーンっていう文字が浮かんでいるのが見えそうだ。とりあえず構想が決まるまでここで働いてもらうことを言うとすぐ行ってしまった。おいおい。最後リュークさんを劇場へ案内し、芸術スキル、特に音楽スキルをもつピアリーノさんやフルーリさん、テノルドさん、ハーブバーグさん、契約をした人たちが練習をしていた。


「ケビン様、こんにちは。午後からですよね?もう練習するのですか?」


「ううん、みんなに紹介するね。隣国より来たリュークさん。同じ芸術スキル持ちだよ。午後から一緒に過ごしてもらうからよろしくね。みんな食事とっている?食事を疎かにしてはだめだよ。休憩を取ることも大事なんだからね」


「「「「「はい」」」」」


 ん?別方向からも声がした。


「イザーク、メメルさん、もう来たのですか?」


「喫茶店の演奏が終わって、こっちに来たのよ。何をするのか楽しみで、ほらテイクアウトのサンドイッチとスープを買ってきたのよ。休憩しながら計画書を読もうとしたの。イザーク様も一緒よ」


「ケビン、お疲れ様。顔が死んでいるよ。執務が忙しかったのかな。これほど反響が大きいとまだまだ続きそうだよね。ルークおじさまもケビンと同じ顔をしていたよ」


 父様は予約の貴族対応をしているから疲れるのだな。そうだ、カフェロワイヤルをしてあげればどうだろう。今度お客様にもラテアートを出してみよう。メニュー表を絵画スキルの人達に描いてもらおう。


 それから、リュートさんには歌って踊れる音楽を作ってもらわなければ。リルクルパペットを使っての歌と踊り。歌詞はパペットに合わせてリルクルと一緒に踊る歌にするんだ。


 リルさんが走る、クルさんがのんびり歩く。リルさんがしゃがむ、クルさんがジャンプする、くるくるくるくる回って回って、この時は手をくるくるさせながら、体もくるくる回るというかんじの歌詞で一緒に体を動かすダンスを考えているんだ。


「みんな、企画書を読んだかな。歌のおにいさんとおねえさん、ピアノ伴奏と3人1組で1日1回のステージをやって欲しいんだ。この時恥ずかしがらず、にこやかに、子供達を先導して欲しいんだ」


 どんな感じでやってほしいかひと通りやってみた。”皆さん、こんにーちわー、歌のお兄さんだよ、初めは聞いたことがない曲かもしれないから聞いていてね。楽しかったら、手でまねしてね、から始まり、前世の歌とダンスで大きな栗の木の下でとどんな色が好きを歌って踊った。ただ、クレヨンとか色が分からないと思うからベリーの色とか夕焼けの色、お空の色、葉っぱの色など分かるような替え歌にしたよ。


「こんな感じで自分たちが歌って踊って、子供達の興味をひいて欲しいんだ。子供達は初見だから聞いているだけかもしれない。だけど浸透すればみんなで歌って踊れるかもしれない。にこやかに、子供達の興味を惹く歌と踊りを考えて披露していきたいんだ。絵画スキルのある人達は背景を描いて小道具を作って欲しいんだ。どうかな?」


「ふふふふっ、ケビン様って面白い方ですね。今、楽譜?というものを見せてもらいました。そして先ほどの聞いたことがない音楽、どこでそんな発想が思いつくのか、色々知りたいですね。リルクルの音楽が浮かんだからやってみようか。ケビンの歌詞から音楽が浮かんだんだ。このピアノで弾けばいいですね」


 歌詞はそうだな、うーん。


 おさんぽリルさん、クルさん、仲良くとことことこ。

 楽しくなってジャンプジャンプ、ぴょんぴょんぴょん。

 くるくる くるくる まわっちゃお。

 ちょうちょ、ちょうちょおいかけて。

 おはなでくしゅんとくしゃみする。

 ドーンと壁を乗り越えた。

 リルさん、クルさん今日も元気に走り回る。


 うーん、作詞力ゼロ。まあこんな感じでいいか。後はお任せだ。


「リュートさん、この歌詞で音楽を作ってほしいな。これでパペットを使って手遊び歌でみんなで踊りたいなと思っているのです」


「ほー、あの子犬と子猫の歌ですね。なるほど、良いですね。楽しくなる曲で一緒に踊れるようにか。うん、イメージがついた。じゃー、ケビン様、一緒に歌って踊ってみてください」


「あの、一度聞かせてください。それを聞いて合わせます。みんなも聞いてこうしたほうがいいと思うことを言ってね。より良い手遊び歌を作ろう」


 なんだか皆楽しそう。さっき僕が歌った歌を楽譜にさっそくしてくれているし、行動が早いよ。


「ケビン、すごく楽しい。芸術スキルって楽しいスキルなんだね。みんなを楽しませたり、感動させたりできるスキルだね。ケビン、ありがとう。ケビンが芸術スキルの有用性を教えてくれなかったら、ハズレスキル、役立たずなスキルと言われ続けて、悲しい人生だったかもしれない。音楽が楽しいよ」


 イザークが活き活きしている。皆も同じだ。絵画スキルの人達には今回裏方に回ってもらって歌に合わせた絵を描いてもらう。ポスターや大きな紙芝居を描いてもらおうかな。興味を持ってもらえればいいのだ。


「一番初めの声がけは僕がやろうか?歌や伴奏はみんながやってね」


 そこからは歌の練習、伴奏の練習、手遊びやダンス練習、大紙芝居が出来たら、声優練習。裏方がまた足りないじゃないのか?うわー、頭を抱える僕。


「どうした、ケビン。どのようにしているか、休憩がてら見に来たよ」


「父様、ライアン様、オスカーお祖父様、アルお兄ちゃん、レオン!たすけてー」


 相談役が来てくれた。





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