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222 芸術スキルってすごい

 緊張の面持ちで自分の番を待つ音楽スキルを持つ人達。


 僕とイザークはまず見本となる曲をさまざまな楽器で弾いた。


 そしてメメルさん、ピアノ伴奏、イザーク、フルート、そして僕は歌。あれです。今回はタイタニック!俺の美声?を披露。タイタニックの映画を思い描いて歌い上げた。フルートの哀愁漂う旋律が僕の歌声と響き合う。


 はっ、女性陣、泣いておりますが!


 演奏が終わった後の拍手喝采。スキル持ちの人たちも泣いている。君達も感動できる心のこもった演奏を頼むよ。


「ケビン、イザーク、メメル素晴らしい。イザークのふるーと?だったか?ケビンの歌声がより一層哀愁ある歌声に変えたよ。メメルのピアノも素晴らしい」


 ライアン様が大絶賛である。


「ケビン、すごいわ。感動してしまったわ」


 母様やお祖母様達が喜んでくれた。


「さあ、みんなの番だよ」


「「「「え?」」」」


 みんな尻込みしてしまっている。僕、やり過ぎたか?


「わ、わたし、やります。やりたいです。今まで親や兄弟達に役立たずと言われ、仲間外れることが多かったのです。見返したい気持ちと、皆を感動させたい気持ちがあります。わたし、ピアノを弾きます。この”ラブオブドリーム”という曲を弾きます。聴いてください」


 ピアリーノさん。フルーリさん。ヴァイオスさん。ビオラードさん。ハープバーグさん。トランペルナさん。オペラーノさん。テノルドさん。ソプラテスさん。アルトバルさん。


 それぞれ楽器や声楽を行った。素晴らしかった。聴いただけで弾いてしまうなんて。まだまだ気持ちを込めることができていないので、これからより良いものになるだろう。歌のお兄さんとお姉さんゲット。


 全部できるのはすごい。楽団を作るのもあり?指揮者のスキル持ちもいる?いてほしい。皆をまとめて演奏をしてほしいよ。


「みんなお疲れ様。凄いよ、凄いよ。聴いただけで弾くことが出来るなんて。後は練習をして感情を曲に載せたりすればより一層感動する曲になるのではないかな」


 皆が頷く。


「今は僕の喫茶店で音楽を披露したり、これからしようとしている子供達と一緒に歌って踊れるステージを頑張ってほしいんだ。あと今後予定している、ボールドウェッジ公爵領でお祭りをするのでそこでファンファーレを弾いて欲しいんだ。そしてゆくゆくはこの劇場で演奏してほしいリサイタルやコンサートをしたいと思っているんだ」


 父様や兄様達が首をかしげているぞ。


「ケビン、その子供達と歌って踊れるステージとはなんだ?そんな話出ていたか?」


「ん?いえ、さっき考えたのです。フェルおじちゃんが子供ルームにもピアノなどを置いて聴かせた方がいいのではと提案してくれて、子供達と歌って踊れて、ちょっとしたゲームが出来れば楽しいだろうな、と考えました」


「ケビン、企画書を出してほしい。どんな内容か、どんなものが必要かを示してほしい」


「はい、父様、ロナウド兄様。企画書作りますね。ゲームなども考えます。みんなで楽しく過ごせるように考えます。それには絵を描くスキルの人たちの協力が必要だから、よろしくね。みんな、絵が描けた?」


 思い浮かんだ情景、人の絵など様々だったがうまいな。そうだ、精霊達やリル、クルの絵を描いてもらおうかな。僕が刺繍で作った絵画風のやつを本物の絵画にしてもらおう。王城の周りを舞うルガリオ達をえぎてもらうのはどうだろう。


「ケビン、またニヤニヤしているよ。またみんなを巻き込むことを考えているの?白状したほうがいいよ」


 レックスが僕を問題児扱いする。酷い!


「レックス、酷い。別に変なことを考えていないよ。ただ王城に舞う精霊たちを描けば未来永劫、精霊達がいたことを示せるなあと思っただけだよ。まあ、それはルガリオ達に了解を得られないとダメだけど」


 とりあえずみんなの絵は素晴らしかった。僕の絵心とは天と地の隔たりがある。ガックシ。


「皆どうかな?うちで働く気はないですか?家族がいた場合、呼びよせて一緒に住むことが出来ます。単身者は単身寮があり、食堂が常に空いてますので食べることが出来ます。どうでしょうか?じっくり考えてこの書類に書き込んできてください。よろしくお願いします」


 僕は雇用形態、寮について、食事、健康などの事項が掛かれた書類ともし入社する場合は同意書の記載をお願いした。


「何か質問がある人はいますか?」


「はい、商会の別の部門で働きたい場合は可能ですか?」


「もちろん可能ですが、最低限の合格基準があります。それが満たせされているなら可能ですよ。何でもチャレンジは大事です。スキルを持っているからという理由で、それだけしかさせないということはしません。パンを作りたい、髪の毛のアレンジをしてみたい、花束を作りたい、いろいろあると思うのです。経験してみることはいいと思います」


「あ、あの、僕はその病気の母親と一緒に暮らしているのですが、それも東のスラム街です。こんな僕でもここにきていいのですか?かあさんを連れてここに来てもいいですか?」


 涙ながらに訴えてきた。おっちゃんとおばちゃんを見ると申し訳なさそうにしていた。


「お母さんは何か得意なことはあるの?」


 皆が病気の母親を働かせるのか、という目で見てきた。うちの家族はまたかという目だ。


「かあさんはちょうきんしととうげいかというスキルです」


「ちょうきんし?とうげいか?彫金師!金属を彫る。陶芸家か、良いじゃないか。君に家族寮を作るよ。でも場所は西側の元西地区スラム街だけどいい?」


「西側スラム街ですか?」


「スラム街といってももう変わってしまって普通の街だよ。君はまだ小さいからいろいろな大人達の協力を得たほうがいいと思うんだ。みんな温かい人たちだから協力してもらえればなあと思ったんだ」


「かあさんと相談します」


「お母さん連れておいで。待っているよ」


「は、はい」


 こうして、面談?は終わった。みんなどう感じたかな?来てくれるかな。ドキドキする。今回は家族寮などを見せなかったから純粋にうちに入社したいと思っていればと思っている。家族寮や温泉などは副産物なだけ。あとはやる気だ!じっくり考えてね。



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