215 外を見ると一大事!
オープンは10時から、みんな来てくれるかなぁ?ドキドキする。
全く人がいなかったらどうしよう。でも、それはそれで初日に来店してくれた人達に感謝のおもてなしができるからいいのかな。
バタバタと忙しそうな足音が近づいてくる。どうしたのだろう?
「ルーク様、ロナウド様大変です!人がいっぱい溢れかえっております。どうすればいいですか?オープンまでまだまだ時間があり、こんなに人がいては周りに迷惑がかかってしまいます」
えー、そんなに人がいるの?大変だ、一番肝心なことを忘れていた。並ぶ場所だ!それぞれの並ぶ列を設ければ良かった!あー失敗した。
「父様、今から並ぶ列をの整備をしなければいけません。はじめにどの店に行きたいかで並ぶ場所を決めましょう」
「ケビン、そうだな。並んでいる人が同じところへ行くことを希望しているわけではないからな。まずはじめだけは整備しよう」
急いで施設名を書いたプラカードと紐で並ぶ列を決め、整備員を配置させた。
やはり一番人気は美容、魔道具、お酒だ。遊戯に来ている人もいる。遊技場の担当はリバーシ、将棋の達人を置いている。我こそはという人は挑んで良しとしているので挑む人もいるかもしれない。後は相手がいない人の練習相手になったり様々だ。お年寄りの娯楽場にいいと思うんだ。そのうち、なんとかカップなる試合をしてもいいと思う。競い合い、高め合ってほしいと思う。
準備をしていたレオンが興奮してやってきた。
「ケビン、魔道具並びがすごいよ。あと予約対応を今日はドバイン様とセドリックが対応するようだよ。僕でも説明ができるように全て覚えたよ。楽しみだよ。休憩の時にケビンのところに行くね。またね」
レオン、生き生きしているよ。髪の毛や目の色は普通の茶色で、王族には見えないから、余計本当の自分を出しているように見える。イケメンはイケメンだけど。かわいい系のイケメン。
さぁ、僕の方も準備は整ったけど、来店してくれるかはわからない。アルお兄ちゃんと一緒に開店準備をしているんだ。深みのある茶色で、目は碧にしているんだ。メガネをかけているけどイケメン感は半端ない。
料理長、ランドル、グリムそして領地、王都タウンハウス、西地区の料理人達が手伝いに来ている。フードコートの料理人の指示をしているのだ。
今、僕の喫茶店にいるのは料理長とグリムなのだ。喫茶店の料理人はおっちゃんの一番下の息子オルフェさんとお嫁さんのニーナさんがここを切り盛りしてくれることになったんだ。コーヒーの焙煎からテイスティングなどを習得しコーヒーマイスターになったのだ。そんな称号は存在しなかったので俺が命名した称号を作ってしまった。コーヒーマイスターの道は辛く険しいもの、ではないが、コーヒーが好きで、味のわかる人を段階別に評価してマイスターの称号を得るのだ。焙煎、エスプレッソマシーン、ショーケースはもちろんイーサン兄様達魔道具師に作ってもらった。いつものようにこんな感じと丸投げだったけどね。このショーケースはアンジュ様達女性陣の熱烈な希望よるものだ。魔道具師達が頑張ってくれたんだ。
うぅぅ、だから希望のお喋りができ、お茶が楽しめるお茶会のようなスタンスの喫茶店も併設している。僕のこの静かな空間の喫茶店とは180度違うコンセプトの喫茶店だ。そこは紅茶がメインだが、コーヒーも置いてある。あとは小さいケーキがいくつも選べるアフタヌーンティーのようなものだ。ここの料理人はパティシエがメインだ。色々なデザートを作ってね。チョコレートショップと連携しているのでもちろんチョコレートケーキも出してるよ。僕、期待に応えられるよう頑張りました。これだけは言える、本当に僕、頑張った。もちろんイーサン兄様達も頑張った。
並ぶ場所を見ると女性陣が並んでいる。美容の方に並ばすこちらのデザートの喫茶店に並んでいる女性陣も多い。これは時間制限を設けないと居座られるな。計画変更だ。帰りがけは雑貨店が見られるようになっている。髪飾りやポシェットやぬいぐるみなどが置いてあるのでちらっと見ていってね。出口は雑貨店を通る仕組みだ!どこかの販売戦略のパクリ。これいいかもと思って手に取ってくださいね。
僕の喫茶店はそこそこ並んでいるかな。このぐらいがちょうどいい。多くなくていいのだ。
うちの静かな空間のウエイターは孤児院の大きい子供達をバイトで雇っている。読み書き、計算ができ、接客態度を習い、ウエイターとして働いてもらう。ゆくゆくは自分の好きな道を探して巣立っていって欲しいと思っている。そのための足掛かりになればと思い経験させようとしているんだ。
時々ピアノ演奏をする。スケジュールは入り口に張り出してある。イザークは演奏することを楽しみにしている。恥ずかしがり屋だったイザークの変化なのだ。演奏の時は人が違う。スキル持ちはこういう人が多いのかな。
それにしても人が多い。さあみんな気合を入れていくよ。
「父様、ロナウド兄様、とうとうオープンですね。ワクワクしますね」
「ああ、そうだな。こんなに人が来ている。この人たちは期待して来ているのだ。その思いに応えていこう。皆で一丸となってこれからもやっていこう」
父様が従業員みんなに挨拶をした。
「「「はい!!!」」」
今度はロナウド兄様だ。
「王都店のオープンすることができました。皆さんの頑張りのおかげです。そして、お客様のニーズに沿ったものを提供していきましょう。そして困ったことや変えた方がいいと思うことはどんどん報告してください。皆で商会をより良い商会に育てていきましょう。よろしくお願いします」
拍手が沸き起こった。うんうん、みんなでより良い商会を作っていこう。
さぁ、本当に開店です!
「「「「「いらっしゃいませ」」」」」




