214 やっとだ!
フォーゲリア商会王都店がやっとオープンする運びとなった!祝オープン!パチパチパチ。
昨夜土壁をデリートしてもらい、ジャジャーン、王都店が出現。明日の朝、周辺はびっくりするだろうなぁ。
複合商業施設。魔道具(寝具)、美容(ポーション有)、お酒、レンタルドレスと美容室、ボールドウエッジ公爵領産チョコレート販売店、おもちゃ売り場、リバーシ・将棋遊技場、フードコートと俺の雑貨屋兼喫茶店(アニマルセラピーは期間限定)が入った商業施設なのだ。隣に音楽・展示場をこれから作るんだ。ボールドウェッジ公爵ライアン様が芸術施設を共同で運営したいと申し出てきた。だからこれからその施設を作り、芸術スキルを持っている人達の面談をするんだ。その時はイザークと一緒に面談するんだ。
あれからイザークに曲を楽譜にしてもらった。曲がいろいろあるのは楽しい。ジェラルディン様にいっぱいリクエストされミニリサイタルを敢行させられた。こういったのを芸術施設でやりたい。音が響くような施設にしたいな。平民も音楽、絵画に触れ合う機会を作っていきたい。そうそう、なぜ魔道具部門に寝具を置いたかは、電動ベッドを作った関係で一緒に売りだすこととなったのだ。普通のベッドも置いてあるので一緒にご購入してもらえるよう戦略を考えているんだ。
ありがたいことに、アルお兄ちゃん、レオン、フィルお兄ちゃん、イザークは数日前からオープンの手伝いをしてもらっている。なぜか国王陛下であるお祖父様が手伝いに来ているんだ。いいの?いいの?国王だよ!実現できるのは長老たちの協力を得て悪意あるものは入ることが出来ない様になっているんだ。だから安心してお祖父様はお酒の販売を手伝ってくれるんだ。お祖父様は3日限りという期限付きでケンおじちゃんに許してもらったのだ。そしてジェラルディン様も美容部門に来ている。フィルお兄ちゃんやイザークが行くなら私もとなり、一緒に付いてきたのだ。たぶん、絶対美容部門は忙しいと思うんだ。それにしても王族って自由人なの?
それは遡ることジェラルディン様、フランソワ様たちが帰る前に商会王都店の見学に来たんだ。魔道具、化粧品などをたくさんご購入していきましたよ。
「レオン、手伝ってもらうことは購入者にこの箱のボールを取ってもらって、番号の景品を渡してほしいんだ。それからこの来場者プレゼントも渡してね。まだやることあるけど大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。いっぱいお仕事ちょうだい」
「途中途中僕のところで休憩して。それから状況によって忙しいところで同じことをしてもらう場合があるんだ。だからいろんな店を把握してほしい」
「うん、魔道具の方は前みたから覚えているよ。でもまた新商品を置いたんだね」
レオン、覚えているんだ。魔道具も全部覚えていて使い方も把握しているんだ。魔道具にかける情熱はハンパないんだ。最近、魔道具士達を一緒になって議論しているもんね。魔道具大好き人間がここにもいる。
「ねえ、ケビン。僕も手伝いたい。面談の時に来るのならそのままここにいてもいいかなと思ったんだ。兄様はいったん帰るのはしょうがないけど僕はここにいていいかな?音楽と絵画をもう少しやりたいんだ」
イザーク、自信がついてきたね。怒涛の如く曲を教え込んでいる。そして絵を描いてもらっている。絵と言っても商会オープンのポスターとチラシを作ってもらっているのだ。そういった経験から自信がついたのだろう。
「うん、じゃあ、こっちにいる時は一緒に寝よう。クルもいるよ」
癒しのクルさんがいれば寂しくないと思うよ。
「はあ、イザーク、兄様寂しいではないか。ケビン、一旦送ってもらい、手続きしたら一緒に戻るから待っていてほしいんだ。そうすればイザークが寂しがらない」
フィルお兄ちゃんも弟想いの優しいお兄ちゃんだ。アルお兄ちゃんとレオンも仲良しだし、兄弟仲がいいのが一番。
「大丈夫、待っています。イザークが夜寂しがってトイレに行けないと困るので待ってます」
「ケビン、僕は夜トイレに行けるよ。変なこと言わないで、もう」
ということで、今、それぞれの部門の制服を着用し、オープンに向け従業員研修をしている。アルお兄ちゃんは俺の店の喫茶店のウェイターだ。卵はカゴを作り、リルクルコンビのセラピー兼喫茶店兼雑貨屋さん。髪飾りなどを置いているのでちょっと見に来て、犬猫で癒され、アルお兄ちゃんのイケメンウェイターで喫茶店が繁盛するのではないかともくろんでいる。勿論アルお兄ちゃん達は髪色、目の色、髪型を変えているからまさか王族とは思わないだろう。
「オスカーお祖父様。本当にここで働くのですか?」
「もちろん、髪色も変えたし、眼鏡とソバカスをしているから国王と分からないだろう。ここの温泉に入り若返ったようなかんじなんだ。楽しいな、ロイド、ライアン」
ライアン様もこちらに来ているのでステファン様大変だろうなあ。フレッド様はうちの管理職だしステファン様がんばれとボールドウェッジ領の方向に合掌した。
そしてロナウド兄様の想い人、ステーシー様とお母様カティさんが商会に就職したのだ。領地の商会か王都で働くかはロナウド兄様との仲の進展状況により変わってくると思う。今は王都店で働くことになっているので、家族寮を作った。ロナウド兄様は忙しい中でも時間を取って愛を育んでいるのだ、ケッ、リア充め。器用な兄様だ。イーサン兄様の想い人ライザ様もそのうち来るのだろう。結婚の方でね。話が進んでいるんだ。イーサン兄様の方は展開が早いんだ。
それは追々状況をご報告します。とりあえず今は商会オープンに成功させなくては!
うちは貴族だからという理由で優遇は致しません!と言いたいところなのだが、貴族交渉部屋、貴族予約対応や貴族専用食事ブースなどを設けることとした。これはボールドウェッジ公爵ライアン様にどうしてもとお願いされたのだ。予約が取れなかった場合は一般客と同じように並んでくださいとした。当日貴族だから何とかしろという戯言は聞きませんと注意事項に載せてある。出禁です!
さあ、オープンです!やっとだ!




