206 これがうちです
お祖父様が寂しそうに見送っていた。第二王子ルシアン様や第三王子クリフォード様はお祖父様の肩に手を置き慰めらながらみんなを見送っていた。ケンおじちゃんが休暇になるため2人が留守番組になったのだ。
対象的にお祖母様やジェラルディン様は笑顔で手を振り、子供達も塩を塗るかのように笑顔で楽しんできますと言っていた。
僕を寂しそうに見つめるお祖父様。目を反らし仕事頑張ってくださいとしか言えない。
大移動である。そうみんなで転移です。護衛騎士や侍女達は不安そうな人もいればワクワクしている人もいる。
「それでは行きまーす」
先にリルに結界を張ってもらっているので、領地の敷地内は安全である。
あっという間の移動。風景はのどかな田園風景。ただし屋敷の方を見ると、ボロい屋敷と近代的なガゼボ?、酒蔵、魔道具施設、美容施設、鍛錬場、社員寮が並んでいる。屋敷のボロさが目立つよね。いい加減、外装を新しくしますか?
父様達がお出迎えだ。
「ようこそ、フォーゲリア領へ。皆様の滞在する屋敷にご案内いたします」
まずケンおじちゃん一家の住まい。ジェラルディン様一家の住まい。そしてフランソワ様の住まいを案内した。つかみはOKだ。特に女性陣はアメニティとお風呂を気に入ってくれた。男性陣は酒蔵が気になるらしい。次は僕達に屋敷。ダニーお兄ちゃん(ダニではなくダニーと伸ばすことにした)たちは愕然としていた。先ほどの家より明らかにボロ。なぜこの家なんだ!という目で見られたてしまった。これがうちなんです。
いいのだ、いいのだ。見た目ボロでも中は快適なんだよ。見た目に騙されてはいけないよ。でも、大お祖母様とお祖母様、第二王子の女子たちはガゼボ?に部屋を追加したんだ。ガゼボ?の方にと伝えたら目を輝かせて喜んでいた。それから中を案内した。
「これは!天井に絵画、本物の空のようだわ。凄い天井だわ」
ジェラルディン様が感嘆していた。僕の自信作といっても俺は作ってないが、魔道ランプのリモコンだ。ボタンでON、OFFするのだ。これにはケンおじちゃん達大人男性陣が興味を示していた。
「イーサン、このりもこん?は王都の商会で披露するのか?あと冷蔵庫も売り出すのか?」
「そのつもりです。リモコンの方は簡単に設置できるので売り出そうとしています。冷蔵庫は店頭に出しますが売れるかどうかはわからないので大体的には宣伝はしないです」
「いや、売れるだろう!お前達はマジックバッグを持っているから利便性を感じていないと思うんだ。全く、フォーゲリア家は常識を持て」
ケンおじちゃんにそんなことを言われた後、父様や兄様達は僕を見るんだ。なぜ見る?僕はいつも言っている、常識人ですって!
最後は我が家を紹介だ。中に入ってびっくり。ホールは広く、ダイニング、厨房、執務室、そしてイーサン兄様、ロナウド兄様、ダニーお兄ちゃん、エディお兄ちゃん、レックスと僕が一緒の部屋にしたんだ。寝るだけだよ。最後は大浴場、サウナ付き。
「これで汗をかいて不純物を汗で流すのか?こちらに入りに来て良いか?」
ケンおじちゃんと大お祖父様が興味を示した。大お祖父様はこの屋敷にいるのでいつでも入りたい放題だ。きっとうちのお祖父様と入っているのだろうな。
「中はすごく過ごしやすい部屋ばかりだね。よかったよ。みんなで寝るんだ。楽しみ」
エディお兄ちゃんが実直な感想を述べていた。第二王子ルシアン様とお母様が来なくて大丈夫かなと思ったけど気にしていないようだ。ここにいる間はいっぱいお風呂に入ったりしようね。
護衛騎士たちはうちの騎士団の宿舎に行ってもらうことにした。食堂やお風呂、鍛錬場などあるので空き時間にどうぞ使ってくださいね。フィリス騎士団長に使い方や過ごし方、そして、これ重要、お風呂に入って、決して傷が治ったや女性騎士たちの肌が良くなったなど騒ぐことがないようとお願いした。うちのは不思議風呂だから初見の人はビックリというかみんなびっくりだよね。騒ぎ立てないようにお願いします。
女性陣は疲れを癒すためにお風呂へ行き、その後女性だけのお茶会をする。大人の男性陣は酒蔵へそそくさと行ってしまったよ。まったく。
さて僕達はこれから外のグランドで自転車試走会をするんだ。レオンは乗ったことあるけど、レックスやイザークは見たこともない乗り物だろう。うちの騎士団達に補助をお願いしていざ子供自転車に乗る。ダニーお兄ちゃんやエディお兄ちゃんも初めてだから補助輪付き。
「なんだ、これは。これに乗って、足でこぐ?漕ぐってなんだ?」
アルお兄ちゃんが乗り方を見せる。
「これって、自分の足で動かすんだな。これは面白い」
ダニーお兄ちゃんとエディお兄ちゃんもすでに補助輪を取っているんだ。護衛騎士たちもすでに乗りこなしている。早いよ。うちの騎士団と競争しているし、まったくリルの結界があるから安全だというのは分かるけど楽しみすぎだよ。フィルお兄ちゃんの乗れている。後はイザークとレックスが補助輪なしで乗れればいいのだけど、二人は補助輪ありでも楽しんでいる。グランドを何周も走っている。俺とレオンも並走する。
「楽しいね、ケビン。この自転車は本当に楽しいよ。自分のペースで漕いで風が気持ちいいよ」
イザークが楽しそうに自転車に乗っている。いつも内にこもって自分を表さないけど、今は自然体のイザークだ。フィルお兄ちゃんが嬉しそうにイザークを見ている。
「イザーク。一緒に並走しよう。気持ちがいいな、イザーク」
アルお兄ちゃんとレオン、ダニーお兄ちゃん、エディお兄ちゃんとレックスも一緒に並走している。
「ケビン、楽しいな。皆も楽しそうだ。とうさまや、母様達はそれぞれで昼食をとるそうだ。我々も皆で昼食をしよう。どこで昼食を取ろうか?」
「そうですね、湖の近くでバーベキューをしましょうか。僕達は自分で自転車に乗ってはダメですよね」
兄様達は首を振る。
「ケビン達は子供椅子付き自転車だ。ケビンは私が乗せる。アルはレオンを、ダニエルはレックスを、フィルはイザークを乗せて湖でバーベキューをしよう。
今度は子供椅子付き自転車を兄達が試乗していざバーベキューへゴー。




