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204 家族集結

 家族が全員集結した。


 僕達はフランソワ様とジェフおじちゃんを連れて王宮に戻った。家族みんなが待っていた。ちなみに女性陣はおばちゃんとは絶対言えないのでお名前で呼びます。


「「「「「フランソワ」」」」」


 フランソワ様はみんなの姿を見た途端泣きだしてしまった。ジェラルディン様は泣いているフランソワ様を抱きしめていた。そしてそれを皆が取り囲んでいた。温かい家族の絆だ。


 ジェフおじちゃんが皆に心配をかけたこと、離縁は絶対しないこと、そしてこれから仕事を調整しフォーゲリア領へ静養に行くことを伝えた。


「ケビン、家を作ってくれるのだろ?」


 一斉に僕を見る。もうこのくだりどうにかして。僕の名前を出さないでほしい。こっそり言ってほしい。うちの家族は苦笑いだよ。フランソワ様を静養し、心身ともに癒してもらって、その後、商会王都店を開店させるんだ。開店が遅くなっているのだ。従業員一同今か今かと待っているのだ。


 裏庭にみんなで行き、父様、イーサン兄様、ロナウド兄様、アルお兄ちゃん、フィルお兄ちゃん、レオンのマジックバックに入っている家を出してもらい、フランソワ様にどんな家が良いか決めてもらおうとした。


 そこで待ったがかかったのがフェルナンド様だ。


「フェルおじちゃん、どうしたの?」


 おじちゃん呼びをすると眉がピクッピクッとするが気にしない。


「うちのフィルズのもそうだが、なぜこんなにマジックバッグがこんなにあるのだ。特にフォーゲリア家は全員持っているなんておかしいだろ?」


 ここは知らぬ顔だ。コテンとクビを傾げた。はて?誰も何も言ってはいけないよ。ダメだよ。父様と母様は苦笑い。兄様達は目を逸らしている。そうあのフェルおじちゃんの眼力に捕まってはいけないのだ。


「ジェファーソン、お前はなんで持っているのだ」


「え?あーそれは借りているだけだ」


 と言って僕を見るジェフおじちゃん。助けの声はケンおじちゃんだ。助けなのか?暴露なのか?


「ぷぷっ、ケビン、もう無理だよ。とぼけても無理な感じだな。俺も不測の事態の時のためにもらったが、これはケビンが作ったマジックバッグだ。ケビンは生産スキルと収納スキルを持っているからその融合で作れたのかもしれないが、それはどうしてだか私にもわからない」


 片眉を動かして僕に説明を続けるように示した。


「うーん、僕もわかりませんが、袋やポシェットを作って、その中に収納を入れ込むイメージで、それも大きさをこの部屋などイメージして入れ込んだらできてしまったのです。魔力量は大きさによって搾取されますが。でも収納スキルや空間魔法が使える人はみんなやらないだけで本当は作れるのではないのですか?でも魔力量が少ないとできないかな?どうだろう?」


 うちの家族が笑い出した。


「そうだな。ケビンはいつも魔法はイメージだというからな。イメージで土の槍、土壁を地面から出したり、氷の槍をだしたりさせられているな。うちの騎士団員達も剣と魔法の融合の戦い方を訓練しているよ」


 ロナウド兄様、それは言わなくていいのではないか?うちの騎士団しかそんなことをしていないような気がするから。話がまた逸れていくよ。どんどん違う方向へ話が進んで行ってしまうから余計なことは言わなくていいんだよって、”おまいう”と言われそうだ。


「待て、ロナウド。なんだ、その魔法は?地面から槍や壁が出てくる魔法なんて知らない。一体どうやって、あっ、フォーゲリア商会の王都店は土壁で覆われていた。たれは魔法で作ったのか?」


 ほら逸れた。ケンおじちゃんが真剣な眼差しで聞いてきた。僕はイメージです、とだけ伝えた。元々僕は魔法は使えないので、僕に聞かれてもしょうがない。


「今度フォーゲリア領へ行った時に試させて欲しい」


 はい?ん?ケンおじちゃんもくるの?うちに。


「何ケビン不思議がっているのだ。私の家族はみんなで行くに決まっているだろう。レオンハルトを招待したではないか。我々は家族旅行として行くことにする。たまたまフランソワとジェファーソンがフォーゲリア領地に滞在しているというだけだ」


「ケビン、一緒に遊べるね。あっ、僕仕事の手伝いするよ。あの計算ドリルと収支ドリルをしていたから僕も仕事を手伝うことができるよ。僕の家庭教師が言っていたんだ。あの収支をマスターすればどこの事務官にもなれます。私も事務官試験に受かりましたと言っていたんだよ。その家庭教師はケビンの商会の事務官に採用されたけど。また新たな家庭教師が来るけど、これをやらせるとケビンのところの事務官になれるみたいだよ。ふと思うんだ、僕は家庭教師をケビンのところの事務官に育てる手伝いをしている気がするんだ」


 あれ?収支がわかる、即戦力になる優秀な事務官が来るとブラッドとトルシエが言っていた。あれはレオンの家庭教師?レオンの家庭教師を奪いかねない。


「レオン、あのドリルは家庭教師にさせない方がいいのではないの?」


「ん?でも僕が悩んでいると一緒に悩んでくれて、結局家庭教師の方ができるようになるんだ。どんどんドリルの先に行ってしまうんだよ。やり始めると楽しくてしょうがないみたい。学園の事務官コースを卒業した人にとっては分かりやすく覚えやすいドリルみたい」


 ケンおじちゃん、ジェフおじちゃん、フェルおじちゃんがギロリと僕を見る。この話は後にしてください。


「もう、あなた達仕事の話になってしまっているわよ。私たち家族も一緒に行くわよね。フランソワ1人になってしまったときに姉妹がいた方がいいわよね?お母様も行くわよね。お父様はお仕事をなさってくださいね」


 なぜだ、なぜなんだ。みんなが来るって!でもお祖父様は連れて行かないんだ。お祖父様が僕に助けを求める顔をしたってわからないよ。


 父様と母様も収拾がつかなくなりどうすればいいのか途方に暮れていた。誰がこれをまとめるのだ?はぁ、しょうがないな、もう。


「僕の生産スキルで家を作ります。それぞれの家族で侍女、護衛騎士の人数を決めてください。リル、結界張ってくれるよね?」


 お腹いっぱいになり床に寝そべってゴロゴロしているリルを起こし尋ねた。子犬で可愛いのだけど喋りがおっさんなんだ。ギャップだが萌はない。


「はぁぁ、ふわぁぁ。ん?結界は張るぞ。レオンハルトの家族は我が守るからな」


「大きく張れるの?」


「我を誰だと思っているのだ?張れるに決まっているであろう」


 よし、安全は確保した。あとはクルだ。


「クル、転移ってもっと大人数で移動できるの?何回ぐらいできるの?」


「ケビンの魔力量が大きいから、人数は多く移動できるわよ」


 それはやってみないとわからないから一家族ずつ移動させよう。護衛騎士と侍女、メイド、料理人を連れてくるだろう。王太子一家はレオンが持っている家でいいそうだ。フランソワ様、ジェラルディン様たちは神戸の異人館のような外観、メルヘンだ。第三王子は奥様が妊娠中なので見送り、居残りのお祖父様を気遣い第二王子も後日行くとなった。たぶん貧乏伯爵家に行っても何もないと考えているのだろう。全員と言われても困るので良かった。大お祖父様、大お祖母様、お祖母様、王太子一家、ジェラルディン様一家そしてフランソワ様ご夫婦、第二王子の子供達がうちの領地に来ることが決まった。大お祖父様、大お祖母様、お祖母様と第二王子の子供達は僕達の館に住まう。見た目ボロだからどう思うだろう、ニッヒッヒ。


 さっそく領地に家を作りに行こう。ルーアンを連れて領地に戻ろう。ブラッドは王都商会が開店して慣れた頃戻せばいいかな。それとも王都の方がいいのか。トルシエ一家を領地の配属すればいいのか、うわー、人事を考えないといけないのか。僕、マジ忙しい?


 父様、兄様達は言わずもがな一緒に領地に戻り、整備をするだ。急ピッチに事を進めないといけないのだ。ジェラルディン様達は隣国に帰らないといけないのだから。これ以上僕をこき使わないでほしい。




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