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20 精霊様たちへのおねがい

 Said 土精霊たち


「長老様、ここです。この土地です。僕たちが見つけたおいしい魔力が入ったお菓子をくれる土地です」

 いつもにメンバー精霊が案内した。


「バカモーン!お前たちはお菓子につられてここにいつも来ているのか?」


「えっ!長老だってあのお土産で持ち帰ったお菓子につられてここにきているのではないのですか?」


「バカモーーーーーン。私はお菓子などでは釣られない。ただ、このお菓子に魔力が入っている。このおいしい魔力を持つものがどういう人間なのか知りたかったでけだわい」


「長老、さっきおいしいって言いましたよ?」


「違うわい、魔力が心地いいということだわい!決してお前たちのようにお菓子で釣られているわけではない。それにお前たちがその土地にどのようなお礼をしているのか気になっただけだわい。過ぎたるは害になる。それを見定めるためだわい。分かったか!」


 いつも行っているメンバーは胡散臭げに長老を見た。ほんとかいな、とツッコミを入れたくなるそんな心境だった。


「この家にはいい魔力を持った人間がたくさんいるわい。かなり魔力が多いのが2人か。ほぉ、この国の王女がいるのか。いい植物の種を作り出しているわい。ほー」


「なっ、長老、ここいいだろう。僕が見つけたのさ」


 いつものメンバーの一人が得意顔で長老に進言したところ、その母親らしき精霊に頭を小突かれていた。


「長老様になんていう口の利き方なの!そんな子に育てた覚えはないわ。謝りなさい」


「よいよい、そんなに怒るでないわい。では、参るか」


 部屋に入るとなんじゃこれは。たくさんのお菓子、料理、ジュース。そしてなんだ、この馬?乗り物?


「こりゃー、皆先走るな。どんな罠が仕掛けてあるかわからぬではないかい。お前ー、すでに食べ始めるなー!こらー、お前たち遊ぶでない。おまえたちーーー、もう勝手にしろだわい。わしゃも食べるだわい」

 

 お菓子、料理、ジュースに群がる精霊たち。総勢50人。誰もが志願した。選抜するのが大変だった。ここを見つけた精霊の家族たちはもちろん、ほかに行きたい精霊たち多数。


 まったく好奇心旺盛な奴らが多くて困る。安全は先に来ていた者たちで分かっていたから安心してこの土地に来たのもある。他の知らない土地なら皆躊躇する。しかし今回は安全・安心感があったため大所帯になってしまった。


 しかし、目の前にあるこんなたくさんの食べ物。それも心地の良い魔力入り。癒される。


「長老様、手紙があります。私には読めませんでした」


 精霊上位クラスは人間の言葉が分かる。それだけ修行や鍛錬をしたということだ。


「人間の言葉が分かるのは上位精霊のみだからな。すまんな、ありがとう。ほー、わははは。お願いか?催促か?そうだな、急成長させるより豊作する土地が良いか。長い目で見ればその土地の方がいいか。なるほど、お前たちが成長させた後、土地に魔力を流したようだな。いい具合に魔力が浸透した土地になっている。いいではないか、お礼にこの土地に祝福を与えておこう。お前たちはここに住むのか?」


「えっ!住んでいいのですか?やったー。毎日遅くに帰ると母ちゃんたちに怒られてばかりいたのです。まあ、たまに家に帰るぐらいがちょうどいいのですよ」


「お前たち、ほぼここに住んでいるだろう。お菓子や料理を毎日食べているだろう!」


「長老から言質が取れてよかったです。心置きなくここに住んで、お菓子が食べられます。あざーす」


「お前らは全く。修行を必ずしなさい。食べてばかりではだめだぞい。時々お前らを見に来るわい」


「長老、その時は先ぶれお願いしますね。ケビンにお菓子多くしてと伝えるので」


「全くお前たちは。どれケビンとやらはどんな子なんだ。見ていこう」


 長老と上位精霊たちといつものメンバーは寝ているケビンを取り囲んだ。


「良い魔力だと思ったら、あちら側の魂が入り込んだ人間だわい。なるほどな、面白い。王家の魔力も入り込んでいる人間か。あははは。これはこれから楽しみだわい。お前ら、帰るぞ」


「えー、やだ、もう少し遊びたい。このブランブランするやつ面白いよ」

「この滑るやつも面白いよ」

「この作ったおはなきれいよ」

「僕はまだ食べたい」

「お外、遊びに行っていい?」


「お前たち、自由過ぎるわい。ではもうしばらく遊んでおれ。まったく。いい魔力が漂っているこの土地でのびのびしおってからに。それにしても、心地いい土地だ。王家の王女の魔力も種を通して土地に浸透している。2人の魔力が心地いいのだな。あははは。ルガリオ達も我々の土地でくすぶっていたから、この土地でのびのび過ごした方がいいのであろうな。あやつらはここまで遊びに来ていたとは、まったくやんちゃ過ぎる。ここでやんちゃし過ぎないでほしいな」


 あちら側から来た魂を持つ者へ

 魔力、お菓子、料理、遊び、すべてのもてなし感謝する。今後ともいい魔力を流してくれ。我々はそれを糧に協力していこう。今後は上位種のルガリオを中心にこの土地を世話する。ルガリオ達数名はすまん、やんちゃだがいい働きをすると思う。あやつらをよろしく頼む。やんちゃ過ぎたら私を呼んでくれ。ルービエンス来てと念じてくれれば参るぞ。時々、突撃視察に来る。その時は連絡する。あやつらには内緒でな。その時はお菓子と料理を頼む。これからお酒を作るなら、その酒でも良い。                             長老ルービエンスより


 ケビンと土地に光の粉を振りまき、この土地を後にした。帰るのを嫌がる子供たちを抱えて帰った。お土産と共に。



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