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189 あれ?またまたまたやっちゃったか?

 現在、ドレス部門は大忙しだった。


 カルコーマの糸がドレス部門の機織り工房に持ち込まれた時震えが止まらなかったと生地部門の工房長であるオリビアは振り返って言っていた。作った生地がこう光沢のある非常に滑らかな肌触りの良い生地が出来てしまったのだった。


 リアカルコーマは青みがかった白、コットカルコーマは真っ白、純白、そしてレイカルコーマはシルバーなのだ。他の領地にもカルコーマがいたらピンクや碧なんてあるのだろうか?


「これはオルコット侯爵ヴィンセント様とスティングレイ辺境伯トーマス様、そしてボールドウエッジ公爵ライアン様を呼ばないとダメだろうなぁ?フレッド様。たぶんうちの手に余る事案だと思う。我領地のカルコーマ、ケビンがいうリアカルコーマは我領地でなんとか生産できますが、他領のことは独自でお願いしたい」


「そうですね、ルーク様。父上、オルコット侯爵様、スティングレイ辺境伯様に報告しましょう。これほど素晴らしい生地ができるなんて思いもしなかったです。女性達はデザインで盛り上がっていますね」


 遠い目をする際フレッド様。僕もあそこの中に入ることができない。ただ、新たなデザインを記載したスケッチブックを渡しているので呼ばれることが多い。そして男性陣も寸法を図るため呼ばれていた。僕のデザインをざっくりと形にしては歓喜していた。特に父様の騎士服を母様はよろこんでいた。かっこいいでしょう!俺のマント付きデザインを父様にも作っていて、これまた女性陣はキャーキャー言っていた。足の長さを強調するデザイン、もちろんアンジュ様はフレッド様の分もデザインしていて惚れ直していたとかなんとやら。


 僕は刺繍を頑張っんだ。襟淵から裾まで金の刺繍糸でデザインしたんだ。やりすぎ感はある。しかーし、これぞファンタジーな貴族服。イッケメーンになった父様。母様、惚れ惚れするでしょう!


「これはなんともすごい服ですね。今までにない貴族服ですよ。今までも貴族服が野暮ったく見えますね。どうしましょうか?家族で会うというコンセプトならいいのでしょうかね?」


「ケビン、これがお前が考えた貴族服なのか?」


「そうです。王宮に行く時の貴族服は見たことがなかったので、僕が想像した貴族服です。スキルが教えてくれました。それに今回は家族でという趣旨と公の場ではないのでこのような貴族服を作りました!レオンは僕とジュリとお揃いで色違いのを送りました。王太子殿下家族にはこれよりももっと豪華なデザインを渡しておきましたよ。クルが届けてくれました。クルは王太子殿下妃のアリステリア様と仲良しなのでお渡ししました!喜んでくれていました。アリステリア様は金色のドレスなので被りません!」


「「「は?」」」


「ケービーン、お前、何をやったのだ?ん?すでにお渡ししたってなにを?」


 父様、激おこ?


「え?うちだけじゃ目立つので、ケンおじちゃん一家の貴族服とドレスを豪勢にしましたよ。大丈夫です、うちはこれでも控えめです。僕、頑張りました!」


「ケビン、報告は?相談は?連絡は?ないではないかぁぁぁ」


「父様ごめんなさい。服だからいいかなぁと思ってしまったのですがあれ、だめでしたか?レオンからアリステリア様に話がいってしまい、アリステリア様がノリノリだったのでデザインを何回も描かされました。ヘトヘトです。でも、糸は王家の森のカルコーマですので大丈夫です。うちのは使ってません!」


「「「おうけのもり?」」」


「モーリ達が取ってきたので王家の工房でチョロっとやってみました」


「ちょろ?ってなんだ?まーさーか、転移したのか?」


「違います、リルがレオンを伴ってピューって途中まで迎えにきてくれました。でも、帰りはクルさんが」


「お前達、一体何をやっているのだ!ケンドリック様は知らないよな?」


「たぶん?どうだろう?はて?」


「お前達、この悪ガキどもが!リルクルの件はケンドリック様と話し合わねば。お前達本当に何しているのだ!2人と2匹が揃うと何かしら問題が起こる。頼む、終わるまで静かにしてほしい」


「父様、大丈夫です。もうケンおじちゃん一家の分は終わったのでもう何もしないです」


 お前のいつもの大丈夫は大丈夫ではないんだと諦めたような父様。


「ケビン、ケンドリック様の貴族服は豪華なのか?」


「はい、濃紺地に臙脂色と金色の配色で肩の片方にマントをつけています。ゴージャスです。アリステリアさまは金色です。たぶん着てくれるはずです。アリステリア様が絶対着ていくと言ってましたので。だから父様達もこのデザインで大丈夫だと思います。かっこいい父様をアピールです。ちなみの王家カルコーマはアルバート様にお願いしてきました。機材の話し合いは父様かイーサン兄様もしくはフレッド様のところへ連絡が来るかもしれません。その時はよろしくお願いします」


 3人は呆れて言葉が出ないようだ。はははは。


 まさか王家の森というのがあってカルコーマがそれも金色なんて知らないよ。出来てしまったものはしょうがない。アリステリア様は非常に喜んでいたのでアルバート様にお任せしてきた。アルバート様はなぜ俺?となっていたが、王太子のケンおじちゃんはリルとクルと精霊達の対応で忙しくなると思うんだ。次期国王陛下だし。少し?だいぶ糸をもらってきたから父様達の刺繍に使ったんだ。これは内緒だよ。


 それから、迷惑料ではないがフレッド様、アンジュ様は今度出席予定の晩餐会の服を考えてほしいとお願いされた。いつもご迷惑をかけているので作りますとも!任せてください!え?あまり豪華でなくてよい?いえいえ、かっこいいフレッド様、キリリと美しいアンジュ様を演出いたしますよ。楽しみだ!


 もちろん、デザインがを提出いたします。何度でも書き直します。お任せあれ!



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