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19 精霊様へ手紙を書きました

 慌ただしく、それでいてウキウキしながらみんなで用意した。用意するお菓子や料理は俺の魔力入りにするため、頑張った。いっぱい作った。自分で自分を褒めてやりたい。やり切ったよ。言い出しっぺだから最後までやりきらないといけないからね。


 テーブルクロスも今回はパッチワークで作った。パッチワーク・ヘキサゴン。リボン刺繍、レース編み付き。可愛すぎたか?母様とお祖母様は大喜びだった。母様、お祖母様、イーサン兄様に作る約束をしているので、いろんなテーブルクロスがあることを知ってもらいたかった。クラウディア姉様にも送ろうという話にもなったので、この後も作るのに大忙しになるなあ。


 ただ問題が、僕の部屋の窓際に大きなテーブル、その上にお菓子、料理、ジュースがたくさん置かれた。俺はこの中で寝られるのだろうか。起きていてはダメなんだろう。でも、ずっと頑張ってきたから、眠い、これは寝れるな。


 夕食が終わり、就寝前にみんなにお休みの挨拶をした。心なしかみんなそわそわした感じだった。


「今日はみんなで準備でき楽しかったです。ありがとうございました。みんなの想いが精霊様に伝わってくれればいいなあと思ってます。精霊様達に手紙を書いたのですが見てもらえますか?」


 父様が読み上げた。父様、読み上げるのかぁ、恥ずかしい。


 ”精霊様へ

 本日、お越しいただきありがとうございます。

 お菓子やジュースを用意いたしました。ごゆっくりお寛ぎください。

 お世話になっているのにこのようなお願いをするのは大変恐縮ではございますが、植物の成長を一気に進めるのではなく普通に成長させていただきたいです。植物には植物の心があり、成長過程があります。そしていつでも豊作になるような土地にしていただく方がありがたいです。よろしくお願いします”


 なんだかみんなの目がまた残念な子を見るような目で見ている。最近多いなあ。


 父様が手紙を読み上げ終わり、僕をやはり残念な子を見るような目で見つめてきた。なんだか、ため息つきながら言ってきたよ。


「ケビン、この手紙は精霊様への催促の手紙か?」


「違うよ、父様。催促じゃなくお願いだよ」


 またもやみんなが、言葉が違うだけで同じじゃないかというような目で見ている。うーん、違うんだよ。催促じゃないんだよ。単なるお願いなんだよ。お・ね・が・い。


「そ、そうか。そうだね、急成長するより豊作の方がありがたいな。この手紙を置いてもいいと思うぞ」


 父様の了承を得た。これで準備完了だ。


「では、やすみなさい」


「「「「「「お休み、ケビン」」」」」


 ドアを閉める時にみんながため息をついている音が聞こえたが、なぜだ。手紙は書いた方がいいだろう?こちらの希望を書いた方が、精霊様だってわかりやすくていいと思う。


 ベッドからは離れているが、窓際に置いてある大きなテーブルにはお菓子、ジュース、料理などを置いている方を見る。本当に今日来るんだよな?来なくてもしょうがない。いつものメンバーが食べに来るだろうし。そのメンバーは帰っているのか?まさかここの住んでくれているのかな。それだったらいいな。そうすればもっと精霊様にとって環境の良い、楽しい場所を外に作ろうかな。


 ベッドに横になり精霊様の姿ってどんなだろうと思いを馳せた。俺的には七人の小人のようなイメージだが、もしかしたら、アメリカのエリア〇1の捕獲された宇宙人の姿だったら、それが土の中からぴょこぴょこ顔を出すんだ。モグラたたきのモグラのようにってちがーう。そんなイメージは違う。うーん、そう小人だ、小人。やっぱりハイホーだよ。いろいろな種類の鍬とスコップ、ジョーロ、猫車をもつ小人たち。いや、そんな原始的ではないだろう、魔法で出来るよな。俺みたいな体外魔法が使えない精霊なんていないだろう。ははは。考えていると目が冴えていってしまう。無心だ。


 今日は楽しかった。みんなで協力して作ったものばかりだ。料理人達、執事、侍女、メイド、侍従みんなが楽しそうに用意していた。こういうみんなで楽しめる催し物があってもいいよね。従業員と一緒に楽しむ機会。やっぱりゲームを作ろうかなぁ。


 またこれから作るリスト

 寝具

 テーブルクロス

 ミサンガ

 従業員のハンカチ、クラバット


 そしてゲームは異世界転生定番リバーシだよね。娯楽は大事。この世界には娯楽がない。家族みんなで楽しめればいいや。


 よし、寝よう。


 来てくれるみんな喜んでくれるといいな。


 僕はふっと眠りについた。



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