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186 教会案内と未来に向けて

 さてと、みんなでピザと肉まんとチョコパンを作ろう。


「みんなー、今度は料理を作るよ。手を洗って、パン種の前に集まって」


 みんな思い思いの具材を入れ、形にした。はじめピザはペトロに作ってもらった。パンタイプとクリスピータイプ。いつのまにかクリスピータイプを作れるようになったんだよ!


「これはピザという料理だよ。パン生地を広げて今度は自分の好きな具材を乗せて焼こう!大人達は小さい子供達の面倒を見てね」


 神父様、司祭様達も一緒に作って食べた。


「本当にありがとうございます。昨日から心踊ることばかりでこんなに幸せなことばかりでいいのだろうかと自問いたしました」


「神父様も司祭様も今まで子供達のために生活してきました。今後もこの子達みんなのことを見つめて支えてください」


「もちろんです。ところで教会の案内はいつ頃ですか?」


 そうだった、教会の案内がまだだった。


「みんな、焼いている間に教会を案内するよ。みんなも教会を掃除したりする仕事があるから案内するよ。料理長、グリム頼んだよ。他にスープなども作っておいてね」


「かしこまりました」


 それからはみんな呆然とそしてキョロキョロと教会内を見て回った。最後は礼拝堂の椅子にみんな放心状態で座っていた。天井を眺めていた。


「こ、これは、すごい」


「本当ですね。全てが芸術です」


 あれま、やりすぎかな。やりすぎだね。でも喜んでいるから良しとしよう。


「ケビン様、ありがとうございました。この建物に恥じない信仰と行いをしていきます。そして子供達を守ります。ではこれから皆で女神マルティナ様に祈りましょう」


 女神マルティナ様、少しは役に立ちましたか?お会いしたことはありませんが、みんなでこれからも女神マルティナ様を敬っていくでしょう。よろしくお願いします。みんな思い思いに祈りを捧げていた。


 そこにあの子達がまたやってきた。いつでもやってくるあの子達。


「「「うわぁー、光が満ちているよ。ケビン、パパ、ジュリ、ここは気持ちいい。さっきベリーを食べてきたんだ。とても甘かったよ。あとね、トーマスとグリムにお菓子もらったの。ペトロはピザを焼いていたよ。美味しくできているよ」」」


 精霊達が教会内を舞っている。


「こ、これは、精霊様?まさか、まさかいらっしゃるなんて!」


 いや、神父様、司祭様立ち上がってください。ヘナヘナと床に座り込んでしまった。それからみんな平伏してしまった。お願い、立ち上がってよ、みんな。僕は父様を見て父様に全てを委ねた。


「皆、立ち上がって欲しい。皆に紹介するから普通にして欲しい」


「ふ、普通なんてできません。せ、精霊様がいらっしゃるなんて」


「すまないが、朝も言ったが契約魔法を皆にしてもらうというのはこのこともあるんだ」


「は、はい、もちろん、ぜひ契約魔法をさせていただきます。厳重、強力な契約魔法を我々はいたします」


 いや、そこまでしなくていいんだけど。厳格な面持ちで神父様、司祭様が頷いている。


「皆もいいかな?すでにここの住人達は契約魔法をしてもらっているのだが、新しくここにきた子達はいいだろうか?」


 みんなコクコク首を縦に素早く振っている。首が痛くなってしまうよ。そこにクルさんまで僕を見上げて、私は?というような態度をしてきた。いや、これ以上はみんないっぱいいっぱいだろう?それにまだ王家に紹介していないからまだダメ。


「クル、まだ王家に紹介していないから、初めにこちらで紹介してはダメだと思うんだ。今は猫に徹して」


 僕達はコソコソとしゃべった。


「しょうがないわね。王家の紹介が終わったら子供達に紹介してね」


「分かったよ。クル。可愛い子猫なんだからそれに徹して。何かあったら、クロンに言って」


 クロンがギョッとしていた。頼むよぉ、クロン。


 外でも精霊達が舞っている。のどかな光景だ。外での農作業や紙の作業所、ジャム工房などを紹介した。


「ここは自給自足が出来るようになっているのですね。それに仕事がある。子供達や住人たちは生き生きと生活していますね。我々をここにお導き頂きありがとうございます。感謝しかございません。フォーゲリア伯爵様、ルーベンス様、ケビン様、ありがとうございます」


「みんなにもう一度伝えるね。これだけは忘れないで。悪巧みをしようとする者はもうここには入ることが出来ないからね。ここのお金、商品を黙って他の人に渡す行為、誰かに頼まれてこの商品に嫌がらせをする行為など悪巧みを考え、行動に移すことがないようにお願いします。やってしまったものは後悔しても元に戻すことが出来ないんだ。それをよく考え実行してほしい。君たちの人生は自分の行動一つで変わってしまう。後悔のない人生を送ろう。その為に僕達は協力するから。うちの商会は仕事が多い。だから育ってほしんだ」


「ケビン様、それは育ててこき使うということですか?ケビン様は仕事を増やす天才です。本当に人手が足りません。皆、読み書き、計算を頑張って覚え協力してほしい」


 やだな、ブラッド。僕はパワハラ上司ではないよ。


「ケビン様、お、おれ、あ、いや私も頑張れば商会や食堂で働けますか?」


 年長者の一人ルギアだ。食堂?


「ルギアは食堂で働きたいの?」


「は、はい、ピザや肉まんを作り楽しかったのでやってみたいと思いました」


 確かにさっき手先が器用だったな。


「何事にも挑戦は大事だよ。ここにいてグリムの手伝いをしてもいいではないか。手伝いをしながらやっぱり違うと思えば別なことに挑戦すればいいし、何かしたいと思うことが大事だと思うんだ。それはルギア自信が未来を考えたということじゃないか。良いと思うよ」


 涙を浮かべ泣き笑いをしていた。神父様達も泣いていた。


「みんな未来に向けて歩んでいこうね」


 皆力強く頷いていた。僕はにこにこしながらマジックバックから読み書き、計算ドリル、そろばんを出した。


「じゃあ、皆、勉強頑張うね!ビシバシ行くよ!」


「「「「えぇぇぇぇぇ」」」



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