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181 母様、兄と再会そしてクルさんや?

 あれ?誰かが駆け寄ってきたて僕の名前を呼ぶ。


「ケビン、こんなところで会えるなんてうれしい。クルも元気だった?」


「レオン?あれ、今日王都支店に王宮の使者が来るはずだったよね?レオンが使者なの?」


「使者?使者って何?王都を散策してから行こうとしていたの。父上に串肉店を紹介したんだよ。クル元気だった?」


「ちちうえ?ちちうえって誰?」


 父上って王太子様のこと?ん?ふと見るとジュリにそっくりな顔立ちのイケメンとアルバート様がいた。使者って王太子様なの!えー!


 王太子様が俺のことを先の国王陛下にそっくりだって、えーやだな。そんなことを思ったら不敬かな。口に出していないからわからないだろう。


 それから王都支店へ連れて行った。土壁を通り抜けると商業施設、魔道具施設、美容施設が立ち並んでいる。そのほか裏手に社員寮と社員食堂がある。


 あっ、あの使者用に用意した貧乏そうな小屋が要らなくなってしまった。父様にこれを使用せずに壊すか聞いたが取っておくというのだ。


「他の機会があるかもしれない。それまで取っておこう」


 そうだね、変な輩が来た時用の対応部屋はあそこで良いね。使い分けが大事。


 ケンドリック伯父さん、伯父上、伯父ちゃん、ケンおじ?どうすべきか?


 王都などで会う時はケンおじちゃん、王城で会う時はケンドリック伯父上で話がついた。王城ではケンドリック伯父上とキリリと、渋めの声で言いますからと言ったら笑われた。


 ケンおじちゃんと会ってから母様は泣きっぱなしだ。会えて本当によかったね。それから今後のことを話をした。王宮に全員を家族として招待すること。リル、クルの意向を聞いて高位貴族の前で紹介したいと言っていた。


 僕達が王宮に招待されるのは初めてなのだ。僕達とは祖父母の関係で会いたいらしい。ふーん、今まで何もしてこなかったのに今更なのだが、関係修復できるかは疑問だ。


 ケンおじちゃんがリルとクルにお伺いを立てていた。そんなに謙らなくていいのにと思っていたら2匹にギロッと睨まれたよ。思考を読まないでくれ。


「リル様、クル様、高位貴族に紹介したいのですがいかがでしょうか?」


「我はどちらでも良いぞ。よからぬ者達がよからぬことを考えていなければな。本当の姿を見せてやろうか?そしてアルバート、レオンハルトを害するものは踏み潰してやると言ってやろうか!」


「私も本当の姿になってあげましょうか?害するものは別の時空に置いてくるわよって。そうだわ、今日、レオンとアル兄とパパさんを王城へ転移してあげようかしら!その方が安全よね?」


 怖い、怖い、2匹とも怖いよ。クルさんや、別の時空に置いてくるって、何?転移できるの?


「「「「「は?」」」」」


「クル、転移できるの?いつのまに?」

 

 それから僕とクルはなぜ教えてくれなかったんだ、教えてくれたら領地とかに遊びに行けたのに、ポンコツには教えないと言われ口喧嘩をして、父様に怒られてしまった。お客様の前ですみません。


 その後精霊達、長老様達がいらっしゃり飲めや歌えやでした。通常営業!


 ケンおじちゃんと母様はいっぱい喋っていたのでわだかまりも取れたかな。


 しかし王宮に行きたくないなぁ。お祖父様、お祖母様と言わないといけないの?そこは兄様達に倣えだ。


 あっという間にレオン達が帰る時間になってしまった。


「メルシー、それではまた王宮で会おう。心配することはない。皆メルシーを待っている」


「お兄様、みんなを連れて王宮に伺います。お祖父様とお祖母様に会いたいです」


 母様、そこはお父様、お母様ではないのだな。母様にとって母様両親とはまだまだ深い溝があるのかもしれない


「ああ、お祖父様とお祖母様も会えるように取り仕切るよ。それではルーク、王宮で会おう。みんなもよろしく頼む。ではクル様よろしくお願いします」


「それじゃ、行くわよ」


 クルがそういうと、え?景色が変わったんだけど。ん?僕も転移?


「ケビン!一緒に来たの!これから遊ぼう、部屋に案内するよ」


 いやいやいや、俺は帰るよ。クルさーん、なぜ俺まで?


「ケビンの魔力を使うからに決まっているでしょ!」


 えー、僕の魔力頼みなの?自分の魔力を使いたくないってひどくない?この猫が!


 帰る時、アリステリア様にバラをお渡しした。カルトレイン商会に今日は行けなかったので卸そうとしていたバラをお渡しした。


「うちに咲いているバラという花です。どうぞ。お祖母様にもこちらのバラをお渡しください。この花を使って化粧品などにしておりますのでレオンに渡しあります。お使いください」


「まぁ、きれい。初めて見る花だわ。こんな気品のあるお花があるなんて。この花の化粧品?ありがとう、ケビンくん。いつでも遊びに来ていいのよ。クルちゃんもいつでもいらっしゃい」


 ギューギューに抱きしめられた。ふわりとしたいい香り。この方も隣国の王女そしてゆくゆくは我が国の王妃様だぁ。うわぁ、すごい方に抱きしめられているよ。しかし、王城はそんなおいそれと来られるところではありませんよ。無理です。


 転移で自分の家に着いた時ホッとしたよ。時空の狭間で帰れなくなったら怖いもんね。


 クルは父様に怒られていたけどね。ダメだよ、勝手に転移をしては。報連相大事だからね。


 父様はケビンとクルは似た者だと豪語していた。お前もクルに転移して遊びに行こうなんて言わないこと!と念を押された。やめて、この子と一緒にしないでー!でも、遊びに行くのはアリだよね。ニシッシッシー。



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